〈連載〉岡崎静夏がじっくり乗ってみました!

岡崎静夏のCBR650R試乗インプレ〈後編〉【すぐに分かったこのバイクの素性の良さ】

岡崎静夏のCBR650R試乗インプレ〈後編〉【すぐに分かったこのバイクの素性の良さ】
[写真タップで拡大]

【岡崎静夏(おかざき・しずか)】チャーミングな笑顔でも中身はスパルタンな「バイクフリーク」。’09〜’10年、MFJレディースロードレースで2年連続王者に。全日本はGP-MONOを経て’12年からJ-GP3に参戦中。

スッ……ですぐに分かった、このバイクの素性の良さ

前ページより続く)

スッ……。

はい、決まり! このバイク、イイ! ワインディングロードの最初のコーナーの倒し込みシーンですが、このひと寝かせでもうCBR650Rの素性の良さが分かってしまいました。

これはぜひ皆さんにも体験してもらいたい感覚なんですが、サクッと気持ちよくバイクが寝てくれるんですよね。

パフォーマンスを高めているスーパースポーツは、もちろんコーナリング性能も高いんですが、速度域の設定も高い! サーキットでガッツリと荷重をかけた時にこそ、本当の力を発揮してくれます。

その分、ワインディングロードのように速度域が低いフィールドでは、手強さを感じがち。ある程度攻めないと、しっくり来にくいんです。自分から積極的に曲げていく必要がある。

でもCBR650Rは、なんの気なしにコーナリングを開始しても、スッと気持ちよく曲がってくれる。これはちょっと感動的でした。開発の狙いどころと、実走行スピードがピッタリと合っている感じで、どこにも無理がないんです。

「最初のコーナーからスパッと寝かせられて、その気持ち良さにビックリ。公道の速度域に合わせて設計されていることがよく分かります。寝過ぎて不安になることもなく、ちょうどいい!」(静夏さん)

そういえば、ハンドルポジションからしてそう。セパレートハンドルではありますが、低すぎることはなく、かといって高すぎることもない。街乗りしていても気になるポイントがなくて、ホント、「ちょうどいい」って感じのポジションになっているんです。

「コレはスゴイ!」とホンダのCBR650R特設ウェブサイトを見ていたら、”めざしたのは、ちょうどよさ”というコピーを発見! やっぱりね! 自分、合ってました(笑)

もうひとつ「スゴイ!」と思ったのは軽さです。「650って重いんだろうなぁ」と身構えていましたが、とても気軽に乗れるんです。これは不思議な感覚でした。

たぶん重心位置が相当考えられてるんだろうな、と思います。コーナーへの進入時もスッと軽いし、取りまわしも見た目以上に軽い。「マス集中のメリットってこういうことなのね」と思いました。

「95psのパワーで、高速巡航も余裕。振動も少ないし風圧も受けにくいので、すごく快適です」(静夏さん)

「コレはスゴイ!」とホンダのウェブサイトを見ていたら、”ショートテール化によりマス集中化を追求”と書いてありました。やっぱりね!(笑)

エンジンはもちろんパワフルだけど、ここにも無理がありません。スロットルワークに対してすごく素直で、駆動力が路面に伝わる感覚も分かりやすいんです。「だから発進停止の繰り返しも苦にならないんだな〜。スゴイな〜」と思いながらホンダのウェブサイトを見ていたら……、もうお分かりですね(笑)。

爽やかなイケメンとちょっといい時間を過ごしちゃったような、どうにも気持ちいいひとときになりました。

CBR650Rインプレションまとめ

  1. スタイリング
    スポーティなんだけど、行き過ぎてない。ゴリマッチョより細マッチョ。シュッとした顔立ちもかなりイケてます。
  2. スポーツ性
    寝かし込みやすい軽快感、不安なくスロットルを開けていける安心感など、ワインディングは文句なし。心底楽しめます。
  3. ツーリング
    低速から高速まで幅広い速度域で無理なく楽しめるし、装備も充実。ポジションも快適なので、遠出したくなりますね。
  4. 街乗り
    車体は軽やかでエンジンはマイルド。しかも足着きも良好。細かいストップ&ゴーが気にならず、かなりの通勤快速です。
  5. コストパフォーマンス
    100万越えは安い金額ではありませんが、使い勝手の良さと質感の高さ、そしてスポーティさからすればおトク!
〈次のページは…〉CBR650Rディテール徹底解説