電動二輪車や電動三輪車を生産するaidea(アイディア)は2月15日、自社で生産する電動三輪スクーター『AAカーゴβ8』が国交省の型式認定を受けたことを発表した。アイディアが生産する車両の型式認定取得はこれが初。これによってアイディア製電動スクーターの信頼性が証明された。
●文:ヤングマシン(山下剛) ●外部リンク:aidea
第5の日本メーカーとなるべく、今後も型式認定を取得していくアイディア
このたびアイディアが型式認定を受けた『AAカーゴβ8』は、原付二種に区分される車両で、定格出力1.0kWの電動モーターを搭載する。このモデルは昨年3月に日本郵便が配達車両として採用し、東京都をはじめとする関東の郵便局8カ所に納入された実績を持っている。
AAカーゴはエンジンやドライブチェーンが発する騒音がなく静粛性に優れること、発進と停止を繰り返す際の加速性のよさなどの利点を持つ。そのためデリバリー用途に最適で、定格出力0.6kWで原付一種となる『AAカーゴα』は、マクドナルド、ドミノ・ピザ、DHLジャパンが採用し、配達用電動スクーターとして着々とシェアを伸ばしている。
そんな中、AAカーゴβ8が今年1月26日に受けた型式認定は、デリバリー業務を行う企業からの信頼をさらに厚くする大きな一歩だ。なぜなら、型式認定とは安全性や耐久性といった性能と品質が一定以上の基準にあることを、国土交通省が認めたものだからだ。つまりAAカーゴβ8は、「国が太鼓判を押した信頼の電動スクーター」ということなのである。
そのため、企業としても安全性や耐久性を担保された車両として信頼しやすく、安心して業務用車両として導入できる。これは企業に限ったことではなく、個人が購入する場合でも同じだ。
また、型式認定を取得したことで、国と東京都が実施している電動バイク助成金対象となった点も大きなトピックだ。AAカーゴβ8の場合、国が行っている『クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)』が10万円、都が行っている助成金が30万2000円となる。これは車両の定置場または使用の本拠地によって適用が異なるが、最大で40万2000円の補助金が適用されるわけだ。AAカーゴβ8の車両価格は、消費税抜きで99万8000円だから、条件によっては59万6000円で購入できるのだから、ユーザーにとってメリットは大きい。
いずれの助成金も2022年3月31日が申請受付期限となっているので、AAカーゴβ8の購入を検討しているならその点を考慮したい。
アイディアはイタリアで車両設計をし、日本で生産するシステムを採用している。国内生産した電動スクーターで型式認定を取得したという事実は、すなわち量産車両メーカーとして認知されたといって過言でない。いわば国内4メーカーに次ぐ『第5の国内バイクメーカー』の誕生といえる。
AAカーゴには、定格出力とバッテリー容量が異なる4タイプがラインナップされている。今回、型式認定を取得したAAカーゴβ8のほか、α4、α8、β4の3車種についてもアイディアは型式認定を申請中とのこと。バイクのゼロ・エミッション化が推進される今、電動スクーターを専門とする第5の国内バイクメーカー・アイディアの存在はさらに重要になっていくはずだ。
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