’21モデルで近未来フォルム+数々の電子制御機能で生まれ変わったスズキのスーパーネイキッド、GSX-S1000。GSX-R1000譲りのエキサイティングエンジンと軽快なハンドリングはそのままに、負けず劣らずのシャープなフルカウルで身を包み、電脳装備もさらに強化。グランドツアラーの新たな境地を切り拓いたのが、このGSX-S1000GTだ。本記事では、スズキ開発陣がGSX-S1000GTに込めた思いを紹介する。
●まとめ:ヤングマシン編集部(宮田健一) ●写真:山内潤也/武田大佑 ●外部リンク:スズキ
’22 SUZUKI GSX-S1000GT
スズキ GSX-S1000GT 開発者インタビュー
スズキの求める姿を具現化しました〈二輪営業・商品部チーフエンジニア:安井信博氏〉
車名の「GT」は快適な長距離走行を想定した「グランドツアラー」を意味します。高い動力性能をより扱いやすくチューニングし、最新のトレンドデザインと空力性能を融合させたうえで、タンデム性能や積載性、快適性など基本的なツーリング性能を向上させています。
こうして旧GSX-S1000Fの進化形ではない、真のグランドツアラーが完成しました。これはスズキの2輪車が目指す「楽しさ」「扱いやすさ」「驚き」を具現化したモデルであり、お客様にも広く受け入れられると確信しております。ぜひ一度ご試乗していただき、その素晴らしさを体感してください。
「GTらしさとスーパースポーツテイストの融合です」(二輪営業・商品部デザイングループ:村上智弥氏)
デザインコンセプトは「GT Tour de Force」とし、GTに求められるエアロダイナミクス/快適性/使い勝手を満足したうえで、GTらしい堂々とした佇まいとスズキのスーパースポーツ由来の軽快さを両立することを目指しました。サイドケースをはじめ、純正オプションも車体をより魅力的にカスタマイズできる高付加価値パーツとして同時開発しています。シャープで先進的なそのデザインを味わってください。
「規制対応と性能アップを両立」(二輪技術部エンジン設計グループ:大畠雄介氏)
エンジンについてはなめらかで豊かなトルク特性/最高出力の向上/排ガス規制対応と、性能を両立させる吸排気システム/スズキクラッチアシストシステム(SCAS)の採用の4点を軸に、全面的に見直しました。特にトルクは従来より谷の少ないスムーズな特性としたほか、全域で1.8%アップし扱いやすさが増しました。電子制御スロットルは環境性能だけでなくコントロール性向上にも高く貢献しています。
「S.I.R.Sが上質な走りをサポート」(二輪技術部エンジン実験グループ:鈴木星矢氏)
最適なパフォーマンスを発揮するため、7つの電子制御からなるスズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S)を採用しました。中でもSDMSは、テストライダーと何度も検討を重ねた結果、モードごとの特徴がはっきり分かれ、より幅広いライダーのニーズに応えられるようになっています。オートシフターは低速から高速までそれぞれ合わせた設定とし、走りと快適性の両立を目指しました。
「快適性の工夫を随所に施しました」(二輪技術部車体設計グループ:利光秀康氏)
車体設計では、GTとして特に空力性能にこだわりました。ミラー形状はライダーの腕に当たる風を、サイドカウルの小さなウイング部分は膝へ当たる風を、それぞれ和らげるよう何度もテストを重ねて生まれたものです。またアンダーブラケットにも整流板を設け、風の巻き込みを防ぐなど快適性への工夫を随所に施しました。ライディングポジション設定はS1000よりもハンドルを手前に14mm近づけて前傾度を和らげています。
「誰もが満足する新感覚マシンです」(二輪技術部品質監理グループ:犬木翼氏)
GTに必要なタンデムも含めた快適性と、GSX-Sならではのスポーツ性の両立はテストライダーとして大変でしたが、見事にバランス良く完成させることができました。エンジン/電子制御は開発期間ギリギリまでこだわり、あらゆる路面を走り込んで煮詰めたことによって、SDMSやトラコンの各モードはそれぞれ特徴ある最適な設定となっています。マイスピンのテストでは未来感覚と快適性に驚きました。
「”マイスピン”で旅が広がります」(二輪技術部電装設計グループ:木幡大紀氏)
スズキ初となる6.5インチフルカラー液晶メーターには、無料アプリの「マイスピン」をインストールしたスマートフォンをワイヤレスで接続できる機能が付いています。標準では連絡先/カレンダー/マップ/音楽/電話の5つの機能を持ち、さらに対応したサードパーティ製のアプリを加えることで、ツーリングの楽しみを多岐に広げることができます。充電に便利なUSBソケットも標準装備としました。
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