
快進撃を続けるホンダPCXに対し、ヤマハNMAXが反撃の狼煙を上げた! トラクションコントロール/キーレス/アイドリングストップを追加し、さらに国内125ccクラス初となるスマホ接続システムも投入。新設計フレーム&ホイールなど基本骨格も大幅に進化。果たして王者PCXの背中は見えたのか、厳しくジャッジする。まずはディテール徹底比較から。
スタイリング
【’21 YAMAHA NMAX】■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 124cc 12ps/8000rpm 1.1kg-m/6000rpm ■車重131kg シート高765mm 7.1L ■タイヤサイズF=110/70-13 R=130/70-13 ●色:ホワイトメタリック8 パステルダークグレー マットダークパープリッシュブルーメタリック5 マットダークグレーメタリック8 ●価格:36万8500円 [写真タップで拡大]
【’21 HONDA PCX】■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 124cc 12.5ps/8750rpm 1.2kg-m/6500rpm ■車重132kg シート高764mm 8.1L ■タイヤサイズF=110/70-14 R=130/70-13 ●色:マットディムグレーメタリック マットコスモシルバーメタリック パールジャスミンホワイト ポセイドンブラックメタリック キャンディラスターレッド ●価格:35万7500円 [写真タップで拡大]
【NMAX】全長と全幅はPCXと同じで、全高は先代比で45mmアップしている。これはスクリーン形状の変更が影響しているようだ。ブーメランを思わせるサイドパネルはMAXシリーズに共通するもので、信頼感を表現する。標準装着タイヤはダンロップ。 [写真タップで拡大]
【PCX】水平基調のデザインゆえにNMAXよりも長く見えるが、全長は同一であり、軸距は25mm短いのだ。フロント110/リヤ130というタイヤ幅はNMAXと同じで、標準装着タイヤはミシュランだ。 [写真タップで拡大]
【NMAX】シート高は前作と同じ765mmを公称。身長175cmのライダーで両かかとが余裕で接地する。座面がやや前下がりに見えるが、実際に乗ってみると腰の落ち着きは良好。PCXよりもハンドル位置が高めだが、身長が高めの人にとっては操縦がしやすいと感じるかも。[身長175cm/体重62kg] [写真タップで拡大]
【PCX】NMAXよりも1mm低い764mmというシート高。足着き性は同等レベルだ。中央の段差が腰を適度にサポートしてくれ、足を前方に伸ばしたときにしっくりくる。また、低めのハンドル位置もこれにマッチしており、マシン任せで長時間走るのに最適なライディングポジションだ。[身長175cm/体重62kg] [写真タップで拡大]
エンジン&シャーシ
【NMAX:ブルーコアが大幅に進化】6000rpmを境に吸気側カムを低速向けと中高速向けに切り替えるVVAを採用した124cc水冷単気筒”ブルーコア”エンジンは、オンオフ可能なトラクションコントロールとアイドリングストップを新採用。さらにエンジン始動用モーターとジェネレーターを一体化したスマートモータージェネレーターをヤマハ国内モデルで初めて導入。 [写真タップで拡大]
【NMAX:リヤサスペンションはプリ調整可能に】前後13インチのアルミキャストホイールはより軽量な新作に。前後サスペンションはセッティングを最適化し、リヤはバネレートを変更するとともに2段階のプリロード調整を追加している。 [写真タップで拡大]
【PCX:ABSはフロントのみだ】’10年登場の初代から前後14インチを貫いてきたが、’21年モデルでリヤを13インチに。さらにリヤのトラベル量を10mm増やして95mmとしたり、リヤブレーキをドラムからディスクとするなど大幅に進化。前後連動を廃止する代わりに、フロントにのみABSを採用。 [写真タップで拡大]
主要装備
【NMAX】LEDヘッドライトは左右ロービーム+中央ハイビームの3灯から、2眼6灯へとゴージャスに進化した。ロービームで上段4灯が、ハイビームですべてが点灯する。テール&ストップランプは先代と同様にLEDで、前後のウインカーとナンバー灯はフィラメント球を継続する。ハザードランプも備えている。 [写真タップで拡大]
【PCX】’14年のフルモデルチェンジの際に灯火類をオールLEDとし、話題をさらったPCX。その後に2度のフルチェンジを経験するも、このオールLEDは最新モデルまで継承されている。ヘッドライト内部には5本の光のラインがあり、テールランプにはマルチオプティクス技術を応用。奥行き感を表現している。 [写真タップで拡大]
【NMAX:1L微減ながらフルフェイスも入る】シート下トランクは容量が約24→23Lと微減するも、逆さまにした状態でヘルメットが収納可能。最大積載量は5kgで、内部に照明はないがヒンジの左右にヘルメットホルダーあり。 [写真タップで拡大]
【PCX:30Lの大容量トランクを装備】30Lと大容量のためフルフェイスが余裕で収納できるほか、最大積載量も10kgと大きなアドバンテージを持つ。こちらも照明はないが、ヘルメットホルダーは2つ設けられている。 [写真タップで拡大]
【NMAX:ステップはやや高めだが居住性は及第点だ】タンデムステップはバータイプの可倒式。PCXと比べるとやや高めにあり、その分だけ膝の曲がりがやや窮屈に。とはいえライダーとのスペースも十分に保たれているうえ、加減速に耐えやすい場所にグラブバーがあるので、トータルの居住性は及第点。座面についても薄く見えるのだが、意外と座り心地は良好だ。 [写真タップで拡大]
【PCX:パッセンジャーの快適性までも徹底的に追求】PCXはプレートタイプの可倒式タンデムステップを採用。身長175cmのパッセンジャーでも膝が窮屈に感じない位置にあり、しかもライダーとの距離がNMAX以上に離れているので、居住空間の広さはPCXの方がはるかに上。なお、グラブバーの形状については甲乙付けがたく、どちらも体を支えるのに都合がよい。 [写真タップで拡大]
NMAXはスマホ接続可能!
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