ホンダは欧州で、アフリカツインのエンジンとフレームをベースに、前後17インチホイールを履くスポーツツーリングモデル「NT1100」を発表した。特徴的な270度クランク並列2気筒はそのままに、シャープなステアリングジオメトリーを与え、もちろんDCT仕様もラインナップされる!
快適で俊敏かつ楽しオールラウンダー、それがNT1100だ
ホンダは欧州でNT1100を発表。すでにティーザー動画でチラ見せしていたスポーツツアラーが待望の正式発表で姿を現した。
心臓と骨格はCRF1100Lアフリカツインがベースになっており、ツーリングに適したライディングポジションと空力性能、アップルカープレイ/アンドロイドオートに接続できるフルカラー6.5インチTFTのタッチスクリーンディスプレイ、さらにクルーズコントロール、グリップヒーター、大型のパニアケース、USBソケット、ACC電源ソケット、センタースタンドが標準装備されている。ウインドスクリーンは164mmの幅で高さが調整でき、マフラーを低く設計することでパニアケースの容量は左右ほぼ均等の左33L/右32Lを実現した。
メインフレームはCRF1100Lアフリカツインのセミダブルクレードルを用い、ボルトオンでアルミ製サブフレームを締結。フロントにはSHOWA製φ43mm倒立フォークを採用し、シングルチューブのリヤショックは油圧でプリロードを調整可能。オンロード寄りになった前後サスペンションは、ともにホイールトラベル150mmとわずかに脚長系で、最低地上高175mmを確保しているのもアフリカツインベースならではだろう。フロントブレーキにはφ310mmダブルディスクとラジアルマウント4ピストンキャリパーが奢られ、タイヤサイズはオンロードツアラーの定番ともいえる前120/70ZR17/後180/55ZR17の組み合わせだ。
アフリカツインから継承する270度クランク並列2気筒エンジンは、スムーズな加速と心地よい低回転域を実現し、燃費20km/Lと容量20.4Lの燃料タンクにより400kmの航続レンジを確保。電子制御関連ではライディングモードがプリセット3種類+マニュアル設定2種類用意され、これに3段階のホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコンに相当)や3段階のウイリーコントロールをコンバイン。ほかにエレクトロニクス系としてはフルLEDライト、オートキャンセル機能付ウインカー、エマージェンシーストップシグナルをパッケージした。トランスミッションはマニュアル6速とDCT6速のラインナップとなっている。
DCTはオートマチック(AT)モードとマニュアル(MT)があり、スポーティに走りたい時に使うSモードにも3レベルのシフトスケジュールが用意された。ちなみに、2009年のVFR1200Fに始まるDCT搭載車は欧州ですでに20万台を販売し、2020年には53%のユーザーがMT仕様よりもDCT仕様を選んだという。
気になる価格は、英国で1万1999ポンド(日本円換算約188万8000円)/DCT=1万2999ポンド(日本円換算約204万6000円)とされており、同じく英国におけるCRF1100Lアフリカツインの1万3049ポンド(換算約205万4000円)/DCT=1万3949ポンド(換算約219万5000円)と比較すると、日本でNT1100が発売された場合の予想価格は148万円~161万円程度といったところ。
なお、3種類のアクセサリーパックもラインナップしている。50Lトップボックスと4.5Lのタンクバッグをセットにした“アーバンパック”、コンフォートシートとコンフォートピリオンステップ、フォグランプをセットにした“ツーリングパック”、これらすべてをパッケージしたボヤージュパックだ。
発売時期についての具体的な言及はないが2022年の早い時期で間違いないだろう。日本仕様の登場にも期待したい!
HONDA NT1100 / DCT[2022 model]
主要諸元■全長2240 全幅865 全高1360 最低地上高175 軸距1535 シート高820(各mm) 車重238[248]kg■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 1084cc 102ps/7500rpm 10.6kg-m/6250rpm 変速機6段 燃料タンク容量20.4L■キャスター26.5°/トレール108mm ブレーキF=φ310mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ256mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ※[ ]内はDCT ●参考価格:1万1999ポンド(日本円換算約188万8000円)/DCT=1万2999ポンド(日本円換算約204万6000円) ●色:銀、黒、白 ●予想発売時期:2022年
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