予告通り! スズキは欧州で新型ハヤブサを発表した。1998年の初期型登場以来、スズキのフラッグシップ・メガスポーツとして君臨してきたハヤブサは、排ガス規制等を理由に2016年型を最後に国内では買えなくなっていた……が、ついにユーロ5適合モデルとして刷新されたモデルが登場する。まずは速報をお届け!
大空を舞う隼のように
普段は鷹揚に大空を滑空するかのように、そしてイザとなれば獲物を狙う超スピードは生物界最速の猛禽類が隼だ。その生態をマシンコンセプトになぞらえ、1998年に登場したのが初代GSX1300Rハヤブサ(GSX1300R HAYABUSA)だった。その名のとおり300km/hを超える最高速度(当時はそれが許された)は市販車最速で、のちに300km/hリミッターの導入でそれは破ることがかなわぬ記録となった。
2008年には初のモデルチェンジを受けたハヤブサは車名をハヤブサ1300(HAYABUSA 1300)に改名(2013年には単にHAYABUSAとなった)。排気量を1299cc→1340ccとし、最高出力は175ps/9800rpm→197ps/9500rpmに。メーカーが最高出力を200ps以下に抑える自主規制もあり、このままの姿で長らく販売された。日本仕様も発売されて2016年まで製造、北米では2020年モデルまでが登場していたのは、記憶に新しい読者もいることだろう。
正式発表と同時に公開された新型ハヤブサは車名を「Hayabusa」とし、初代/2代目に挟まれるように並走して登場。全体にシャープなエッジを与えられたデザインに差し色のオレンジが眩しく、ハヤブサらしいシルエットを維持しながら新世代を予感させる。
発表された排気量は1340ccをキープしており、最高出力は意外にも140kW(190ps)/9700rpm! これは実質的な加速力を担う実用トルクを重視した傾向と見ていいだろう。映像には初代からのスローガンである“アルティメットスポーツ”が踊り、初代/2代目を置き去りにするシーンも。空気を切り裂くエアロダイナミクスは歴代ゆずりで、伝統を継承しながらも進化を遂げた姿をアピールしている。
電子制御は新たにの電子制御システムS.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)を設定。出力特性、トラクションコントロール、エンジンブレーキコントロールなど5 つの制御を設定パターンから選択できるSDMS-α(Suzuki Drive Mode Selector alpha)を採用したほか、クルーズコントロール、任意に設定した速度を超えないようにするスピードリミッターを二輪車で世界初採用した。アナログ4連+デジタルメーターの中央に表示されるのはSDMS-αに加え、バンク角や前後加速度、そしてギヤポジションインジケーターや時計、気温計などだ。また、シフトアップタイミングを促すエンジン回転インジケーター(イナズマのマーク)も装備している。
SUZUKI Hayabusa[2021 model]
【SUZUKI Hayabusa[2021 model]】主要諸元■全長2180 全幅735 全高1165 軸距1480 シート高800(各mm) 車重264kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1340cc 190ps/9700rpm 15.3kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量20L(WMTCモード燃費14.9km/L)■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●価格&発売時期:未発表 ※参考:イギリス価格は1万6499ポンド(日本円換算約238万3000円)/諸元は欧州仕様
公開された解説映像はコチラ!
↓デザイン/電子制御/エンジンなどの解説を追加しました↓
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