専門工場稼働&部品も再生産

絶版名車VFR750R(RC30)をホンダが自らレストア!〈リフレッシュプラン〉後編

オーナー最大のメリット:再生産パーツのレベルがスゴい!

要望の多かったチタンコンロッドやピストン、吸排気系、クラッチを網羅するなどラインナップが幅広い。しかもクラッチアウターは金型を起こし、ウォーターポンプは新たに砂型鋳造で製作。クランクやアクスルホルダーは削り出しと豪華絢爛だ。手書き図面の33年前より精度が高い部品も存在する!

外装【画期的!フェアリング類を完全復刻】

カウルの再販は非常に難しいが、FRP製ゆえ可能に。当時の型がないため、コレクションホールと社内オーナーの車両から型を起こした。従来は綿状のグラスマットを主に貼り込んでいたが、今回はグラス繊維で安定した品質と強度を確保。形状を再現するため、10回ほど修正を繰り返した。

【タンクは再塗装で再生】塗装はRC213V-Sの担当者がリーダーを務める。アルミタンクは再生産ならずとなったが、塗料を剥離し、再塗装で仕上げる。

エンジン/電装【大物から小物まで多数の重要部品を再生産】

チタンコンロッドは調整中だが、従来通り鍛造で生産予定。クロモリ鋼クランクシャフトは本来なら鍛造だが、今回は削り出しとなる。電装系では、多く劣化が見られたコンタクトベース、ハイテンションコードなどを再生産。

クランクシャフトCOMP

コネクティングロッドASSY

ピストン(STD)

コンタクトベースCOMP

製造方法にも工夫を凝らす

摩耗すると新品交換が必要なアルミ製クラッチアウターは、金型を再製作。鉄製ギヤ部は、現行VFR800系とほぼ同一諸元のため、量産行程を活用している。クラッチディスクは、同サイズの量産モデル×2車を組み合わせ、同じ機能を再現するなど工夫が満載。

クラッチディスクは量産品を組み合わせて設定。

クラッチアウターASSYはギヤ部にVFR800の量産工程を活用。

気になる値段は?

150点のうち、第1弾として6月30日から34点が発売。右はその一例で、準備が整いしだい残りも順次発売となり、’20~’21年初めまでに出揃う予定だ。HPに価格は未掲載だが、ホンダ正規販売店に問い合わせれば教えてくれる。

(左から)●バキュームピストンCOMP(1万2320円) ●エキゾーストバルブ(9350円) ●インレットバルブ(6050円) ●スロットルケーブルCOMP A(5940円) ●スピードメーターケーブルASSY(6600円) ●ジェットニードル(3278円)


●文:沼尾宏明 ●写真:長谷川徹 Honda ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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