世界初・オーリンズ標準採用

時代を切り拓いた革新のエポックマシン:’89 ヤマハFZR750R [OW-01]


●文:沼尾宏明 ※本記事で取り上げる「初」は、公道走行可能な量産二輪市販車としての”初”を意味します。なお、その定義には諸説ある場合があります。 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

’89 ヤマハFZR750R [OW-01]〈世界初・オーリンズ標準採用〉打倒RC30、金色の脚までYZFを再現

脅威的なホンダRC30(VFR750R)に対し、ヤマハは打倒サンマルを掲げたワークスレプリカの開発プロジェクトを開始。こうして’89年3月、RC30に劣らぬ造り込みを実現したFZR750Rがリリースされた。’87~’88年の8耐を連覇したワークスYZFに倣い、5バルブはもちろん、車体ディメンション、市販車初のオーリンズ製リヤショックに至る足まわりまで忠実に再現した。価格はRC30を上回る200万円だったが、国内限定500台が即完売。翌’90年、これをベースにしたワークスYZFが、8耐で平忠彦に悲願の初優勝をもたらすことになる。

【’89 YAMAHA FZR750R [OW-01]】■車重187kg(乾) 水冷4スト並列4気筒DOHC5バルブ 749cc 77ps 6.7kg-m ■当時価格:200万円

【優れた過渡特性、勝つための高級サスペンション】当時はレーサーの定番で、現在もスポーツ車でおなじみ、高級サスペンションのオーリンズ。公道モデルに初めて標準搭載したのが本作だ。当然フル調整式で、別体リザーバータンクやリモコンアジャスターも備える。

【専用パーツを贅沢に注入、ネーミングまでスペシャルだ】水冷5バルブ直4は、FZR750からショートストローク化し、チタンコンロッドも採用。輸出仕様は121psを叩き出す。車体レイアウトもYZF同様だ。OWとはヤマハワークス機の呼称で、その市販車1号の意味を車名に込めた。

【’87 YAMAHA FZR750】FZの発展形として’87年登場。アルミフレームや新気導入システムのFAIを与えた同社初の750レプリカだ。ボア×ストは68×51.6mmで、OW-01では72×46mmに変更した。

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