BMWは、S1000RRをベースとしたピュアスポーツマシン「M1000RR(M RR)」を発表。数日前に流れたティーザーで風洞実験質が映し出されていたが、まさしくそれを反映してウイングレットを装備する、スーパーバイク世界選手権(WSBK)で勝つためのマシンだ。そのパワーはなんと212ps/14500rpm!
レーシングテクノロジーを反映したコンポーネント BMW「M1000RR」の戦闘力の高さは既報の通りだが、早くも日本国内における発売時期と参考予定価格が明らかになった。価格は税込500万円ちょうどで、2[…]
- 1 直4の“実測キング”がさらにパワーアップ! カーボンホイール標準装備、Mウイングレットほか……実用的なUSB充電ソケットも装備
- 2 日本時間2020年9月23日16時に開始されるライブポッドキャスト
- 3 207ps/13500rpmから212ps/14500rpmへ! チタンコンロッド、チタンバルブ、2本リングなどを採用
- 4 その名も「Mウイングレット」でもっと開けられるように!
- 5 もちろん電子制御満載! ローンチコントロールやピットレーンリミッターも
- 6 カーボンホイールにMブレーキ、機械式倒立フォーク
- 7 軽量バッテリー、USB電源ソケット、クルーズコントロール、グリップヒーター
- 8 BMW M1000RR[2021 model]
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直4の“実測キング”がさらにパワーアップ! カーボンホイール標準装備、Mウイングレットほか……実用的なUSB充電ソケットも装備
数日前からティーザーが流れ始めていたBMW・M1000RRがその姿を現した。BMW自身による省略形の呼称ではM RRとなるようだが(S1000RRは“RR”)、このマシンはS1000RRをベースとした、BMWモトラッド(BMWのバイク部門)が初めて投入するMモデルとなる。
そもそもMモデルとは、BMWの四輪のほうで長年にわたって使われてきたモータースポーツ向け特別仕様のことで、オプション装着によるMバージョンとは一線を画した真のスポーツ仕様のことだ。
とはいうものの、このM1000RRはナンバー取得も可能な公道ベースのマシンであり、スーパーバイク世界選手権での勝利を目指したものではあっても、ロードゴーイングレーサー=公道走行可能なピュアスポーツとして仕立てられている。
RRに対するM RRの変更点は多岐にわたるが、要点はパワーアップと軽量化、そしてエアロダイナミクスの向上だ。実は、S1000RRはカタログ上では207psとされ、必ずしも現在の1000ccスポーツで最強とは言えないスペックに思えるが、実際に後輪出力を測定するとヤングマシンを含めた各メディアでカタログ表記以上の数値を発揮することで知られている。ということは、M RRの212psは実測でさらにライバル勢を突き放す可能性が大なのだ。
そして装備重量はRRの193.5kgからM RRは192kgとなっている。カーボン製とはいえウイングレットなどの追加パーツを装備しながら軽量化を促進しており、気合の程が伺える数値だろう。では、以下に順を追ってM RRならではの仕様を解説していきたい。
なお、日本仕様の登場も確実だが、BMWジャパンのホームページによれば価格と発売時期は未定となっている。 ※参考:英国における発売価格は3万935ポンド=約415万円
日本時間2020年9月23日16時に開始されるライブポッドキャスト
207ps/13500rpmから212ps/14500rpmへ! チタンコンロッド、チタンバルブ、2本リングなどを採用
M1000RRのエンジンはS1000RRをベースとしながら、207ps/13500rpmから212ps/14500rpmへと5psのパワーアップを果たしている。最大許容回転数は14600rpm→15100rpmとしており、約6000rpm以上の回転域ではS1000RRをパワー/トルクとも全て上回る。
新しい2リングの鍛造ピストンは12g軽く、圧縮比は13.3→13.5に。フィンガーフォロワーロッカーアームもスリム化と6%の軽量化を施したという。マシン加工された吸気ポートはRRから形状も変わっているほか、可変バルブタイミング&リフト機構のシフトカムにも新たなジオメトリーが与えられた。4本のチタンコンロッドはそれぞれ85gの軽量化を達成し、超高回転域のパワー向上に貢献している。
M RRで新採用となったバリアブルインテークファンネルは、サーボモーターによる駆動で11900rpmでファンネル長を変化させる。
そのほかアンチホッピングクラッチやローンチコントロール、3657gの軽量化を達成したチタン製エキゾーストシステム(11437g→7780g)などを新たに採用した。もちろんシフトアシストプロ(クイックシフター)は上下双方向対応だ。
その名も「Mウイングレット」でもっと開けられるように!
Mスポーツの協力によって生み出されたカーボン製“Mウイングレット”は、ドゥカティのようなオープンタイプではなくボックス形状を採用。ブレーキングからコーナリングのスタビリティを向上し、さらにウイリー抑制による効果でスロットルをもっと早く開けられる。エアロダイナミクスの研究成果により、最高速は犠牲になっていないという。
ダウンフォースは300km/h時点でフロント13.4kg/リヤ2.9kgとし、トータル16.3kgとしている。50km/hからのダウンフォース数値については下記を参照していただきたい。
もちろん電子制御満載! ローンチコントロールやピットレーンリミッターも
ライディングモードは「Rain」「Road」「Dynamic」「Race」そして「Rece Pro 1-3」が用意されており、6軸IMUによるダイナミックトラクションコントロールとDTCウイリーファンクションも装備。スロットルレスポンスは2段階に切り替えられるほか、3段階のエンジンブレーキ調整も「Race Pro」モードで可能だ。
ローンチコントロールとピットレーンリミッターに加え、公道で実用的なヒルスタートコントロールPROやUSB電源ソケットも備えているのがBMWらしいところ。
メーターパネルは6.5インチのTFTディスプレイを採用。スタートアニメーションではMのロゴが表示される。M GPSロガーとM GPSラップトリガーも装備する。
カーボンホイールにMブレーキ、機械式倒立フォーク
M RRはカーボンホイールを標準装備。マルゾッキ製の倒立フォークは電子制御式ではなく機械式で、組み合わせるブレーキキャリパーにはMの名が刻印されている。
シャーシのジオメトリーもM RR専用とされるほか、スイングアームピボットは-2mm~+2mmの可変タイプを採用。フロントフォークのオフセット量は26.5㎜で、RRのトレール93.9mmからM RRはトレール99.8mmとした。スイングアーム長は618.3mm(RR:606.6mm)。フロント荷重はRRの53.8%から52.1%へと軽減された。
さらにリヤアクスルも新設計として、クイックリリースに対応したリヤブレーキピストンの採用により、素早いリアホイール交換が可能となっている。
軽量バッテリー、USB電源ソケット、クルーズコントロール、グリップヒーター
M RRの電気的な装備は基本的にRRを踏襲しているという。というわけで、5AhのUSB電源ソケットやアダプティブクルーズコントロール、そして信じがたいことにグリップヒーターまで装備しているようだ。これだけレーシングマシンとしてのポテンシャルを売りにしているにもかかわらず、公道での快適性や安全性を謳うのもBMWならでは。バッテリー重量は1288gだ。
BMW M1000RR[2021 model]
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