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ショーワ(日立アステモ)が長年トップカテゴリーのレースで培ってきたバランスフリー技術。これを採用したZ900RS/カフェ用のフロントフォークとリヤショックをMSLが発売した。オーナー諸氏は刮目して見よ!
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:MSL WORLD
[◯] 動き出しの良さに感動。純正サスには戻れない
「これがあのZ900RS!?」というのが偽らざる第一印象である。
もともとZ900RSの足回りはスポーティな方向でうまくまとめられているが、バランスフリー技術を採用したショーワのBFF(フォーク)とBFRCライト(リヤショック)に換装した試乗車は、走りの質が格段にアップしていたのだ。
【ショーワ BFFハイパフォーマンスシリーズキット】フォークのインナーチューブ径は純正品のφ41mmに対してφ43mmと太く、ボトムケース(アクスルホルダー)はアルミ削り出し。●価格:33万円
純正サスペンションとの違いはまたがった瞬間から実感できる。動き出しが非常にスムーズなのだ。そして、驚きはまだ続く。交差点を曲がるような低速域からワインディングロードでの快走まで、とにかく路面追従性が高いのだ。ひと言で表現するなら「しっとりと動く」になり、それを細かく分析すると、ストロークがどの位置でも減衰力が一定ということになろうか。特に圧側から伸び側へと作動方向が切り替わる初期に、減衰力がフッと抜けるような感触がない。
その結果、フロントはブレーキングからのターンインに自信が持てるようになり、リヤは路面が荒れているコーナーでも跳ねないので安心して攻められる。そして、高速巡航時の乗り心地も優秀だ。前後セットで50万円を超えるが、得られる満足度を考えるととってもお買い得だ。
フロント:BFF
フォークはトップキャップにプリロード用のダイヤルがあり、工具もしくはコインで回す。伸び側と圧側の減衰力調整はボトムケースにある。なお、SEのブレンボ製キャリパーはニッシン製と取り付けピッチが異なるため、キャリパーおよびホースの交換が必要だ。
リヤ:BFRCライト
プリロード(油圧式)および伸び側/圧側減衰力のほか、車高調整も可能なリヤショック。ZX-10Rも純正でBFRCライトを採用するが、ボディが鋳造なのでこちらの方がコストがかかっている。ロッドおよびフォークのインナーチューブはチタンコーティング済みだ。
[△] すでに完売間近か。数量限定は厳しい
6月中旬現在、ECサイトの表示は残り1セットとなっており、今後の入手は難しいかも…。これを受けて再販してくれることを願う。
[こんな人におすすめ] 動きの良さでオーリンズのSEを超えたかも
BFF&BFRCライトはZX-10Rに純正採用されているので体験済みなのだが、Z900RSと組み合わせたことでその優秀さが明瞭に。推奨設定値がリーフレットに明記されているので、サスセッティングに迷うこともなし。これはいいぞ!
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