●文/写真:モトメカニック編集部 ●取材協力:ガレージレボ ドゥカティ東名名古屋
センタースタンドが付いていないバイクのメンテナンス時に、あると便利なのがタイヤを浮かすメンテナンススタンド(レーシングスタンド)。そのスタンドが動くとどうなるか? 自在キャスター付きバイクスタンド「ガレージレボ」を開発した向山弘康氏に、開発エピソードを語ってもらった。
開発のきっかけは「移動できる整備台が欲しい」
愛知県で金属板金加工業を営む向山(むこうやま)弘康氏は、40年以上にわたりバイクに乗り続けてきた。気になるバイクは手に入れたくなるライダーの習性で、クルマ2台分のスペースに7台のバイクを押し込んだが、当然出し入れがしにくい。
「触りたいバイクがあってもそれ以外を移動させるのが手間で、だったら整備台にキャスターを付ければ一石二鳥」と、前後輪で乗り上げるドーリータイプの整備台を自作。これでバイクの移動は楽になったものの、整備台自体がかさばり、詰めて置くには適していないことが分かった。
「それなら発想を逆転して、本来は固定するためのバイクスタンドを動くようにしようと考えました。まずは市販のスタンドにキャスターを付けましたが、パイプが歪んでキャスターが広がってしまい、動かすどころではありません。本来は地面に置くものなので仕方ありません。そこでキャスターを取り付けるフレームに強度を持たせ、バイクを持ち上げるスタンド部分を別体にして連結させる構造を発案して、開発を行いました」
“必要は発明の母”という言葉通り、「狭い場所で楽にバイクを移動したい」という願望がキャスター付きスタンドの開発動機になったわけだ。
’13年に初期型をリリースして以降、ユーザーの声を聞きながら改良と進化を続けてきた「ガレージレボ」。その最大の特長は、前後左右に押し引きできるキャスターによる移動の自在性。スタンドがシーソーのように作動するため、安定した状態で軽い力で上げ下ろしできるのも魅力。
使用するバイクやガレージ環境に応じて、必要なセットアップや的確なアドバイスが受けられるのも製造直売方式の強みである。
効果効能にピンとこないライダーは、貸し出し用スタンドで体感してみるのも良いだろう。スペースを作り出せるスタンドによって、ガレージの使い勝手が劇的に向上するはずだ。
ガレージレボ使用例:ドゥカティ東名名古屋の場合
「ショールームに多くの展示車両があるので、車両を簡単に移動できるのが良いですね」と話すのは、ドゥカティ鈴鹿/ドゥカティ東名名古屋/ディライト奈良を経営するディライト・中村社長。車両を購入したユーザが同時にガレージRevoも購入することもあるそうだ。
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