エンジン中心に大幅強化。しかもお値段据え置き
’21年春のWEBモーターサイクルショーで公開された新型ホンダCBR250RR。人気集中の4気筒車・カワサキ ニンジャZX-25Rを迎撃すべく、噂どおり3psアップの41psを達成して発売された。
そのエンジンは、ピークパワーだけでなくパワーカーブ全体が上に移動するような形で最大トルクも向上。内部が大幅に改められている。まず、ハイプレッシャーダイキャスト製法により軽量化が図られたピストンは、形状を改めて圧縮比を向上。これに対応するため、ピストンリング溝に錫メッキが処理が施されている。コンロッドも浸炭処理により強度を向上。フリクションロスを最小限に抑えるため、バランサーシャフト軸の小径化やバルブスプリング荷重の低減、ポンピングロス低減につながるシリンダー下端への切り欠きが追加された。吸気ファンネルやマフラー内部構造、点火時期も変更されて最高回転数も高められており、高回転性能に期待。アシストスリッパークラッチも新たに装備されている。
車体面では、前後サスのセッティングを変更。フロントアウターチューブを5mm延長してレースへの対応力も強められた。車重は従来より1kg増となったが、パワーウェイトレシオでは168kg/41ps=4.097と、従来の4.394から大幅に向上している。
ここまで強化して、車両価格は従来から据え置き。シフトアップ/ダウン両対応のクイックシフターもオプションで用意され、ホンダは250cc2気筒の限界に挑む。なお、今回から全車ABS装備車のみとなった。
カラーバリエーションは4パターン
エンジン:内部刷新で馬力もトルクもアップ
(旧)38ps/12500rpm&2.3kg-m/11000rpm
(新)41ps/13000rpm&2.5kg-m/11000rpm
エンジンは、ピストンやコンロッド、吸排気系やクランクケース内部の刷新により、最高出力発生回転数を500rpm上昇させて、3psアップを達成。トルクも0.2kg-m向上。同時に全体にパワーカーブを底上げさせて、街中からサーキットまでより力強い走りを実現している。

【アシスト・スリッパークラッチも新たに採用】プレッシャープレート側の回転力がクラッチセンター側の回転力を上回ると、アシストカムが作動してプレッシャープレートを引き込み、クラッチの押し付け力を増幅。軽い力でレバーを握れるようになる。逆に減速時にセンター側の回転力が上回ると、プレッシャープレートを押し出して減速トルクを逃がし、後輪のホッピングを軽減してくれる。 [写真タップで拡大]
シャーシ:前後サスペンションを熟成
サスペンションは前後のセッティングを変更して、パワーアップしたエンジンに対応。さらにフロントフォークのアウターチューブが5mm延長されており、レースにおける車高調整幅を拡大している。
オプション:クイックシフターが追加可能
クイックシフター(2万5300円)を純正オプションで用意。シフトアップだけでなく、電子制御スロットルによるオートブリッピングを活かしたシフトダウンにも対応。サーキットはもちろん、ツーリングでもクラッチ操作いらずで快適だ。
他にもあるぞ! 豊富な純正アクセサリー
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