青木宣篤の上毛GP新聞

ヤマハ、モトGPパワー獲得に本気モード!?【新時代の竹槍マフラー見参】

ミザノテストで今や懐かしい竹槍マフラー登場

ヤマハはサテライトチームのF.クアルタラロやF.モルビデリの活躍が目立っているが、肝心のファクトリーチームがやや苦戦気味だ。M.ビニャーレスがようやく今季1勝目を挙げ、ランキングでも3位につけている(11/2時点)が、シーズン序盤からブレーキやエンジンのトラブルが発生してどうもドタバタしている。

そんな中、9月15〜16日のミザノテストで登場したのが、出ました”竹槍マフラー”! 今や懐かしさすら感じさせる長〜いメガホンタイプマフラーを装着していたのだ。

ミザノテストで使用された竹槍マフラー。これだけの長さがあれば、恐らく2~3psは向上したはずなのだが…。

ショートマフラー全盛の最新モトGPにあって、目立つ! マフラーはシーズン中の開発も許されているのだが、「どうにかしてエンジンパワーが欲しい」というヤマハの苦悩がこの長さに現れている。

これは間違いなくパワーを求めてのこと。マフラーの全長が長ければパワーが出る、というのはモトGPが始まって以来の定説となっているのだ。かつてのスズキがそうだった。パワーが欲しかったがゆえの長いマフラーは、文字通りのメガホン形状だった。

その後、エンジンそのもののパワーが上がり、マフラーもいろいろ仕様変更を繰り返していくうちに「短くてもいいんじゃない?」となり、今のショートタイプに落ち着いている。パワーもさることながら、トルクの出方がよく、ドライバビリティが良好だったことも、ショートタイプが一般的になった理由だろう。

だが、少しでもパワーが欲しいならやっぱりロング、ということで、ヤマハは竹槍タイプの長いマフラーをテストしたのだろう。なにしろエンジン開発は凍結されているので、やれる範囲のことをやるしかないのが現状なのだ。

ミザノテストで使用した竹槍マフラーは、その後のエミリオ・ロマーニャGPの初日でも走らせたものの、それ以降は残念ながらお蔵入りとなってしまった。

マフラー交換によって、恐らく2〜3psは向上したはずだ。それにも関わらず引っ込めてしまったのは、過渡特性が大きく変わってしまったからだろう。パワーアップによりスピンが増えると今までのデータが生かせなくなり、電子制御との合わせ込みが難しくなってしまうのだ。

かつてはシーズン中の開発範囲が広かったし、ECUはオリジナルだしで問題解消の手立てがあった。だが今はちょっとした問題でもクリアするのが非常に困難になっている。よほどのメリットがない限りは”さわらぬ神に祟りなし”が現状では最良の選択となってしまっている。あまりにもシビアな話だ…。

実戦で使われたのはこれまでのショートタイプ。ライダーの評価はイマイチだったようだ。過渡特性のわずかな変化は限界の走りに大きく影響する。

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アオキ・ファクトリー・コーチング
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●青木宣篤完全監修 ●写真:MotoGP.com/高橋剛 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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