’19年末に開催された「第47回マシン・オブ・ザ・イヤー」投票者の中から抽選で1名様にモニター提供する予定のカスタムマシン「ADV150ラリー」。今回はホイールとガードに、ひと目で違いが分かるカスタムペイントの中でも、塗膜の強度と耐久性で群を抜くパウダーコートを施していく。そのすばらしい特徴を学びつつ、足元のお洒落を実践しよう。
塗膜の強さが大きな魅力。粉体塗料の実力を知る
アドベンチャーモデルと言えばオフロードや林道走行の汚れが目立たないよう、濃いめで暗めのカラーリングを採用する例が多い。しかしタフな装備に都会派のエッセンスを加えたYMラボADVのデザインCGでは、外装や足まわりに明るいホワイトを採用することに。
カスタムペイントを行うための塗料にはウレタン塗料を筆頭とした液体塗料と、パウダーコートで用いられる粉体塗料がある。粉体塗料は静電気の力で金属表面にまとわりつき、180℃の高温で焼き付けることで粉が溶けて塗膜になるのが特徴で「塗膜が厚い」「塗膜が強い」「塗装作業が容易」「環境に優しい」という利点がある。
パウダーコート自体は工業系塗料として何十年も前から存在しているが、これをカスタムペイントやホイール補修業界に普及させてきたのが、愛知県東海市のカーベックである。かつての粉体塗料はブラックやホワイト、シルバーといった基本色を中心として色数が限られていたが、同社はメタリックやメッキ調、キャンディや蛍光色など豊富なカラーバリエーションを展開。さらにはパウダーコートを施工するために静電ガン、焼き付けを行う乾燥器まで自社で開発することで、パウダーコートに関連するアイテムをすべて提供できる上に、ベストな仕上がりに導く経験値とノウハウを強みとしている。
静電気発生装置を組み込んだ静電ガンで粉体塗料に負の電荷を与え、塗装する金属パーツを正極とすることで、静電ガンが正対しない場所でも塗料が付着するのがパウダーコートの特長。それゆえ複雑なデザインのホイールや丸いパイプ製のクラッシュガードはまさに打って付けの素材である。
塗膜強度の面で見ても、パウダーコートの塗膜はウレタン塗装ほど硬くなく、むしろ柔軟性があるため跳ね石が当たっても割れたり欠けたりせず、ホイールやクラッシュガードなど車体下部のパーツにこそ最適といえる。
ホイールの場合、粉体のホワイトの上にパールを混ぜた粉体クリアーを重ね、さらに透明感抜群の粉体アクリルクリアーを重ねる3層コートで、1層吹くごとに180℃で焼付乾燥を行う。こうして塗り上がったホイールは、見る方向によって微妙に光沢が異なるパール塗装の魅力が存分に現れており、YMラボのADV150が目指すイメージ通りの仕上がりとなった。
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