ニンジャZX-12Rも撃墜!!

ハヤブサ飛翔伝説プレイバック#3〈初代〉’00年実測テスト再録:アウトバーンで速度無制限バトル!!

ハヤブサ飛翔伝説プレイバック〈初代〉’00年実測テスト再録

初代「ハヤブサ」デビューイヤーの翌’00年、カワサキから強力なライバル・ニンジャZX-12Rが登場。ドイツのアウトバーンで速度無制限インプレと同時に、実測テストも敢行した。その結果、ハヤブサが最高速キングの座を見事防衛したのだ。そのバトルの模様を当時の掲載記事から抜粋してお届けする。

●まとめ:沼尾宏明

再録・初代ハヤブサ vs ライバルZX-12R:アウトバーンで速度無制限バトル(YM’00年5月号より)

※以降の記事内容は『ヤングマシン』本誌’00年5月号掲載記事を元に再構成されています。表現は基本的に掲載当時のままとしておりますのでご了承ください。

“最速”の座を賭けた3機の戦い

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[1] スズキ GSX1300R ハヤブサ(写真中央)
’00モデルではカラーチェンジのみ実施。最高速重視の設定のためか、防風効果は12Rより低め。頭部や体に当たる風量が大きく、速度無制限での長距離ランはややシンドイ。

【SUZUKI GSX1300R HAYABUSA】■全長2140 全幅740 全高1165 軸距1485 シート高805(各mm) 車重215kg(乾) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1299cc 175ps/9800rpm 14.1kg-m/7000rpm ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/50ZR17

[2] カワサキ ニンジャ ZX-12R(写真左)
ZZ-R1100に続く旗艦で、’00年デビュー。最後発だけあって空力性能はよく研究され、最高速付近でもコックピット内は平和。全伏せ状態では頭頂部に空気の流れをわずかに感じる程度だ。

【KAWASAKI Ninja ZX-12R】■全長2080 全幅725 全高1185 軸距1440 シート高810(各mm) 車重210kg(乾) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1190cc 178ps/10500rpm 13.6kg-m/7500rpm ■タイヤF=120/70ZR17 R=200/50ZR17

[3] ホンダ CBR1100XX スーパーブラックバード(写真右)
世界最高性能を標榜して開発されたホンダのフラッグシップ。’99でFIを採用するなど熟成を図る。もっとも旧型ながら、アウトバーンでは総合バランスの高さが再認識できた。

【HONDA CBR1100XX SUPER BLACK BIRD】■全長2160 全幅720 全高1170 軸距1490 シート高810(各mm) 車重223kg(乾) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1137cc 内径×行程79×58mm 最高出力164ps/9500rpm 最大トルク12.7kg-m/7250rpm ■タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17

ラムエア効果絶大の12R。体感加速ならハヤブサ

ホンダCBR1100XXが登場するまで、長年カワサキの旗艦が最速王に君臨してきた。その意地を賭けて登場した次世代の最速GTが、カワサキ ニンジャZX‐12Rだ。

まずはハヤブサを先頭に、僕(テスター・前田淳)のニンジャZX‐12R、CBR1100XXと連なり、アッという間に200km/h巡航、3台の千鳥走行となった。アウトバーンとは言えども、大都市周辺では速度制限があり警察の取り締まりも厳しい。100kmほど走ったところで、先頭を走っていた現地モトラッド編集部のテストライダーからようやくゴーサインが出た。最高速度が無制限になったのだ。よっしゃぁ、いったるでぇ!

全車が一番左の追い越し車線へと飛び出し、フルスロットル。スルスルと僕のZX-12Rが先頭に出た。高速域での力強いダッシュ力に感心する間もなく、メーターが260km/hを過ぎたあたりからさらにググッと前に押し出される感じが強まる。ラム圧が強力に効き始めたのだ。そしてメーターの針は一息で320km/hまで上り詰めた。

超高速域での加速力は、カワサキの独壇場。ハヤブサはなんとかZX-12Rを見失わずに付いていくことができるが、ブラックバードにはやや過酷な勝負となる。さすが12R。しかし、だからといって双手を挙げて12Rだけを称賛するつもりはない。ライダーの五感に訴えかけてくるパワー感やスピード感をあまり感じることができないのだ。

ラム圧が効くのがかなりダイレクトに感じられるので、それを「パンチが効いている」と評価するライダーもいるかもしれないが、パンチというなら断然ハヤブサだ。低中速域でもそうであるように、アクセルを開けるとガーッと突進し、乗っていてワクワクする。そしてCBR1000XXは職人的な粘りのあるパワーフィールで、安心感が非常に高い。

超高速+長距離という状況でのトータルバランスは、CBR1000XXが優秀。ZX-12Rは空力性能やメカニズムがトップクラスながら、ライダーに伝わる”感”が少ない。ハヤブサは、ハンドリングのジャジャ馬的な面が長距離で裏目に出るものの、最高速の伸びと体感的な加速感があり、乗っていて楽しい。

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加速タイムはZX-12Rが圧倒も、最高速はハヤブサが上回る

ドイツの2輪専門誌『モトラッド』では、新車が到着するとすぐに、最高速/最高出力はもちろん、前後の重量配分やスペックのすべてを実測する。計測は自社ガレージにある2台のダイナモ。ホッケンハイムサーキットなどで行い、その膨大なデータはすべてコンピューター上で管理されている。

’00年3月中旬、ヨーロッパ初のZX-12Rデータ取りが行われた。その結果は表の通り、ゼロ発進加速/60km/hからの追い越し加速とも、12Rが他を圧倒するものであった。最高出力に至っては182psと驚異的な数値が出ている。しかし、最高速は実測297km/hで、ハヤブサの300km/hを上回ることができなかった。

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【テスター:前田淳(故人)】’67年生まれ、当時32歳。海外公道レースに積極的に参戦していた国際ライダー。’04年にはマン島TTでシルバートロフィー獲得の快挙を達成し、ヤングマシン本誌にも頻繁に登場していた。’06年、マン島TT練習走行中の事故により永眠。


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