’19年末に開催された「第47回マシン・オブ・ザ・イヤー」投票者の中から抽選で1名様にモニター提供する予定のカスタムマシン「ADV150ラリー」。前回は高い実用性とタフなイメージを両立させるツアラテック製パーツを装着したが、今回は”都会派”への変身の準備として外装パーツの取り外しを行った。
妥協なきカスタム塗装には、外装”総取っ払い”が必須
市街地から郊外、冒険の旅にも使えるADV150をベースに、”都会派×タフ”をテーマにカスタマイズを進行中のYMラボ。前回にてツアラテックにてトップケースやパニアケース、クラッシュガードなどの装備類のフィッティングを完了。今回はカスタムのテーマのひとつである”都会派”への変身を図るべく、準備を進める。
本連載当初にお伝えした通り、オフやアドベンチャー一辺倒ではなく、街にも溶け込む都会的なイメージを狙ったカラーリングは、ホワイトを基調にシックなグラフィックを採用。現状は「マットメテオライトブラウンメタリック」という、実に長い名称の純正カラーだが、この外装の大半をカスタムペイントするのだ。
駐車中に擦ったとか、ほんの小さな立ちゴケ程度であれば、部品を外さずタッチアップや部分塗装で対応できるだろう。だが全塗装級の作業となれば、ペイントするパーツは車体から取り外して単品状態にするのが定石となる。
とはいえ最近のバイク、特にスクーター系モデルの外装着脱は一筋縄ではいかない。ADV150も例外ではなく、完成時の見栄えにこだわり抜いており、外からパッと見て「このネジを外せば良いのね」と分かるような野暮な組み立て方をしていない。
パーツ同士の結合部はツメや隠しビスが複雑に絡み合い、変な方向から無理に力を加えればツメが折れたり傷が付いてしまう。せっかくのカスタムペイントでパーツを破損していては元も子もないので、ここは経験豊富なプロにお願いすることに。
東京都新宿区のバイクショップ・アトラクティブは、20年にわたって車両販売やメンテナンスを行い、ツイッターでは「激しいバイク屋」のアカウントで日々の業務をつぶやく街のバイク屋さん。ADV150の外装を取り外すのは初めてとのことだが、手際良くパーツが外されていく。
パーツ同士が重なり合う場合、組み立ての際には下側のパーツに上側を重ねるのがセオリーで、したがって分解時は上側のパーツから順に外していけば良い。だが想定外の方向からツメが生えていたり、まったく目立たない場所をビスで固定していることもあるから注意が必要だ。
アトラクティブ代表の後田氏とスタッフの今井氏は、目に付いたビスから手当たり次第外すようなことはせず、パーツ同士の合わせ部分に樹脂製のヘラを差し込んで隙間を僅かに開いて、ツメの位置と刺さっている方向を入念に探っていく。なまじ経験があるアマチュアほど「だいたいこのあたりだろう」と憶測で作業して失敗するものだが、経験豊富なプロの二人は”よく観察して”、”無理をせず”作業を進める姿が印象的だった。
そんな分解作業のハイライトは、シート下のサイドカウル。左右それぞれが別々に外れると思いきや、ボルトやビスを外しても分解できず、最終的にテールランプと左右カウルを一体で取り外すと分かってビックリ! 巧妙な立て付けと作り込みに若干手を焼きながらも、外装パーツを無事に外し終えたADV。カスタムペイントでどう変貌するか大いに楽しみだ。
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