
総決算として、バイクライフ最後の1台を選ぶとしたら…。“上がりのバイク”は、人それぞれ、バイクへの考え方がモロに露出する正解のない概念だろう。…というわけで、2輪業界の様々な識者たちに質問してみた。「アナタにとっての“上がりバイク”を教えて下さい!」俳優や作家など、幅広いジャンルで活躍する大鶴義丹氏は、目下の目標として「アドベンチャーを用いた世界旅行」を挙げてくれた。
●文:ヤングマシン編集部(大鶴義丹)
【大鶴義丹 AGE:54】俳優/作家/映画監督と数多くの顔を持つ一方、プライベートでは林道ツーリングやレストアまでこなす超ディープなバイク好き。
バイクに終わりは必要ない! 冒険、いまだ完結せず。
私の中では、上がりバイクという言葉はあまり心地よい響きではない。上がりという言葉を改めて考えると、「仕上がる」「終わり」「勝つこと」などという意味である。常に冒険を求めるバイク乗りに、完結などは必要ない。
世代的には、上がりバイクというと、短絡的にBMWやハーレーという高級イメージがあるが、全てのバイクにおいて、その道を極めると言うことは簡単なことではない。モンキーの世界でもVツインや直列4気筒を自作してしまう方もいる。全ての道に、それぞれの奥義があるはずだ。
しかし私も来年には55歳になる。現役で派手に乗れるのも、長くて15年くらい。今、私がこだわっているのは、アドベンチャーバイクでのビッグオフ全般と、2スト・エンデューロマシンでのハードエンデューロごっこ。レストア的なこともやるし、空冷カタナはエンジンまで組む。乗ると、いじるのが半々という感じだ。
50代でたどり着いたこの「布陣」というのは、自分でもバランスが良いものだと思っている。その理由は、60代になったら仕事を休んででも、アドベンチャーバイクで世界的な冒険旅行に行こうと思っているからだ。YouTubeなどにしたら仕事にもなる。上がりという言葉が適切かは分からないが、それが60代の目標のひとつだ。
ハードエンデューロで養ったトライアル的な低速バランスは、世界をアドベンチャーバイクで旅する礎にもなるはずだ。また、エンジンまで触るレストア趣味故に、辺境地でのエンジン不調にも怯えることはない。
昭和歌謡のようだが、16歳の春にバイクで走り出した夜は、今でも忘れられない。ノーヘルがまだギリギリ許されていた時代で、生暖かい風が顔を当たると同時に、視界が大きく広がった。アクセルをひねるだけで、全ての道が自由に開けるという感覚に心の奥が震えた。数か月前まで中学生だった自分は、もうそこにはいない。冒険の扉が開いたようなあの感覚、それを忘れないために、今でもバイクに乗り続けているのかもしれない。
“上がりのバイク”までは考えないが、60代の目標としてアドベンチャーバイク(での世界旅行)を上げてくれた。
大鶴さんの1100カタナはなんとご自宅の中に鎮座している。
ビッグオフではガレた林道にも! XR250Rをレストアするなどいじりもプロ顔負けだ。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
新たな時代の「角Z」:スタイルと操案の狭間で揺れたZ1-Rの人気 Z1からZ1000までリファインを重ねて完成度を高めた“丸Z”だが、1970年代後半にはスズキのGS750/1000のようなライバル車[…]
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
フレームまで変わるモデルチェンジ、かつリヤキャリアを新装備してたったの+6600円 スズキは、グローバルで先行発表されていた新型「アドレス125」の国内導入を正式発表。基本スタイリングは継承しながら、[…]
最新の記事
- もう「買えなかった」とは言わせない! 今秋冬もワークマンのイチ推しは“着る断熱材”─昨年比8~10倍の増産
- 【Z1後期系】カワサキ空冷Zの進化!AMAを制したライムグリーン:ローソンレプリカ誕生と最強直4の歴史
- TZ750/鈴鹿8耐/SRファイナルetc。ヤマハ関連注目ニューストピック【2025年8月版】
- ボンネビルが魅せる無限の可能性!「トライアンフ・オリジナルズ 2025」カスタムコンペティションでブラジルが世界を制覇
- 残暑の秋ツーリングを快適に! ライダー必須のコミネ製品がAmazonでお買い得SALE中だぞ
- 1
- 2