ハヤブサ飛翔伝説プレイバック#4【2代目’08〜’14:より速く優しい197psに進化】


●まとめ:沼尾宏明

[’08] +41ccで197psに到達。使い勝手と外観も熟成

’99年にデビューしたスズキ ハヤブサは、’08年に全面変更を受けて第2世代へ進化。エンジンは初代をベースに1299cc→1340ccへ増強し、メッキシリンダーやチタンバルブなど最新技術を惜しみなく投入。最高出力は175ps→197psと22ps増を実現した。フレーム形状はほぼ同様ながら、各部をリニューアルし、ねじれ剛性を10%向上したスイングアームやラジアルキャリパーなどを採用。外観は初代を踏襲しつつ、高級感を向上し、スクリーン高の15mmアップなどで快適性も向上した。

【’08 SUZUKI HAYABUSA1300】■全長2190 全幅735 全高1165 軸距1480 シート高805(各mm) 車重220kg(乾) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1340cc 197ps/9500rpm 15.8kg-m/7200rpm ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/50ZR17

ストロークを2mm増し、ボア81×ストローク65mmに。バルブはスチール→チタンとし、高回転での正確な作動を実現した。なお軸間距離は5mm減、キャスター/トレールは23°25/93mmと短縮したが、若干ツアラー寄りの性格になった。

FIのスロットルボディ径はφ44mmに大径化。さらにインジェクターは4→12ホールとし、各バルブにダブルで備えたSDTVを採用した。これを制御するECUも進化。

ストロークを2mmアップするために、5ジャーナルの鍛造クランクシャフトを新設計。ロングストローク化に合わせて、ウェイブバランサーも見直した。

鍛造ピストンは強度を高めつつ1.4g軽量化し、小端ピンもφ20→18mmに小径化。ピストンリングは耐久性と平滑性を高めるPVDコートを施した。同時にコンロッドの耐久性も向上。

メーターは上質な5連タイプに一新。状況に応じて3パターンの出力特性が選択できるS-DMSを新たに獲得し、中央の液晶パネルにモードの状態やギヤ段数などを示す。

[’13] ブレンボ+ABS獲得。車名が「HAYABUSA」に

’13年モデルでは、フロントブレーキキャリパーを従来のトキコ製からブレンボ製に変更。同時にABSも初めて導入した。リヤは’08時点で対向2ポット→ピンスライドのトキコ製1ポットを採用したが、変わらず。また車名を「ハヤブサ」とした。

【’13 SUZUKI HAYABUSA】

キャリパーは従来のツーピース構造から軽量&高剛性なブレンボ製モノブロックに換装。常に安定した制動力が得られる電子制御式ABSも標準装備した。

[’14] ETC付き197psの国内仕様がデビュー

ここまで逆輸入車が国内に入荷される形だったが、初の国内仕様が登場。車名は「隼(ハヤブサ)」を名乗り、ETC車載器を標準装備した。日欧では’18年型で生産終了。規制が異なる北米では、以降も販売が継続された。

【’14 SUZUKI HAYABUSA】

国内仕様はタンデムシート下にETC車載器を備え、メーターにETCの表示機能を持つ。最高出力は197psを維持するが、180km/hリミッターを採用。

’08年に2代目に進化したハヤブサ。次記事では、『ヤングマシン』’07年12月号に掲載されたライバルZZR1400との比較試乗インプレッションを再録する。


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