
高いと言われがちな絶版中古バイクだが、実際のところはどうなのか? 普段から絶版車の整備&販売を行うヤングマシンメインテスターの丸山浩氏と、ライターの沼尾宏明氏の2人が、絶版車の宝庫・バイク王つくば絶版車館でイマドキの相場をチェックした。本記事で取り上げる大型車部門では、ナナハンの価格がリッタークラスを上回る「兄弟間の下剋上」が散見されるようだ。 ※各車在庫と値札表記は’22年7月11日取材時のもの。
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:関野温
希少価値の高い国内ナナハンが高騰。フェックスがゼッツー超えも
絶版中古車の中でも750cc以上の大型は、Z1など空冷直列4気筒マシンが揃う一番人気のカテゴリー。903ccのZ1や1015ccのZ1000マークIIは海外向けモデルで、自主規制により国内向けとして排気量を750ccにスケールダウンしたZ2/Z750FXが存在する。排気量がデカい方がエラいと思っていたら、希少価値からナナハンの方が人気&高額。また、王道のZ1/Z2がナンバー1という思い込みがあったが、ここ5~10年で角Zの人気が上昇。全体的に価格も角Zの方が高かった。
【弟|カワサキ Z750FX:1078万円】つくば絶版車館で最高額だったのがZ750FXの1078万円。特別に高いのは、旧Z系エンジンでZ1000マークII譲りの角型フォルムを採用した1型だけで、軒並み800万~900万円台だった。角Zの人気が上がったのは5~10年前から。加えて、稀少な国内仕様ナナハンのため、この相場になるのだ!
【兄|カワサキ Z1000MkII:500万円台】746ccで70psのZ750FXに対し、兄貴分のベース車マークIIは1015ccで93psを発生する。相場は弟分のFXより約400万円安い500万円台! Z1と近い価格帯だ。逆輸入車のMkIIは海外で売れたため、ナナハンよりタマがある模様。ナナハンに思い入れがなく、性能を重視するなら、FXよりコスパの高い買い物ができる。
価格面での兄弟間”下剋上”が進展中! ゼファーもモノによって逆転
兄弟逆転現象は、Z1/Z2でも同様。Z1は500万円台なのに対し、Z2は700万円前後で最も高いタマが900万円近かった。Z2は真正の初期ロットであれば1000万円オーバーのプライスになるという。
ゼファーも1100と750が存在するが、コチラの相場は同じ程度。やはりナナハンは高いと言える。ただしファイナルエディションのような貴重車だと750が逆転してしまう。
希少性が値段を左右 リッターキラーのナナハン続出【丸山&沼尾コラム】
沼尾「前々から絶版車が高騰しているのは知ってたけど、値段が高すぎて頭がクラクラしちゃいやした」
丸山「(笑)。まぁ確かに高いけど、パーツの確保が難しい絶版車をいいコンディションにするにはこれぐらいはかかると思う。ハンドリング+エンジンの走り自体を当時の状態に持っていくには、本当にコストをかけなければ。ただ当時のコンディションを解る人が少なくなったのも事実。判断できる人が手を出すべきかな」
沼尾「そういうものッスか…」
丸山「僕が驚いたのは、意外なモデルが高かったり安かったこと。例えば、Z1/Z2、Z1000MkII/Z750FXみたいに兄弟車がある場合、排気量が小さい方が高価だった!」
沼尾「つまり国内仕様で750ccのZ2とFXの方が、逆輸入車で兄貴分のZ1やMkIIより高いってことッスね」
丸山「一昔前は“逆輸入車の方が排気量が大きくてパワーがあるから高い”のは常識だったからね」
沼尾「つくば絶版車館の黒澤店長によると、ナナハンは元々流通数が少ない上に、国内モデルにこだわる人が多いのが理由とのこと。初年度登録に“昭和”の文字が入るのもポイントッス」
丸山「なるほど。じゃあカタナも今後は750の方が高くなるのかな…」
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