シリコンバレーにある電動バイクメーカー・ゼロモーターサイクルズは、どのバイクもスポーツ走行性能や航続距離がズバ抜けて高い。高性能なネイキッドスポーツ・SR/Fをフルカウルのツーリング仕様とした「SR/S(エスアールエス)」に乗ってみた。
●文:ヤングマシン編集部(近藤スパ太郎) ●写真:輪 ●取材協力:MIRAI ●外部リンク:XEAM[MSソリューションズ]
加速パワーがハンパない! スポーツツアラーバイク
「すげぇなコレ!」 トルクフルな加速は電動バイクの醍醐味でもあるが、「SR/S」の加速力はハンパない。停止状態からフル加速すると、背負っている荷物が置いていかれるように感じられるのは初めての体験だ! 変速機もないので、理論的にはこのままスロットルを開け続ければ、この加速を維持したまま一気に最高速の200km/hまで到達してしまう。翼があったら飛んでしまいそうね、コレは…。
ゼロモーターサイクルズは、スポーツ性能の高い電動バイクを9車種ラインナップする。最大出力110ps、最大トルクはリッターマシンを遥かに凌ぐ190Nmと、上位モデルに位置する高スペックなネイキッドスポーツ・SR/F(エスアールエフ)。そのスペックをそのままに、フルカウル仕様でウインドプロテクション性能を向上させ、シートレールを長くし、積載性を向上させてツアラー仕様としたのがこのSR/Sだ。
走行モードは、回生ブレーキが強い”エコ”/よりパワフルな”スポーツ”/その中間の”ストリート”/雨でも滑りにくい”レイン”の4つを選べる。エコでも加速パワーはスゴく、むしろ回生ブレーキがエンジンブレーキのような減速効果を生むので、メリハリのある走行ができてとても楽しい。回生率はメーターパネルに表示され、上手く使えば航続距離を伸ばすことができる。
フロントカウルとステーの影響でフロントまわりが少し重いが、走行安定性が高く、特にコーナリングやブレーキング時にはフルアジャスタブルのショーワ製倒立フォークとリヤサスペンションが良い働きをしているなぁ〜と感じる。加えて、雑なスロットル操作やブレーキ操作をしても、タイヤが滑らずに安定して走れるのは、ボッシュの電動制御技術/スタビリティコントロールシステムの恩恵だ。どんなシチュエーションでも常にモーターの力強さを感じながら、とても静かで気持ちよい走りができるのがSR/Sだ。
普通充電器のJ1772や200V電源を使えば4.5時間で満充電となるので、充電スポットを繋いでより遠くへのツーリングが可能だ。さらに最大航続距離が306kmもあるパワータンク仕様車も選べる。このアグレッシブな走りはぜひ体験してほしいところだ。
バッテリー容量を増やして航続距離UP!「パワータンク仕様」もラインナップ
ノーマルタイプのバッテリー容量は14.4kWhだが、3.6kWhのバッテリーを追加で搭載して合計18kWhとなるパワータンク仕様車もある。バッテリー重量分・約20kg重くなるが、最大航続距離が259kmから306kmに伸びるメリットがある。
電気自動車のJ1772で充電。100V&200V充電も使用可能
充電はプラグインのみ。EV自動車用で普及している普通充電器(設置数約2万2500基:’19年調べ)のSAE-J1772充電口を車体に備え、空状態から約4.5時間でフルチャージ。充電器の設置場所は、EVsmartなどの充電スポットアプリで簡単に検索できる。充電スポットを繋いでいくことで、長距離ツーリングが実現できるのは大きなメリットだ! また付属の充電ケーブルでも家庭用の100Vと200Vの3ピンコンセントで充電可能だ。ただし100Vの場合は満充電まで約8.5時間かかる。
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