二輪車新聞が2021年のバイク新車販売台数(推定値)を発表した。全クラスで販売台数が大幅増を見せた(原付一種のみ小幅)なか、5年連続の前年比増を達成したのが軽二輪(126~250cc)クラスだった。これを牽引したのはホンダ「レブル250」「PCX160」、続くは「ニンジャZX-25R」や「YZF-R25」などだ。
●出典: 二輪車新聞
昨年までの大幅増ペースは鈍化したものの、それでも圧倒的なレブル250
二輪車新聞は、元旦号で2021年の二輪車販売実績を総括した。これは毎年発表されるデータであり、どの排気量クラスが盛り上がっているのか、売れた機種はなんだったのかをつぶさに見ることができる貴重な特集記事だ。
原付一種(50cc以下)の販売台数は前年比5.8%増の12万9500台で、4年ぶりの前年比プラスに。ホンダとスズキは微減したものの、ヤマハが約29%増と8年ぶりの増加で5年ぶりの5万台超えを果たし、ホンダ/スズキの減少分を補った形に。
原付二種(51~125cc)は全体で前年比22.9%増の12万5000台。ホンダは19.8%増でこのクラスを牽引(シェア61.9%)し、これにシェア18%のスズキ(台数は前年比7.4%増)と、シェア15.6%のヤマハ(台数は前年比23%増)が続く。カワサキは前年比で10倍近い約6000台を販売し、シェア4.8%となった。
また、251cc以上の小型二輪クラスは全体で前年比24.5%増の9万3900台を達成し、3年連続前年比増および14年ぶりの8万台超えを達成。ヤマハSR400が首位、そしてホンダが4年ぶりトップシェアに返り咲くなど話題も豊富だった。これについては別記事で詳報する。
本記事の主題である軽二輪(126~250ccクラス)は、5年連続の前年比増および2年連続で7万台超え(7万9800台)を達成している。2020年にはコロナ禍にあって前年比29%増を記録するという大健闘を見せ、今期も増加幅では小型二輪クラスに及ばない7%増となったものの好調には変わりない。
トップセールスを記録したのはホンダのレブル250だ。2017年4月に発売された後、2018年(4779台)、2019年(8140台)から倍々ゲームであるかのように、2020年には1万3958台を記録。2021年は部品入荷の遅れなどから各社とも増産が難しい状況が続いたものの、ほぼ前年並みの1万2048台をキープし累計4万台が目前の状況になっている。2位につけたホンダPCX160の2倍近い販売台数で、軽二輪クラスの5年連続前年比増を牽引する存在がレブル250と言ってよさそうだ。
3位には2020年9月に発売されたニンジャZX-25Rシリーズが入り、4位はYZF-R25/MT-25シリーズ、5位はADV150と続く。
レブル250の勝因は、シンプルかつライダーが跨った状態で完成形となるクールなデザイン、そしてシート高690mmによる圧倒的に良好な足着き性だろう。トルクフルなエンジンや扱いやすいハンドリング、軽量で取りまわしやすい車体、そしてスポーティな走りも意外と楽しめるなど、幅広い層から支持されるに十分な資質を備えている。
以下に上位5傑を紹介しよう。
2021年 軽二輪 国内販売台数 上位20機種(二輪車新聞推定)
余談ではあるが、歴代ベストセラーのように記憶されているホンダNSR250Rは、累計はともかく年間販売台数ではヤマハTZR250(1KT)の記録に及ばず、その1KTもホンダVT250Fには及ばなかったという。1983年には販売台数330万台に迫ったという、史上空前のバイクブームと言われた時代のことである。
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