タイの新興メーカー・フェニックスエンジニアリングが、手作業で生産しているレジャーバイク「ガンナー」。すでに試乗したガンナー50に続き、原付二種枠の「ガンナー100」が登場した。ロットごとに細かなアップデートを繰り返しており、最新版に相当するのがこの100となる。カラーが豊富な点にも注目を!
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:月木レーシング
ガンナーは50cc版も大人気!
[◯] 車体との相性が良好に。100cc化は大正解!
日本人チューナーが設計に関与しているというフェニックスエンジニアリングの「ガンナー」。車体サイズはホンダのグロムやモンキー125に近く、ゆえに’21年に試乗した50ccモデルは車格に対してアンダーパワー感が否めなかった。そう感じたのは私だけではなかったようで、SNSを通じて世界中から排気量アップを望む声がメーカーに届き、それを受けて誕生したのがこの「ガンナー100」なのだ。
50の車体そのままに排気量を97ccにアップしたガンナー100。スペックは未発表だが、実際に乗ってみるとやはり50とは比べものにならないほど元気がいい。常に中高回転域を維持していないと交通の流れに乗れない50に対し、100は低回転域からグングンと加速する。しかも50に対してドライブスプロケットを2T増やしているので、1速でもすぐに吹け切らず、息の長い加速が楽しめる。φ16mmからφ20mmへと大径化した強制開閉キャブは、低回転域でガバッと開けても無理なく吹け上がるほか、吸気音がダイレクトに耳へ届くので懐かしさも感じる。
車体については基本的に50と共通だが、私が’21年に試乗した最初期から細部が改良されており、特にリヤサスペンションは明らかに動きが良くなった。ハンドリング自体は、この特異な見た目から想像できないほど扱いやすくまとめられており、排気量がアップしたこととリヤサスペンションの動きが改善されたことで、より積極的に操縦しやすくもなった。前後ともサスペンションストローク自体が短いため無茶は禁物であり、またフレームの過剛性感も相変わらずだが、未舗装の河川敷をトコトコと走れる程度の走破性は十分にある。
ブレーキは50と同様に前後ディスクで、ABSや前後連動などのライダーエイドなシステムは一切なし。リヤは踏力に対してやや利きすぎる印象だが、これはペダルの高さなどを微調整すれば解決できるだろう。一方のフロントは、コントロール性/絶対制動力とも不足はない。
入荷ロットごとに予約で完売するほど人気のガンナー。街中での注目度は抜群であり、幅広い年齢層に売れているとのこと。このスタイリングに惚れたのならすぐにも予約を!
[△] イジるのが前提ならネガも大きな美点に
バンク角が少ない、タンク容量が小さくて航続距離が短い、荷物がまったく積めないなど、弱点はいくつもある。だが、この個性的なスタイリングの前ではそれらは些細な問題に過ぎず、徹底的にイジれるバイクが新車で買えるのは大きな魅力だ。
[こんな人におすすめ] レジャーバイクとして真っ当なかわいさと走り
リヤサスペンションが動かない最初期50のネガティブな印象から一転、わずか1年未満で大きく進化したガンナー。小規模メーカーだからこそ改善に素早く対応できるのだ。間もなく125cc+タンデム仕様が登場予定とのことで、こちらも楽しみだ。
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