’21年4月1日から東京都江東区立の自転車等駐車場に125ccクラスのバイクが受け入れ可能となった。東京オートバイ協同組合(AJ東京)が公明党に所属する区議会/都議会議員らにユーザーの声を届け、条例改正*が実現したのだ。
(*)江東区議会の’20年第4回定例会で可決。同年12月3日、「江東区自転車の放置防止及び自転車駐車場の整備に関する条例の一部を改正する条例」が改正、翌年4月1日に施行。「区立自転車駐車場の利用区分に自動二輪車を加える」等の文言が追加されるなどした。
●文:田中淳磨(輪)
まずは区立駐車場3か所から受け入れ開始
江東区は、まずは区立の3か所の駐車場から受け入れを始めるが、利用状況などを見て、もっと大きな排気量のバイク(自動二輪車)の受け入れにもつなげていきたい考えだ。なお東京都内では、区市町村によって原付/自動二輪車の受け入れ状況は様々だが、条例改正を実現しての受け入れ開始は、江東区が初めてのケースとなった。江東区交通対策課は、今回の受け入れが実現した理由として次の2つを挙げた。
[1] 放置自転車対策に目処がついた
’00年頃には1万3000台ほどと都内ワーストだった放置自転車の数が、区立自転車駐車場など54か所の整備により2万2000台ほどが収容可能となった。利用者のマナーも向上し、’20年の放置自転車の数が744台まで減った。
[2] 社会的要請が高まり具体化
国(国交省)からの設置の要請、地域住民や区議会からの要望があり、法的かつ構造的な問題をふまえた上で、区有地の区立自転車駐車場場(原付が駐車可能なものは17か所)のどこならば受け入れられるかという現実的な検討が進んだ。
江東区としては、125ccまで受け入れ可能になったことを周知し、他の区立駐車場にも拡大していくことを目指しているが、限界はあるだろう。民間の駐車場事業者にも波及するほどの、良好な利用状況の維持に期待したい。
なお、「条例改正の動きを他の区市町村へ」という声も聞かれたが、都内23区の状況は、原付や自動二輪車の受け入れに関する定め方が条例/規則/要綱と様々であり、江東区と同じやり方で進められるとは限らない。
引き続き、江東区の条例改正へと至った道筋について紹介する。
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