国内4メーカーで唯一のフルカウル原付二種スポーツ、GSX-R125が新排ガス規制に適合。予定よりおよそ2か月遅れて7月に販売開始し、最高出力/最大トルクとも従来と変わらず、発生回転数がそれぞれ500rpmずつ上昇した。GSX-Rシリーズの末弟、適合後の変化やいかに。
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:柴田直行 ●外部リンク:スズキ
スズキ GSX-R125 ABS:小排気量車の魅力凝縮。真のライトウェイト車
スズキ GSX-R125 ABS:試乗インプレッション
まずは最も気になるであろうエンジンから。GSX‐R1000Rよりもボア×ストローク比がショートな124cc水冷DOHC4バルブ単気筒は、スズキイージースタートシステムによって瞬時に目覚め、新排ガス規制適合前と同様に歯切れのいい排気音を響かせる。
ギヤをローに入れて発進すると、6000rpmぐらいまでは穏やかだが、7000rpmを超えたあたりからグングンとパワーが盛り上がり、レッドゾーンの始まる1万1500rpmまで力強く加速する。こうした高回転型という基本的なイメージは適合前と大きく変わらず、使うギヤを慎重に選んでパワーバンドをキープするという、一般公道において小排気量車にしか味わえない楽しさに思わずニヤリとする。
厳密には、街中で常用する6000rpm以下でのトルクが薄いというか、スロットルの動きに対する反応がより穏やかになったような気がするが、新旧を同時に比べていないので断言は避けたい。
ハンドリングに関して影響しそうな変更点は、車重が3kg増えた程度だ。車体のバンクに対する舵角の入り方が素早く、フロントからしっかりと旋回するという特性は、完全にスーパースポーツのそれと言っていい。250ccクラスのフルカウルスポーツよりも切れ味は良く、高回転型のエンジンと合わせてスポーツライディングに没頭できる。
今回は終日雨の中での試乗となったが、ドライ路面でペースを上げたときに露呈する前後サスペンションの頼りなさはほとんど気にならなかった。むしろスムーズに発生する車体のピッチングとしなやかなフレーム、そして標準装着タイヤのウェットグリップの高さに感心したほどで、3kg増えたことはほとんどの人が気付かないだろう。
ブレーキは、フロントが入力に比例して高い制動力を発揮し、リヤはコントロール重視という設定だ。原付二種クラスでは、フロントのみにABSを採用する例は珍しくないのだが、R125はリヤも介入する2チャンネル式となっている。若年層のビギナーにも好まれそうなスタイルだけに、この配慮はうれしい。
スズキ GSX-R125 ABS 車両紹介
スズキ GSX-R125 ABS:エンジン
スズキ GSX-R125 ABS:足まわり
スズキ GSX-R125 ABS:主要装備
[△] 足回りに対する不満は社外品で解消できそう
レースベース車としても人気というだけあり、パフォーマンスアップを目的とした社外パーツが多数存在する。サスに関しては、ペースを上げると前後とも減衰力不足が露呈するが、こうしたパーツを換装することで解消できる可能性は大きい。
[こんな人におすすめ] 適合前後での印象差は少なく納得して買える
同じ原付二種でもダックス125などホンダのレジャー系とは真逆の、スポーツライディングに特化したのがGSX-R125であり、シリーズのDNAをヒシヒシと感じる。価格は3万7400円上昇したが、この唯一無二の走りは試す価値大!
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