昭和/平成ネオクラ車もプレミア化! 中古バイクのイマドキ相場〈絶版中古車の新常識 〉

高いと言われがちな絶版中古バイクだが、実際のところはどうなのか? 普段から絶版車の整備&販売を行うヤングマシンメインテスターの丸山浩氏と、ライターの沼尾宏明氏の2人が、絶版車の宝庫・バイク王つくば絶版車館でイマドキの相場をチェックした。本記事では”昔のネオクラ”昭和後期から平成初期にかけて生まれた絶版車を扱う。※各車在庫と値札表記は’22年7月11日取材時のもの。


●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:関野温

じっくり高騰中の本命ネオクラを尻目に、スズキの不人気コンビが爆上がり!

近頃人気のネオクラシックだけど、昭和や平成にも存在していた。SR400などを除いて、当時の人気はあまりなく、短命だったモデルも数多いが、近頃は相場が上昇傾向だ。

SRは’21年に生産終了した影響でもちろんアップ。絶版で人気が高まった水冷直列4気筒+4本出しマフラーの新世代CB400フォアも極上車は150万円台にまで高騰している。さらに不人気だったスズキのGS1200S、SW-1もプレミア化が進んで驚いた!

【スズキ GS1200SS:348万円|現代のネオクラ大本命】油冷直列4気筒のイナズマ1200をベースに’02年デビュー。’78年の第1回鈴鹿8耐を制した伝説のヨシムラGS1000がモチーフだ。新車当時91万円と安かったのに3年で絶版になるほど不人気だったが、現在このお値段。今見れば確かにカッコイイ。特にヨシムラカラーは高額だ!

【スズキ SW-1:128万円|あの日、鼻で笑ってごめんなさい!】250cc単気筒なのに新車で約70万円と高いし、「バイクだかスクーターだか分からない」(沼尾)と’92年のデビュー時は目もくれなかったけど、今は出世。全般的にスズキはパーツが出にくいとのこと。特に本作は専用パーツが多く、タマ数も少ない。しかし展示車は非常にキレイな状態だった!

【ヤマハ SR400:128万円|生産終了で新旧問わず高騰中】「単車遺産」と称されるほど、’78初代の基本設計を守ってきたSR。’21年、ついに生産終了となり、新車が争奪戦になったのは記憶に新しい。当然、中古車も人気で相場は上昇。絶版車館の中心相場は100万円前後で、最高値で128万円だった。

【ホンダ GB500:79万8000円|ようやく時代がやってきた頃合い】GB350がメガヒット中の現在だが、昭和に存在したシングルスポーツのGBシリーズも忘れてはならない。名前だけで何もかも350とは別物だが、古びないデザインがマル。以前より値段が上がっている。

【ヤマハ SDR200:91万8000円|いまならまだ100万しないぞ!】スタイル抜群ながら2ストシングルで速さも圧巻。これも相場がアップして今は90万円台だ。タマ数は少なく、ネオクラ2ストという独特なキャラなので高騰する可能性アリ。押さえるなら今でしょ!?

【ホンダ FT400|人気がなくとも極上さで高値に】XL400R系の空冷単気筒を積むトラッカーだが、超マイナー車。2人とも「誰?」状態だった。しかも100万に迫るお値段! ’82年型ながら走行距離わずか534kmというコンディションが大いに影響している。不人気でも極上車なら高値になる好例だ。

中古車とはいわば「時代を超越する存在」【丸山&沼尾コラム】

沼尾「昭和や平成に登場したネオクラも上がってましたね。特に衝撃だったのがGS1200SSの348万円」

丸山「さほど驚かないかな。当時は耐久レーサーの模倣具合が中途半端に感じたけど、今は凄い再現度に見える」

沼尾「バイク王つくば絶版車館の黒澤店長によると、コロナ禍が始まった2~3年前に中古相場全体がアップしたそうです。特に『直4』『ネイキッド』『カワサキ』の3つが揃うと高くなるとか!」

丸山「でも高額なのはやっぱり理由がある。当時の走りが再現できていれば妥当かな。6気筒のCBXなんて意外と安く感じちゃった。ナナハンの方が高かったり、ジェイドが高いのは意外だったけどね」

沼尾「考えてみれば、何十年も前の個体が今も元気に走り回るんだからスゴイことッスよね。だったら今バイクに乗っている人は、愛車の好調を維持し続ければ、未来で高値で売れるかも」

丸山「現代の最新ネオクラもいずれは貴重になるかもしれない」

沼尾「どんなバイクが高額になるか予想がつかない面もありますからね。もちろん、そんなゲスなことを考えずに楽しめばいいと思うけど」

丸山「XXも今はたまたま安いだけで、未来で高額になってると思う(笑)」

沼尾「そこッスか!」

【おまけ:そして栄光のブラックバードは隅っこに追いやられていた…】ZZ-R1100とハヤブサの間に君臨した最強最速王がXX。’97年型のキャブ車はナント50万円台! ZZ-Rの方が相場が高く、絶版車館の中でも極めて安い部類だった。丸山さんは当時、本誌企画でさんざん試乗し、自らオーナーでもあった。それだけに思い入れがあり、「なぜこんなに安い!?」と驚愕!


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