東京都が2022年3月に策定/公表した「総合的な駐車対策の在り方」について、担当部署である都市整備局都市基盤部の小島氏に話を伺った。バイクやクルマはもちろんのこと、電動キックボードなど新しいモビリティをも含めた東京都内の駐車対策について紹介する。
●文:ヤングマシン編集部(田中淳麿)
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ニーズが高いのならば、沿道敷地の空間も活用する
───「総合的な駐車対策の在り方」について教えてください。
小島:東京都は車から人へ力点を移し、コンパクトでスマートな街づくりを推進しています。こうした取り組みを進める中で、人口減少、少子高齢化、ゼロエミッション東京、DXの推進など最近の駐車場を取り巻く状況を踏まえて、駐車対策の目指すべき将来像を設定し、地区の特性に応じて駐車対策を進めていくことが重要と考えております。
そのために、2040年代に向けて、自動車だけでなくあらゆるモビリティを対象とし、区市町村を主体とする地区特性を踏まえた施策の考え方について、事例も挙げながら提示したものが、この「在り方」になります。
───2040年代という設定意図について教えてください。
小島:「未来の東京」戦略(2021年3月策定)という都の総合的な計画がありますが、本計画では「2040年代の東京のビジョン」を掲げております。こうした都の総合的な計画を踏まえ、その目標年次に合わせた、目指すべき将来像を設定しました。
───バイクの駐車環境としては、今後何が変わるのか、変えようとしているのでしょうか。
小島:“在り方”では、バイクを含めたあらゆるモビリティを対象としています。区市町村等による駐車対策の検討にあたり、その地区で需要の高いモビリティに関わる駐車スペースの確保をすべきであると示しています。たとえば、地区のニーズに合わせて、自動車が減ったらその有閑スペースを他のモビリティに割り当てる、利用者のニーズが高いのならば沿道敷地の空間を活用した取組を推進していくこととしております。
───区市町村のニーズについて東京都は把握しているんでしょうか? 区市町村に任せる感じですか?
小島:駐車施策は、基本的には区市町村が実施します。都は区市町村等と構成する「駐車・まちづくり連絡会」等で、駐車場施策に関するトレンド/方針/施策事例等を共有していきたいと思います。なお、“在り方”の策定にあたり、区市町村の意見も反映させていただきました。
───現状、区市町村から要望や意見などはありますか?
小島:地区特性に応じた取り組みが必要であることは、区市町村も感じているところです。また、検討体制等に係る支援についての意見もありました。ケーススタディは都のほうでもやっていかないといけないと感じています。
たとえば、都心部と郊外では抱える駐車課題が異なっているため、その中で先進的に取り組んでいる地区をピックアップして、その取組事例を他の類似した駐車課題を持つ地区で参考にできるよう、共有していきたいと考えております。(続く)
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