岡崎静夏のホンダ NC750X DCT試乗インプレ【スポーツ性能を高めながら、本分を忘れない実直な姿勢】

岡崎静夏のホンダ NC750X DCT試乗インプレッション

変わるべきは大胆に変える。でも、変えるべきではないところはしっかりと守る。新型ホンダNC750X DCTに乗った岡崎静夏さんは、新鮮さと安心感のバランスに魅了されたようだ。

●まとめ:ヤングマシン編集部(高橋剛) ●写真:楠堂亜希 ●外部リンク:ホンダモーターサイクルジャパン

岡崎静夏
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【テスター:岡崎静夏】チャーミングな笑顔でも、中身はスパルタンな”バイクフリーク”。’09~’10年のMFJレディースロードレースで2年連続王者に。全日本はGP-MONOを経て’12年からJ-GP3に参戦中。TwitterFacebookInstagramYouTube

発進しただけで感じた驚き。変わることを恐れないNC

意外性って大事だと思いませんか? 例えばメンズで言えば、めっちゃマッチョなのにめっちゃ声が高くて優しいとか。いえ、そういう人が好きってワケではありませんが、とりあえずは強く印象に残ると思うんです。それって、すごく大事なことだな、と。

自分も、レーシング女子ということで注目していただいている部分がかなりあります。「女の子なのにバイクでレースしてるなんて、意外~」って。

「そういう注目のされ方って、イヤじゃないの?」と言われることもあります。でも、レース活動をしていく上で、どんなことでもまず注目してもらえることは、すごく大きなアドバンテージだと思うんですよね。

結果は男子も女子も関係ありません。レースも立派なスポーツですからね。でも、女子ということでまず見てもらえる、興味を持ってもらえるのは、とても大きなことです。

…と力説しているのは、NC750X DCTに乗って、その意外性に驚かされたからなんです。そして「やっぱり意外性は大事だ」と、改めて思いました。

ホンダ NC750X DCT|岡崎静夏

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正直に言っちゃいますが、乗るまでの間は「NC750X DCTって、マイルドなツーリングバイクでしょう?」と決めつけてました。ずっとそういうイメージを持っていたんです。

でも、走り出してビックリ! まったく予想していなかったパワフルさに、「おっ、これは!?」と、いい意味で軽くショックを受けました。新型NC750X DCTはマイルド一辺倒ではなくなっていたんです。

最初は戸惑いました。NCシリーズは700ccで’12年にデビューして、’14年に750cc化しましたが、一貫して扱いやすさ、乗りやすさを重視していたからです。

もちろんバイクらしい爽快さはあったけど、どちらかと言えば”実用的で便利”と呼ばれるようなバイクだったので、ちょっと油断していたんでしょうね(笑)。最初のうちは発進のたびに「…NCなのに、なんでこんなにパワフルなの!?」と違和感があったほどでした。

つまり自分は、新型NC750Xの意外性に最初から取り憑かれちゃっていたわけです(笑)。

ホンダ NC750X DCT|岡崎静夏|ライディング

「明らかにスポーティになったけど、きっちりと公道の枠内で楽しめるという絶妙な力加減」(岡崎さん) [写真タップで拡大]

発進しただけで私を驚かせてくれたNC750Xですが、意外性はもう少し続きました。ぶっちゃけ自分、「NCだからこれぐらいの走りでしょ?」と、ちょっとナメてかかってたんだと思います(すいません)。

NCシリーズらしく(という思い込みで)まったり走ろうとしたんですが、何だかしっくり来ません。「ん~? どうやって走らせればいいんだ~?」といろいろ試行錯誤しているうちに、ついにピンと来る瞬間が訪れました。

それはスポーティに走らせることでした。”攻める”というほどじゃないけど、ある程度”楽しく乗ろう/遊んでみよう”と思いながら、ちょっとキビキビとNC750Xを走らせると、めちゃくちゃハマッたんです。

ホンダ NC750X DCT|岡崎静夏|高速道路

「高速巡航はまさに快適。”距離が伸びれば伸びるほど真価を発揮するんだろうな”と思えます」(岡崎さん) [写真タップで拡大]

「自分よりシフトアップ/ダウンがうまい!」と今やすっかり信頼しているDCTにシフト操作を任せながらアクセルを開ければ、トルクのあるエンジンが気持ち良く車体を加速させます。そして元気に走るとサスペンションがよく動き、荷重の移動を分かりやすく伝えてくれて、接地感も高まっていきます。

“よく動く”と言っても、フニャフニャした腰砕け感はありません。車重と車格に見合った剛性感があるので、コーナー進入にあたってのちょっとイキのいいブレーキングも安心なんです。

ね? まるでスポーツバイクのインプレッションでしょう? 自分自身、最初のうちは走らせ方が分からなかったぐらいで、「このバイク、本当にNCなんですか?」と、まさに意外性のオンパレードなんです。

ホンダ NC750X DCT|岡崎静夏|ライディング

【ロングツーリングに行きたいな】「ただのんびり遠くに行くのもいいけど、自分ならワインディングを差し挟みたくなるな~。旅+刺の2段構えが楽しめるバイクです。路面の凹凸もしなやかにいなしてくれますよ」(岡崎さん) [写真タップで拡大]

…と、やや熱くなってしまいましたが(笑)、そうは言ってもそこはやっぱりNCシリーズの最新モデル。公道で余裕を持って楽しめる範囲にちゃんと収められてるんですよね。

本格的スポーツバイクだと、公道では持て余し気味になりがちです。そして「サーキットに行かなくちゃ」と思ってしまうんですが、NC750X DCTはそこまで尖ったキャラクターではありません。決して激攻めしようという”スポーツ”ではなく、あくまでも”スポーティー”なんですよね。

バイクらしい運動性能を引き上げ、意外性を楽しませてくれながらも、公道という”自分がいるべき場”を決して忘れないNC750X。変化しても、変わらない芯がしっかり残ってるって、素敵なことですよね。

時代に合わせてライディングスタイルを変えながらも、ブレることなく美しいフォームを保ち続けたバレンティーノ・ロッシさんを思い出してしまいました。’21年シーズンで現役引退…。日本GPの中止が本当に残念です。

ホンダ NC750X DCT|岡崎静夏

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NC750X DCT:SHIZUKAの評価

  1. スタイリング:オンとオフのいい所を融合させているので、タフさとシャープさの両面が。郊外から街まで幅広くこなせそうです。
  2. スポーツ性:バイクのキャラからして本気で攻めようとは思いませんが、バイクらしい運動性能をカジュアルに味わえますよ。
  3. ツーリング:低~中回転域では扱いやすく、高回転域ではキッチリと加速。回転数で使い分けができるのはロングツーに有効!
  4. 街乗り:このパワーと車格、自分はちょっと持て余し気味。狭い道をちょこちょこ行くより、郊外を気持ちよく走りたいな。
  5. コストパフォーマンス:立派な排気量、使い勝手のよさ、そしてDCTのラクチンさを考えると、100万円を切る価格はかなりお値打ち!
ホンダ NC750X DCT|岡崎静夏|ラゲッジボックス
ホンダ NC750X DCT|岡崎静夏|ラゲッジボックス

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マシン・オブ・ザ・イヤー2021
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