軽二輪とは思えないスタイリング

マットモーターサイクルズ アキタ250試乗インプレ【単車と呼ぶにふさわしい素の走りと外観】


●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:富樫秀明

[〇] 品の良いカスタム感。すべてがダイレクトだ

モングレル(雑種犬)やマスティフなど、犬に由来する車名が多いマットモーターサイクルズ。この「アキタ250」は秋田犬の力強さを角型のタンクで表現しており、ファットなブロックタイヤとの相乗効果で何となく愛らしく見えてくるだろう。

【MUTT MOTORCYCLES AKITA250】■全長2040 全幅770全高1150 軸距- シート高815(各mm) 乾燥車重130kg ■空冷4スト単気筒249cc 21.3ps[15kW] 2.0kg-m[20Nm] 変速機5段リターン 燃料タンク容量17L ■ブレーキF/R=ディスク ■タイヤF=120/90-18 R=120/90-18 ●色:銀 黒 ●価格:65万4500円

モングレルというモデルをベースに装着パーツを換えてラインナップを増やすのが同ブランドの手法。全車が空冷単気筒エンジンを搭載。

【●身長:175cm ●体重:62kg】シート高は815mmと高めでサイドが角張っており、足着きはあまり良くない。ライディングポジション自体はコンパクト。

21.3psを発生する空冷シングルは、低回転域から粘り強く、またスロットルを開ければ歯切れのいい排気音とともに気持ち良く伸び上がるなど、非常にフレキシブルだ。ハブダンパーが使われていないこともあってか右手の動きに対する反応がダイレクトで、加減速の多い街中ではキビキビとした反応が好印象だ。

ハンドリングは、太いブロックタイヤの影響により舵角の付き方が穏やかで、場合によってはライダーが切れ角を補正する必要があるが、それも含めて操縦が楽しい。前後サスペンションについては、特にリヤのストローク量が短めな上にバネレートが高いので、荒れた路面で跳ねやすい。往年のスクランブラー的な見た目からダートをかっ飛ばせそうな雰囲気があるが、無茶は禁物と言えそうだ。

なお、ブレーキは前後ともディスクで、目立たないようにABSを組み込んでいる。コントロール性は十分以上で、特に不満はなかった。

メーターは速度計のみ。バーエンドやステムキャップなど見える部分を削り出し品として質感を高めている。

アキタの特徴であるスクエアなタンクはラインナップで最大となる17Lを公称。薄くて短いシートを組み合わせることで、タンクの大きさがより強調される。

[△] 突き上げ感が強いがそれもまた味わいか

リヤショックの硬さとシートの薄さにより、乗り心地は硬め。そのダイレクト感すらも楽しめる人へ。

[こんな人におすすめ] ファッションとともに楽しめる稀有な軽二輪だ

スズキのST250 Eタイプに酷似したエンジンは、車体の軽さもあって意外と力強い。カスタムビルダーが手掛けるブランドだけあり、色使いも含めてセンスがいい。なお、125cc版は右出しマフラーで、ブレーキは前後連動タイプとなる。


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