
サーキットではベテランを唸らせる旋回性を見せ、ワインディングでは軽快感を武器に難しさを感じさせないスポーツ性を披露してくれた新型RC390。大型アップデートは’13年の登場以来初で、各部が見直された結果クラス随一のポテンシャルを発揮するマシンとなった。本記事では、その詳細を解説する。
●文:ヤングマシン編集部(小川勤) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:KTM
‘22 KTM RC390 車両紹介
スタイリング
【KTM RC390】■軸距1343 シート高824(各mm) 乾燥重量155kg ■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 373cc 内径89×行程60mm 最高出力44ps/9000rpm 最大トルク3.77kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量13.7L ■キャスター23.5° ■ブレーキF=ディスク R=ディスク タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●色:ブルー×オレンジ オレンジ×ブラック ●価格:83万円
スタイリングは、KTMのモトGPマシン RC16をオマージュしたもの。READY TO RACEをスローガンに掲げるKTMらしさは、きちんと投入されている。エンジン搭載位置が低く、重心の低い車体構成。速度レンジが低いと軽快感が高いが、ペースを上げるほどにクイックな車体の動きに身体を追従させるチャレンジが面白くなる。
単気筒らしいスリムな車体。タイヤサイズはフロントが110/70R17で、リヤは150/60R17。RC390カップではリヤを140にして軽快性を向上させる人も多いので、試してみてもよいかも。
【カラーバリエーションは2種】NewRC390のカラーバリエーションはオレンジを基調にした2パターンを用意。サーキットやワインディング、そして市街地でも映えるデザインはKTMらしさに溢れている。
ライディングポジション
【高めのシート高824mmはスポーツバイクの証】セパレートハンドルだが、ポジションのキツさはない。また、車体は軽いけれど、それほどコンパクトでなくこれならツーリングも快適そうだ。高めのシート高はハンドリングのためだが、よく動くサスペンションがフォローしてくれるため、足着き性は悪くない。[身長165cm/体重65kg]
エンジン
【振動を軽減しスムーズな吹け上がりを実現】ユーロ5規制に適合させた、ボア×ストローク:89×60mmのショートストロークエンジン。回すのが楽しい高回転型ユニットだ。シングルエンジンとは思えないほどストレスなく高回転まで回っていく。
マフラーはモトGPマシンRC16をイメージしたショートタイプ。サイレンサーエンドはメッシュタイプでレーシーな雰囲気。
シャーシ
【フレームは前モデルより1.5kgも軽量化】今回のアップデートではフレーム特性も変更された。縦剛性はそのままに横剛性を落とすことでフレキシブルに。またシートレールは、ボルトで取り外しが可能になった。
足まわり
【ブレーキディスクで0.960kg、前後ホイールで3.4kgの軽量化を実現】バネ下の大胆な軽量化は、ハンドリングの軽さに直結し、サスペンションの動きも向上させている。そしてNewRC390は、走り出すとその効果を確実に体感することができる。
【リヤサスペンションはミドルクラスでもっとも上級】リヤサスペンションはWP製。プリロードと伸び側減衰力の調整が可能。さらにグレードの高いWP APEXプロ6746ショック(11万4898円)も用意する。
主要装備
KTMの他モデルにも通じるフロントマスク。ヘッドライトやウインカーはLEDだ。ウインドプロテクションも最適化された。
【視認性の高いデジタルメーターを採用】10mmの範囲で高さ調整が可能なセパレートハンドル。フロントフォークはWP製。右側に伸び側、左側に圧縮側減衰力調整機構を装備。さらに上級なWPAPEX PRO 6500カートリッジ(9万4498円)も用意するのがKTMらしい。
【ガソリン容量を大幅アップ!】燃料タンク容量は9.5Lから13.7Lに増やされ、エアボックスは40%も容量を拡大。また燃料タンクを前寄りにすることでフロント荷重をアップ。
【シートは肉厚になり表皮も変更】シートはスポンジ厚が2倍になり表皮も変更。レーシングスーツとジーンズで試乗したが、どちらでもグリップが高く、体重移動もしやすかった。
【シートレールは取り外し可能に】一新されたフレーム&サブフレーム。ボルトの本数を減らし、シートレールが外せるようになった。レース用パーツも簡単に装着できる。
試乗車にはアップ&ダウンのギヤチェンジに対応するオプションのクイックシフター+(3万3661円/工賃別)も装備。
ライダー&パッセンジャーのステップも軽量化に貢献。しかし、サーキット走行をするなら擦ってしまうため交換は必須かも。
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