バイク女子のホンネ:ホンダGB350試乗インプレ【イヤなものをすべて排除したのがGB】

バイク女子のホンネ:ホンダGB350試乗インプレ

新型ホンダGB350はバイク女子にも受け入れられるのか? キック始動とはいえ女子人気が高いヤマハSR400と比較試乗を行なった。ヤングマシンテスターとしておなじみ丸山浩氏の愛弟子・ことりちゃんがヤングマシンに初登場だ!!(※おまけ:ついでにYM編集部のオジサンインプレもお届けする)


●まとめ: 田宮徹 ●写真: 真弓悟史

【テスター:小鳥遊レイラ】苗字の読みは”タカナシ”、愛称”ことりちゃん”。丸山浩氏のYouTubeチャンネル「MOTORSTATIONTV」では、女子アナとして大活躍中だ。最近はサーキット走行にも夢中!

単気筒好きに訴えかけるパルス感に、浮気しそう!?

このような単気筒エンジンのバイクというのは、ヤマハSR400もそのひとつですが、ホンダでも他メーカーでもこれまでたくさん販売されてきたんだと思います。ホンダGB350は、そういうバイクが持っている(または持っていた)いい部分だけを集めて、逆に現代の若い人たちが嫌だと思う要素を徹底的に取り除いたという印象。丸山さんの世代なら「昔のバイクはこうだったんだよ」と笑いながら話せるものであっても、私たち世代にとっては感覚的に受け入れにくいこともあると思うんです。でも、GB350にそういった不快感は一切ありません。

これまで、単気筒のバイクに乗ってもエンジンそのものに魅力を感じるなんてことは多くなかったのですが、GB350に乗ると「単気筒おもしろい!」という気持ちに。たぶん、強烈なパルス感がそう思わせるのかな……。

【GBは車体の大きさが唯一のネック!?】シートが高くてサイドカバーも張り出しているから、女性だと平均+αの身長でも両足を同時に着くのはちょっとツラいかも…。上半身は直立状態ですが、Uターンのときは意識的に前屈しないと、大きくハンドルを切ったときに遠い側のグリップに手が届きにくいです。でも、走行時の姿勢はとても自然! [身長163cm/体重45kg]

【SRはベタ足。停車やUターンも安心】車体がスリムなこともあり、シート最前部に座れば両足の裏がべったり着きます。初心者や非力な女性にとって、これはかなり心強いポイント。コンパクトな車体は、ライディングポジションにも安心感を与えてくれて、そういう点ではとてもフレンドリーです。ただ、始動時は必ずキックなんですよねえ…。

とはいえ、SR400がツマラナイってことではありません。実際、SR400に乗る若い人はいっぱいいますしね。ただ、私のような女性や初心者、もっとライトにバイクを楽しみたい人たちにとって、キックのみの始動方式というのはかなりハードルが高め。その世界観を否定するつもりはないけど、そういう層とはマッチしにくいと思います。ただ、エンジンがかかっているぶんには、SR400のスリムでコンパクトな車体はエンジンも含めて女子でも扱いやすく、惹かれました。もちろん走りも。とてもコントローラブルでよく止まるリヤブレーキをはじめ、なんだか優しさも感じます。あと、バイクの楽しみ方としてそれがいいのかどうかはさておき、エンジンがかけられたときの喜びは格別です!

【キックはアリだけどナシ!】何度もトライして、ようやくキック始動に成功したことりちゃん。「かかったときの喜びはあるけど、これを毎度というのは……」と苦笑い。

でも、私が選ぶならやっぱりGB350かな。唯一、小柄な人には車体がやや大きくて足着きに少し不安があるという点を除けば、GB350の扱いやすさや装備は、若い世代にも確実に受け入れられると思います。しかも私たち39歳以下のライダーなら「U39割」でさらに5万円ダウンの税込50万円で購入可能(’21年9月末まで)。バイクの価格上昇が続くこの時代に、これは嬉しいですね。ホンダさん、私たち世代でも手が届くバイクを、しかも若い人を優遇するキャンペーン付きで販売してくれて、ありがとうございます!

やっぱりここがいい! ことりちゃんの5ポイントCHECK

【断然、セル!】SR400に対して憧れを抱く女子は多いし、実際に乗っている人もたくさんいるけど、やっぱりキックスタートは女子には難関です…。

【ギヤが判る!】現行車に乗る若いライダーにはギヤインジケーターがないほうがレア。見た目がトラディショナルでも、付いていてほしい機能。

【軽いクラッチ!】SR400のクラッチも重いわけじゃないけど、アシストスリッパークラッチのGB350はさらに軽いんです。手の小さい女性には重要。

【踏むだけシフト!】後ろ側のペダルでシフトアップできるシーソー式は、足首カチガチのブーツでも操作しやすいし、靴が傷まないのも嬉しいですね。

【音がイイ!】低回転域から高回転域まで、どこでも「ババババッ…」と気持ちいいシングルサウンド。なのに振動が少ないというのがサイコー!

おまけ:YM編集部の変態オジサン2人にもGBは通じるか?!

乗らずとも、音だけで284文字書けちゃうぜ!〈編集長マツ〉

アイドリングからわずかに、でも鋭くスロットルを開ける。すると「トパン、トパァン!」と、とても歯切れがよくて小気味いい、弾けるような快音が響く。ノーマルマフラーとは思えない音圧に思わずニヤけるが、この音で本当に合法なの? 聞くと、吸気音やメカノイズなどを極限まで抑え込むことで、騒音規制値の中で排気音が占める割合をギリギリまで大きく取っているのだという。やるねぇ~。無音電動移動体がもてはやされるこのご時世に、バイクの魅力“音”をどうにか楽しませようと、知恵を絞って技術も注ぐ。シビれるねぇ~。だから走らなくても、音を語るだけでインプレが埋まっちゃう。これも新GBの面白さ!

【テスター:マツ】ヤングマシン誌編集長。愛車はスポーツスター883とNSR250Rと50年前のカブ90。基本的には飛ばさなくても楽しいバイクが好き(NSRは別腹でお願いします)。

高回転まで明瞭な鼓動とトラクションに痺れる!〈編集部員ヨ〉

低中速域が官能的なのは想定通り。むしろ驚いたのは6000rpmでレブリミットとなる高回転側だった。不要な振動が少ないため回してもただの連続音にはならず、ビート感が明瞭なまま「ダダダダダッ」と路面を蹴っていくさまが楽しくてたまらない。峠道では、コーナーの立ち上がりで車体が起き上がる前の旋回領域から、力強いトラクションでいち早く加速できるため、ピーク馬力と関係ない領域で速度を乗せられる。だからこそ20psとは思えないほどの速さを発揮することも可能なのだ。また、17インチのような強い旋回力はないものの切り返しは軽快で、ブレーキを上手く使えば鋭い倒し込みも可能だった。

【テスター:ヨ】WEBヤングマシンで記事を量産しがちなネイティブ足立区民。GB350はインド仕様の登場時から注目していた。愛車はモトグッツィV7スペシャル。


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