個性派&傑作揃いの”メーター”年代記〈’90年代#1〉NR/CBR900RR/アフリカツイン/NSR250R/ハヤブサ

造り手の意志やマシンの個性を端的に表し、当代の先進技術とデザインが色濃く反映されている部品=メーター。’90年代は、中盤ごろから機械式トリップメーターからデジタル式への移行が進んだ時期だった。


●まとめ:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:YM/BM ARCHIVES

ホンダNR [’92〜]:カウルの奥に速度が浮かぶ

カーボンパネル中央に白い文字盤の回転計を置く。その先にオレンジ色のデジタル速度計とオド&トリップを配置。表面から130mm奥に表示され、視線移動が少なくて済むため、当時のインプレッションによると「恐ろしく見やすい」とのこと。さすが520万円のバイクだ。

【HONDA NR】1気筒8バルブという空前絶後の楕円ピストンほか当時の先進技術を結集。プレミアムV4だ。

アッパーカウルとタンクがつながり、スクリーンも純正でチタンコート。独創的。

ホンダCBR900RRファイアーブレード(’92~):NSRと同様にストイック

中央の大型タコ+スポンジマウントの構成は、NSRとクリソツ。しかもアッパーカウルのステーが無骨でタマラナイ。’96年型からオドや燃料計が液晶に。

HONDA CBR900RR FIREBLADE】当時のビッグバイクでは異例の”軽量ハイパワー”を追求。現代スーパースポーツの始祖だ。

〈現代〉ホンダ CBR1000RR-R(’20~):全面カラー液晶

初代CBR1000RRはモトGPマシン風の三角メーターを採用。’17年型でカラーTFT 液晶を備え、CBR1000RR-Rに改名した現行型も同様。多彩な電子制御に対応し、グラフィカルな表示もアリ。

【’20- HONDA CBR1000RR-R】

ホンダ アフリカツイン(’90~):トリップが最上段

トリップが最上部なのは珍しいが、これはラリーマシンを踏襲したもの。ボタンも多数で操作しやすい。スポンジマウントも’80年代パリダカ機のオマージュだ。

【’90- HONDA AFRICA TWIN】パリダカマシンNXRのレプリカで’88年登場。’90で650→750に進化した。

〈現代〉ホンダ CRF1100Lアフリカツイン(’20~):最新最強のタッチパネル

’16年にアフリカツインが復活。エンジンはVツインではなく、並列2気筒だ。’20で1000→1100cc化し、タッチスクリーンの6.5インチフルカラーTFTも獲得した。

【’20- HONDA CRF1100L AFRICA TWIN】

ホンダNSR250R(’94~):カードキーに未来を見た!

ライバルに先駆け、大型液晶の速度計をいち早く採用。当時では珍しくギヤポジションまで表示する。そして世界初のカードキーが特筆モノ。HRCカードを挿すと、速度に替わって水温を示す。

【’94- HONDA NSR250R】2ストレプリカの王者が’94で刷新。片持ちのプロアームなどで武装した。

HRCからマップが異なる3種のカードも発売。レース用マップとなり、灯火類が消灯する。

スズキGSX1300Rハヤブサ(’99~):2年のみの350km/hフルスケール

最速GTとして登場した隼は、ホンダCBR1100XXの330km/h表示に対し、驚異の350km/h表示を採用。実際の速さも凄まじかった。’01年から欧州で300km/h自主規制が始まり、”350″表示は’99年型と’00年型のみだ。

【’99- SUZUKI GSX1300R HAYABUSA】当時最強の175psをマークし、量産公道バイク初の実測300km/h 超を達成。

〈現代〉スズキ ハヤブサ(21~):4眼アナにTFTを融合

4眼アナログの意匠は、初代から2代目の’08年型に引き継がれ、最新の3代目も踏襲。中央の液晶をフルカラーTFTとし、リングの色を変えるなど機能も高級感も抜群だ。

【’21- SUZUKI HAYABUSA】


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