
’03年にデビューし、’19年に5世代目となるなど、長らく支持されてきたヤマハの原付二種スクーター・シグナスXがついに水冷化! NMAXやトリシティ125で実績のある可変バルブVVAを採用し、パワーアップだけでなくWMTCモードで19.3%もの燃費向上を達成。さっそくチェックだ!
●まとめ: ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真: 真弓悟史

【’22 YAMAHA CYGNUS GRYPHUS】■全長1935 全幅690 全高1160 軸距1340 シート高785(各mm)車重125kg ■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 124cc12ps/8000rpm 1.1kg-m/6000rpm 変速機 無段変速 燃料タンク容量6.1L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70-12 R=130/70-12 ●色:灰 青白 黒 ●価格:35万7500円 [写真タップで拡大]

【全長/全高/軸距はNMAXと同値に】シグナスXよりもひと回り大きくなり、全長/全高/軸距は前後13インチホイールのNMAXと同値に。車重は6kg増えた。アンダーボーン型フレームは新設計で、キャスター角をわずかに立てるなどディメンションも刷新した。 [写真タップで拡大]
[◯] シームレスな加速感。操縦安定性もナチュラルに
スクーターレースでも人気のシグナスXが、ステップスルーデザイン&前後12インチホイールというフォーマットを維持しながら、シリーズ初の水冷エンジンを搭載するなどしてフルモデルチェンジ! 合わせて車名を「シグナスグリファス」に改めた。
まずはそのエンジンから。可変バルブVVAやスマートモータージェネレーターを採用した124cc水冷シングルは、シグナスXから2割以上もパワーアップしたことが注目されがちだが、何より驚いたのは上質さだ。前作の空冷単気筒はメカノイズや微振動が多めでやや騒々しい印象があったが、新型はセルの作動音からアイドリング、そして発進を含む加減速に至るまで、非常に静かでスムーズなのだ。50km/h付近、6000rpmに差しかかるとローカムからハイカムに切り替わり、そのことを示すアイコンがメーターの左上に表示されるが、加速フィールは極めてシームレスであり、気が付けば交通の流れをリードしている。
そして、スロットルのオン/オフでリヤの上下動がほとんどないことにも気付いた。これはユニットスイングのマウントの設計が優れているからで、体が必要以上に揺さぶられず疲れにくいのが嬉しい。
ハンドリングもいい。先代は直立を保とうとする力が強い印象があったが、新型はライダーの操作に対して忠実に反応し、スムーズにコーナリングできるようになった。ディメンションや剛性バランスを見直した新型フレームをはじめ、前後タイヤのワイド化、減衰特性を最適化したフロントフォークなどが功を奏しているのだろう。ブレーキは、リヤのディスクがシグナスXよりも30mm大径化され、さらに左レバーでフロントも作動する前後連動システムを採用する。スリッピーな路面での減速やUターンなど、リヤだけ利かせたい場面でフロントも作動してしまうのはネックだが、右手で加速/左手で減速というシンプルな乗り方ができるという点は長所と言えよう。
やや大柄かつ重くはなったが、ステップスルーによる乗り降りのしやすさは健在。まさに正常進化だ。
12インチのアルミキャストホイールは新作で、タイヤサイズはXに対し前後とも1サイズずつワイドに。ブレーキディスクはフロントφ245mm、リヤ230mm(Xはφ200mm)で、前後連動システムを採用。リヤのツインショックは4段階のプリロード調整が可能。標準位置は最弱から2段目だ。 [写真タップで拡大]
【250ccのXMAXを思わせる逆スラントLEDライト】ヘッドライトは1灯から逆スラントの2灯式となり、フロントウインカーはボディマウントに。テールランプはLED 面発光で、中央がブレーキランプ。 [写真タップで拡大]
[△] NMAXとの差額1万1000円で装備差大
NMAXはトラクションコントロール/アイドルストップ/前後ABS/スマホ専用アプリ/スマートキー/リッド付き収納ボックスなどを採用しながら、シグナスグリファスよりも1万1000円高いだけ。こうした装備だけを比較すると割高に感じてしまう。
[こんな人におすすめ] イジりたい人はシンプル装備のグリファスを!
’21年、進化したNMAXの豪華装備と走りの優秀さに感動したばかりなので、グリファスの値段が高く感じてしまうのは事実。だが、カスタマイズする場合、逆にその装備が足かせになる可能性も。スポーティな外観はクラスを超えた存在感あり!
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