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鬼に金棒、サスペンション以外の電子制御サポートは全部入り
先代のハヤブサは、ABSとパワーモードを備えてはいたものの、現代のバイクと比べると電脳デバイスに乏しかった。それもそのはず、2代目のデビューは’08年。以後、目覚ましく進化する電子制御システムをハヤブサは静観してきたが、遅れを取り戻すように3代目で一挙に電脳を満載した。この膨大な電子制御システムの総称は”スズキインテリジェントライドシステム(SIRS)”。なかでも核心となるのが”SDMS-α”だ。
先代が搭載したスズキドライブモードセレクターの超進化版で、新採用された電制スロットル+6軸IMU(慣性センサー)により、多彩な電脳を統合制御する。出力特性をはじめ、’20モトGP王者マシンGSX-RRの技術を直接フィードバックしたトラクションコントロール、加速時に前輪の浮き上がりを抑えるアンチリフト、エンジンブレーキ、双方向対応のクイックシフター。これら5つの電子制御をSDMS-αがまとめ、プリセットされた3モードから選択できる。さらに自分好みに組み合わせた設定を3パターン保存可能。各制御の調整範囲は幅広く、トラクションコントロールとアンチリフトは各10段階+オフ、エンジンブレーキとシフターは各3段階から選べる。長年乗るうちに走りのスタイルが変わっても対応できるのが嬉しい。
電子制御の介入は、ライダーに違和感のないよう地道にテストを繰り返し、懐の広い走りが可能になったという。他にも書ききれないほど存在する電脳については以下参照してほしい。電子制御サスペンションを除き、スズキの持てる電子制御がとにかくすべて注入されている。
ユニークなのは、アクティブスピードリミッターだ。一部の4輪が近年採用するシステムで、市販バイクとしてはハヤブサが世界初採用。任意の速度にスピードリミッターを設定でき、設定速度に達すると出力やABSをコントロール。うっかり制限速度を超過することがない。スロットルを素早く捻ると一時的に解除されるので、追い越し時でも問題ナシ。決して最強最速だけではない。3代目は大人の余裕さえ感じさせるマシンに深化している。
【新型も5連メータースタイル継続】ハヤブサの象徴である5連メーターのデザインを活かしつつ、中央にフルカラー液晶パネルを投入。ハヤブサらしさと最新電脳を融合をした粋なコクピットだ。各メーターの目盛りにLEDを用い、透過式の指針を採用。昼夜問わず視認性が高い。両サイドに金色リングを与え、質感も向上した。 [写真タップで拡大]
【センターに多彩な情報を凝縮。ロゴが浮かぶニクい演出も】中央のパネルには、ギヤ段数/時計/各モードのレベルに加え、リアルタイムにバンク角と前後ブレーキ圧、スロットル開閉率&開度などを示す。メインスイッチONで隼のロゴが浮かぶ演出もアリ。メーター各部の照明は、光センサーにより明るさを自動調整。ライダーが手動で調整も可能だ。 [写真タップで拡大]
【6軸IMU:3次元的な動きを検知】6軸IMUは、ピッチ/ロール/ヨーの3軸方向の角速度に加え、上下/左右/前後の加速度を検知。情報は瞬時にECMに送られ、精緻に制御される。新採用した電脳サポートに不可欠の存在だ。 [写真タップで拡大]
【SDMS-α:デフォルト&任意で計6パターン】SDMS-αは表の制御が一括制御される。基本モードは3種類で、”A=アクティブ”は介入を最弱とし、鋭い出力特性を素に近い状態で味わえる。”B=ベーシック”は、各制御がそこそこで、まさに基本的なモード。”C=コンフォート”は、トラクションコントロールなどの介入度が最強となり、優しい走りだ。さらに任意のユーザーモードを3パターン保存できる。 [写真タップで拡大]
【電脳は計16項目! スズキ最強の電脳マシンだ】すべての電脳をまとめると、計16もの項目が。Vストローム1050XTの7項目を大幅に上回り、スズキで最も充実した電脳マシンとなった。調整範囲もキメ細かいが、これは「走りのスタイルに応じて微調整してほしい」という技術者の計らいだ。 [写真タップで拡大]
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