総決算として、バイクライフ最後の1台を選ぶとしたら…。“上がりのバイク”は、人それぞれ、バイクへの考え方がモロに露出する正解のない概念だろう。…というわけで、2輪業界の様々な識者たちに質問してみた。「アナタにとっての“上がりバイク”を教えて下さい!」俳優や作家など、幅広いジャンルで活躍する大鶴義丹氏は、目下の目標として「アドベンチャーを用いた世界旅行」を挙げてくれた。
●文:ヤングマシン編集部(大鶴義丹)
バイクに終わりは必要ない! 冒険、いまだ完結せず。
私の中では、上がりバイクという言葉はあまり心地よい響きではない。上がりという言葉を改めて考えると、「仕上がる」「終わり」「勝つこと」などという意味である。常に冒険を求めるバイク乗りに、完結などは必要ない。
世代的には、上がりバイクというと、短絡的にBMWやハーレーという高級イメージがあるが、全てのバイクにおいて、その道を極めると言うことは簡単なことではない。モンキーの世界でもVツインや直列4気筒を自作してしまう方もいる。全ての道に、それぞれの奥義があるはずだ。
しかし私も来年には55歳になる。現役で派手に乗れるのも、長くて15年くらい。今、私がこだわっているのは、アドベンチャーバイクでのビッグオフ全般と、2スト・エンデューロマシンでのハードエンデューロごっこ。レストア的なこともやるし、空冷カタナはエンジンまで組む。乗ると、いじるのが半々という感じだ。
50代でたどり着いたこの「布陣」というのは、自分でもバランスが良いものだと思っている。その理由は、60代になったら仕事を休んででも、アドベンチャーバイクで世界的な冒険旅行に行こうと思っているからだ。YouTubeなどにしたら仕事にもなる。上がりという言葉が適切かは分からないが、それが60代の目標のひとつだ。
ハードエンデューロで養ったトライアル的な低速バランスは、世界をアドベンチャーバイクで旅する礎にもなるはずだ。また、エンジンまで触るレストア趣味故に、辺境地でのエンジン不調にも怯えることはない。
昭和歌謡のようだが、16歳の春にバイクで走り出した夜は、今でも忘れられない。ノーヘルがまだギリギリ許されていた時代で、生暖かい風が顔を当たると同時に、視界が大きく広がった。アクセルをひねるだけで、全ての道が自由に開けるという感覚に心の奥が震えた。数か月前まで中学生だった自分は、もうそこにはいない。冒険の扉が開いたようなあの感覚、それを忘れないために、今でもバイクに乗り続けているのかもしれない。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
私は冬用グローブを使うときにインナーグローブを併用しています。防寒目的もありますし、冬用グローブを清潔に保つ目的もあります。最近、長年使い続けたインナーグローブが破れてしまったこともあり、新品にしよう[…]
TRIJYA(トライジャ):カフェレーサースタイルのX500 パンアメリカやナイトスターなど水冷ハーレーのカスタムにも力を入れているトライジャ。以前の記事では同社のX350カスタム車を掲載したが、今回[…]
高回転のバルブ往復にスプリングが追従できないとバルブがピストンに衝突してエンジンを壊すので、赤いゾーンまで回すのは絶対に厳禁! 回転計(タコメーター)の高回転域に表示されるレッドゾーン、赤くなっている[…]
従来は縦2連だったメーターが横2連配置に ヤマハは、2004年に欧州で誕生し、2017年より日本を含むアジア市場へ(250として)導入されたスポーツスクーター「XMAX」の2025年モデルを欧州および[…]
2018 カワサキ ニンジャ400:250と共通設計としたことでツアラーから変貌(2018年8月30日公開記事より) 2018年型でフルモデルチェンジを敢行した際、従来の650共通ではなく250共通設[…]
最新の記事
- 「新型にも欲しい」650版 KATANA(カタナ)となるSV650/X 短刀(Tanto)が魅力的すぎる
- ヤマハ新型「MT-25」登場! 一部デザイン変更のほかアシスト&スリッパークラッチやスマホ連携を獲得
- ヤマハ新型「YZF-R25」登場! YZF-R9と並ぶ最新デザインの“アーバンスーパースポーツ”【海外】
- 「デカすぎ」「試作車、見たかった」〈幻名車〉2リッター「音魂(OTODAMA)」またの名をV-MAX2000
- 「キミ、暴走族なの?」昭和〜平成前期に〈警察官〉が取り締まりで言いがちだったセリフ5選!──そんな時代もありました
- 1
- 2