●まとめ:高橋剛 ●写真:楠堂亜希 ●外部リンク:ホンダモーターサイクルジャパン
今や貴重なアナログな味。これぞバイクライディング
こんなご時勢なので、自分の住んでいる県から出ずに、CB250Rでショートツーリングしました。お借りしている間に、つい2回ほど(笑)。それぐらい気兼ねなく乗りたくなるバイクです。加速感が楽しいんですよね。
正直言って、トップエンドのパワーはそれなりです。そりゃあ、250cc単気筒ですからね…。同じ250ccでもアニキ分である並列2気筒のCBR250RRと比べて、パワー感は強力とは言えないものがあります。
でも、アクセルワークに対して想像通りに加速してくれるフィーリングは、本当に気持ちいい! 特に多用する低/中回転域でのドライバビリティは、2気筒を上回っているほどです。
しかもうまくしつけられているから、荒ぶっているところもありません。上品に、でも力強い発進加速を見せてくれるから、自分が大好きな下道ツーリングが苦にならないんです。
ハンドリングが、また絶妙です。スーパースポーツ系のように勝手に曲がるようなアグレッシブさはありません。でも、しっかりニーグリップをして自分で曲げようとすれば、その分だけ素直に曲がってくれます。
クイックシフターも付いていませんし、エンジンに関しては電子制御と呼べるような装備もありません。でもそれだけ、すごくプレーンなライディング感覚が味わえて、新鮮でした。
最近の電子制御は本当によくできていて、操作に違和感はほとんどありません。でもやっぱり、自分の手とメカニズムの間に制御のワンクッションがあることを感じるんですよね。
CB250Rにはそれがなくてダイレクトなので、ごまかしが利きません。自分がうまく操作すればキレイに走ってくれるし、自分が失敗するとそのまま返ってくる。「ああ、バイクってこういう乗り物だったんだよな〜」と、改めてライディングの面白さの根っこの部分を教わったような気がします。
だからショートツーリングに出かけても、ずっとライディングのことを考えていました(笑)。「ああ、なるほど」「そうか、こうするとこうなるのか」なんて具合で、走っている間、頭の中はバイクのことでいっぱい。
ライディングって、本当に奥深くて楽しいですよね!
ちょっと話はそれますが、最近の自分は芸能人の方にレクチャーさせていただく機会が多いんです。皆さんバイクに対して本気の思いを持っていて真剣なので、こちらも一生懸命にアドバイスしています。
先日は、「乗るのたの士」と名乗るほどバイクにハマッている、つるの剛士さんと、オバマ元大統領のモノマネで有名なノッチさん(ホンダ エルシノアのオーナーです!)にレクチャーさせてもらいました。
面白いのは、つるのさんは割と感覚で乗れてしまうタイプで、ノッチさんは地道に研究するタイプだということ。そしてノッチさんの方が着実に上達する、ということです。ヒザを擦れたのもノッチさんの方が先。負けず嫌いのつるのさんはめちゃくちゃ悔しがっていました(笑)。
私もつるのさんと同じ感覚派…だったのですが、今回、CB250Rを走らせながら、ノッチさんのようにしっかり考えながら乗ることの大切さに気付きました。
レースだとどうしても目先のタイムに追われて、勢い任せの感覚的な走りになりがちです。でも、CB250Rでののんびりツーリングなら、タイムは関係ありません。ゆっくりしたペースできちんとバイクに向き合い、自分の操作の根本を見直せるんです。
何しろCB250Rは気疲れしません。重さからくる疲労感がまったくないし、パワーは扱いやすいし、急かされることもないので、ライディングのことを考えながらいくらでも走っていられます。
せっかくのショートツーリングなので景色を楽しんだりもしましたが、何も考えずにただボケーッと走るよりは、走りについて頭を巡らせて、いろんなトライをしながら乗るのに向いているバイクですね。スポーツライディングのスタートラインって感じがします。
自分はもともとCBが好き。CB250Rはだいぶアグレッシブなストリートファイター的なデザインになりましたが、デジタルっぽくないアナログな味はしっかり残されています。
自分はこういうバイクらしいベーシックさが好きだから、CBに惹かれるんだな、と改めて思いました。
何もない、と言えば何もないCB250Rですが、こういうシンプルなバイクに乗った方が間違いなく上手になれるはず。スポーツライディングの第一歩に最適じゃないかな…。
一応は全日本ライダーでもある自分がそう思うんですから、免許を取ったばかりの方はもちろん、基本を見直すという意味でベテランライダーにもオススメできるバイクですよ!
CB250R:SHIZUKAの評価
- スタイリング:昔からのCB好きとしては「ずいぶんモダンになったなぁ」と思いますが、新旧のいいトコ取りという絶妙さ!
- スポーツ性:バイクに助けてもらうのではなく、自分でちゃんと操りたい人には最適。ビギナーの練習にも最高だと思います。
- ツーリング:軽快な走りなので、長く乗っても苦になりません。トコトコも行けますが、やっぱり走りを楽しむタイプかな~。
- 街乗り:「そのためにある!」という感じ。ハンドル幅が広いので軽く操作できるし、ハンドル位置が高く見通しも良好です。
- コストパフォーマンス:高級感がある見た目、質感の高い足まわり、走りの楽しさ…。バイクらしさ満載でお値段以上の価値があります。
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