新排ガス規制未対応で”絶滅”=生産終了の危機?! [バイクのレッドリスト]ヤマハ編

新排ガス規制未対応で"絶滅"=生産終了の危機?! [バイクのレッドリスト]ヤマハ編

激動の変革期来る!国内の現行車は50ccを除き、’22年10月末までに”次期排ガス規制”に対応しないと販売できなくなるのだが、実はまだ適合していないバイクが半分以上! 「欧州ではユーロ5 に対応済み」など、国内の次期規制にも通るだろうモデルもある。しかし、中には「モデルチェンジしない=今を逃すともう買えない」バイクもあるのでは。そこで独自調査を元に、それら”絶滅危惧”バイクを大予想。メーカーも終了を発表しているようなモデルは”絶滅寸前”、存続するか否か五分五分(?! )なモデルは”絶滅の可能性アリ”だ。全ライダー必見の記事、今回はヤマハ編だ!


●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●絶滅の危険性判定:ヤングマシン編集部

“絶滅の危険性”を2段階で判定

  • 絶滅寸前:残念ながら絶滅の可能性高し!
  • 【絶滅の可能性アリ】:継続は五分五分?! 殿堂入りしちゃうかも……

2BL? 8BL?? 型式を見れば規制対応済みかどうかが分かる!

排ガス規制の基準値や測定方法は各国でバラバラだったが、’14年頃から世界統一基準が採用され始めた。そして、ついに日本の新規制”平成32年(令和2年)規制”と、欧州規制の”ユーロ5″がほぼ同一に。ユーロ5をクリアしていれば、日本の規制にも対応できると考えていい。導入時期は欧州が先行しており、既に’21年1月から全面適用。ただし1年間の猶予期間があり、ユーロ4でも認定を受けた一定数の車両なら販売できる。なお米国は独自の規制を敷くため、日欧にないモデルが販売中だったりするのだ。

そしてどの規制に対応しているのかは、スペック表や車検証にもある”型式”を見れば一目瞭然。最初の3文字は「いつの規制をクリアしたか」などを示す。これを見れば、新規制に対応しているか即わかるのだ。ただし全く同一の車種ながら、欧州仕様はユーロ5対応で、国内仕様は従来の平成28年規制(ユーロ4相当)対応という場合も。こうした車種は、国内新規制の認証試験を受けていないだけで、パスできる性能はあるだろう。

ここでは前述の通り、本誌の超独断と偏見と少しの妄想で新規制に対応しない=絶滅しそうかどうかを大予想。ほぼ絶滅間違いなかろう、というようなモデルは”絶滅寸前”、絶滅となってしまう可能性を捨てきれないモデルは”絶滅の可能性アリ”という表記にした。

既に次期規制は新型車に適用済み。適用時期以前から販売されている51cc以上の”継続生産車”は’22年10月末までの対応が必要だ。

市販されている2輪4輪には全て型式があり、規制や排気量など示す。バイクは最初が”8″なら新規制をクリアした車両を意味する。

YAMAHA FJR1300A/AS/20th Anniversary Edition絶滅寸前

スポーツツアラーの元祖も遂にファイナル

’01年の初代以来、専用の1297cc水冷直4を積む快速ツアラーとして熟成を重ねてきたが、欧州に続いて国内も生産終了が決定した(北米は継続)。ラストモデルとして黒×金ホイールを採用した20周年記念車を用意。6速マニュアルのAとクラッチ操作不要のASが選べる。

【’22 YAMAHA FJR1300AS 20th ANNIVERSARY EDITION】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1297cc 147ps/8000rpm 14.1kg-m/7000rpm ■296kg シート高805/825mm 25L ●タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●色:ブラックメタリックX ●価格:198万円

20 周年仕様には、特製エンブレムをタンク天面に施す。リッドやボルトは黒で統一し、専用ステッチ&エンボス加工のシートも採用。

YAMAHA BOLT R-SPEC【絶滅の可能性アリ】

絶滅危惧種の空冷Vツイン、欧州は終了

ミニマルな造形で60度空冷Vツインが際立つクルーザー。リザーバータンク付きRサスと専用シートのRスペックのみラインナップ。’13年にデビューし、’17で平成28年規制に対応したが、欧州版は’21年にラインナップ落ち。新型が登場しない限り、国内も殿堂入りとなる……。なお北米でもRスペックが健在で、’22新色が登場した。

【’21 YAMAHA BOLT R-SPEC】■空冷4ストSOHC4バルブ 941cc 54ps/5500rpm 8.2kg-m/3000rpm ■車重252kg 690mm 13L ■タイヤサイズF=100/90-19 R=150/80B16 ●色:グレーイッシュブルーメタリック4 ブラックメタリックX ●価格:104万5000円

