
ヤマハは、新明和工業と「次世代小型航空機」の共同研究を行うことについて合意し、契約を締結したと発表した。検証機に搭載予定のベースエンジンをよく見てみると……。
●情報提供:ヤマハ発動機
バイク用のパラレルツイン……じゃなかった!
ヤマハ発動機(静岡県磐田市)と新明和工業(兵庫県宝塚市)は、このたび「次世代小型航空機」の共同研究を行うことについて合意し、契約を締結したと発表した。
この共同研究において、ヤマハは航空機分野における小型エンジン技術の応用について検討を行うとしており、一方の新明和工業は、飛行機をはじめとする各種機体開発で培った設計・製造技術を応用した小型航空機の概念設計・試作および試験、自動化技術の検証等に取り組むとしている。
ヤマハの広報担当者に聞いたところ、ヤマハのエンジンが有人飛行機に搭載されることになればこれが初めてのこと。検証機体は新明和工業の既存の有人飛行機がベースになりそうだが、ひとまずヤマハとしては航空機にエンジン技術を応用することについての可能性を探っていくことになる。
そして新明和工業側は、すでにある機体開発技術のほか、無人飛行も可能な自動運転技術を視野に入れた研究も行っていく。
両社はこの共同研究を通じて、次世代小型航空機の事業化の可能性を探りつつ、市場の反応を見て今後の方向性を検討していくという。
余談ではあるが、気になるのは搭載予定とされるベースエンジンだ。公開された写真を見るとシリンダー横に499ccとあり、吸排気や点火プラグの配置から並列2気筒であることがわかる。……が、国産バイクでは一般的な左側スプロケットが存在せず、またクランクケースの形状から変速ミッション機構を内蔵していないようで、これはバイク用エンジンではないと断定できた。
ただ、調べてみてもなかなかこれの正体にたどり着けなかったことから、こちらもヤマハ広報担当者に聞いてみたところ、2008~2016年頃に販売されていたフェーザーM-TX(PHAZER M-TX)およびベンチャーマルチパーパスというスノーモービルに搭載されていたものと判明。「バイク用の新型エンジンか!?」と、火のないところに煙を立てたいヤングマシンだったが、アッサリと鎮火されてしまう形になった。
ちなみに現在、国内でラインナップされているスノーモービルは、空冷2ストローク直列2気筒(535cc)を搭載する「VK540V」および、水冷4ストローク直列3気筒(1049cc)を搭載する「VK Professional II EPS」の2機種。ちなみに多機種が展開される北米では、ターボ付き4ストローク998ccなどを搭載する「サイドワインダー」シリーズや、2ストローク794ccを搭載する「トランスポーター800」といったものもラインナップされている。スノーモービルは、じつはバイク以上に夢のあるエンジン型式を採用している……と言っていいのかもしれない。
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