北米向けに’22モデルとして新登場したストームグレイ。価格は8599ドル。

鋼管ダブルクレードルに空冷Vツインをリジッド懸架。後輪はベルト駆動となる。パルス感が持ち味で、走りもスポーティだ。

メーターなど各部の円モチーフも特徴。

YAMAHA SR400Final Edition絶滅寸前

43年熟成してきた単車遺産、新規制の荒波に消ゆ……

’78年の初代デビュー以来、シンプルな造形美をはじめ、SOHC2バルブの空冷単気筒や一部をオイルタンクとして使う鋼管フレームなどの基本構成を守り続けてきたリアルクラシック。’17年の生産中止を経て、’18年に蒸散ガス放出防止のキャニスターを装着するなどして平成28年規制に適合した。が、ついに’21年型で国内向けの生産終了が発表。ファイナル仕様はメーカー完売で入手困難な状態だ。

【’21 YAMAHA SR400 FINAL EDITION】■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 399cc 24ps/6500rpm 2.9kg-m/3000rpm ■車重175kg シート高790mm 12L ■タイヤサイズF=90/100-18 R=110/90-18 ●色:ダークグレーメタリックN ダルパープリッシュブルーメタリックX ●価格:60万5000円

ファイナルはグレーとブルーの2色を設定。

初代から一貫してセルは装備せず、始動はキックスターターのみ。’21年10月に義務化されたABSも非装備で、生産終了の一因に。

1000台限定のリミテッドもあった!

’21年3月発売のファイナルモデルには通常版のブルー、グレーのほか、1000台の限定仕様もアリ。

限定仕様は手塗りのサンバースト塗装や、特製エンブレムなどを採用し、即完売。プレミア市場を形成している。

YAMAHA SEROW Final Edition絶滅寸前

軽快トレール、根気よく凌ぐも35年目に終了

’85年の初代225で“マウンテントレール”という新ジャンルを打ち立て、以降も熟成を重ねてきたロングセラー。’05年に排気量を249ccとし、’08年にFI化。’17年の一時生産終了を経て、’18で平成28年排規制に対応した。しかし、ついに’20年1月発売のファイナル仕様で終売となった。ラストモデルは’85初代をイメージした緑と赤が用意され、初代と同様にフレームも塗装。今やプレミア価格で取引されている。

【’20 YAMAHA SEROW 250 FINAL EDITION】■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 249cc 20ps/7500rpm 2.1kg-m/6000rpm ■車重133kg シート高830mm 9.3L ■タイヤサイズF=2.75-21 45P R=120/80-18 ●色:パープリッシュホワイトソリッド1 パープリッシュホワイトソリッド1 ●価格:58万8500円

カラーバリエーションはホワイト×レッド/ホワイト×グリーンの2色展開。

粘り強い特性の空冷シングルと軽い車重が美点。’18でキャニスターを装備するも次期規制には対応せず。またABS非装備や灯火類の認証基準変更も終了の理由だ。将来の復活に期待!

YAMAHA MAJESTY S【絶滅の可能性アリ】

人気ビグスクの血統がついに途絶える?

大ヒットしたビッグスクーターの名とデザインを継承するモデル。モノクロスサス、大径ディスクなどで走りが良好な上に、32Lトランクや電源で実用性も高い。基本設計が’14年と古く、このまま終了の可能性もある。

【’20 YAMAHA MAJESTY S】■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 155cc 15ps/7500rpm 1.4kg-m/6000rpm ■車重145kg シート高795mm 7.4L ■タイヤサイズF=120/70-13 R=130/70-13 ●色:ビビッドイエローソリッド2 グレーメタリックM ブラックメタリックX シルキーホワイト ●価格:37万9500円

YAMAHA TRICITY125/ABS/155【絶滅の可能性アリ】

LMW第1弾は存続に黄信号?

フロント2輪とバンクできる車体で、万人がバイクの楽しさを味わえるコミューター。125と155は車体が共通で、両車とも可変バルブのブルーコアを積む。’21は125に新色のイエローが登場した。欧州でもユーロ4のまま次期型が登場しておらず、生産終了かも?

【’21 YAMAHA TRICITY 155】■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 155cc 15ps/8000rpm 1.4kg-m/6000rpm ■車重165kg シート高765mm 7.2L ■タイヤサイズF=90/80-14 R=130/70-13 ●色:ブルーイッシュグレーソリッド4 ホワイトメタリック6 マットグレーメタリック3 ●価格:48万4000円

左の125はバンクできる3輪=リーニングマルチホイールの第1弾として’14年デビュー。’18から可変バルブ装備のブルーコアエンジンを搭載する。


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