青木宣篤の上毛GP新聞

’20モトGP第2戦〜第4戦振り返りネタ×4選【ポイントリーダーはクアルタラロ】

ザルコの前輪交信力【もしもし、私の声が聞こえますか?】

ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)が第4戦チェコGPでいきなりポールポジションを獲得し、決勝でも3位表彰台に立って見せた。

正直、「予選だけだろうなあ」と思っていた。ザルコ自身もなぜポールを獲得できたのかよく分かっていなかったようだから(笑)、なおさらだ。一発の好タイムをマークすることは、いろいろな条件がうまく重なり合えばあり得ないことじゃない。

でも長丁場の決勝となるとそうはいかない。ドゥカティ乗りが軒並みフロントタイヤに苦しんでいたところ、ザルコは上位をキープできたのは、並外れた前輪交信力を発揮できたからだろう。

前輪からのインフォメーションを余さずキャッチし、走りにフィードバックできるザルコの能力が見事に花開いたワケだ。

やや理不尽なロングラップペナルティを受け、ダスティなレコードライン外を走りながらも順位を落とさなかったのもさすがだった。

KTMを1年で離脱してドゥカへ。新天地での初表彰台に吠える。

前輪へのセンサーが敏感。何が起きているか正確に把握し、走りを調整する。

ロッシ、41歳の表彰台【おじさん期待の星、大殊勲】

クアルタラロやフランコ・モルビデリらペトロナス勢が目立つ一方で、やや精彩を欠いている印象だったヤマハファクトリー。

特にバレンティーノ・ロッシは第2戦スペインGP予選で9番手、決勝はマシントラブルが発生してリタイヤを余儀なくされた。

トラブルがなかったとしても、リヤタイヤのオーバーヒートに苦しんでいたロッシ。すぐ翌週に同じヘレスサーキットで第3戦アンダルシアGPが開催されるので、リカバリーは難しいかと思われたが、見事に問題を解決したばかりか、最高峰クラスでは自身199回目(!)となる表彰台に立った。

「199回目の表彰台」って、もはやドラマか映画のタイトルみたいに現実離れしているが(笑)、苦戦のデータを見直し、キッチリとセッティングを合わせ込んでくるあたりが「ドクター」と呼ばれるロッシの強さだ。

今シーズン中に200回目の最高峰クラス表彰台を見られるかも!

最高峰クラスで199回の表彰台は、2番手ホルヘ・ロレンソの114回に水を空けてブッチギリ。GP全カテゴリーでは235回と凄まじい。まさに生ける伝説!

’20モトGP第2戦〜第4戦の結果

第2戦スペインGP@ヘレスサーキット(7/19):M.マルケス右上腕骨折

  • 1位 F.クアルタラロ(ヤマハ)
  • 2位 M.ビニャーレス(ヤマハ)
  • 3位 A.ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)
  • 4位 J.ミラー(ドゥカティ)
  • 5位 F.モルビデリ(ヤマハ)
  • 6位 P.エスパルガロ(KTM)

第3戦アンダルシアGP@ヘレスサーキット(7/26):F.クアルタラロ2連勝

  • 1位 F.クアルタラロ(ヤマハ)
  • 2位 M.ビニャーレス(ヤマハ)
  • 3位 V.ロッシ(ヤマハ)
  • 4位 中上貴晶(ホンダ)
  • 5位 J.ミル(スズキ)
  • 6位 A.ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)

第4戦チェコGP@ブルノサーキット(8/9):KTM&B.ビンダー初優勝

  • 1位 B.ビンダー(KTM)
  • 2位 F.モルビデリ(ヤマハ)
  • 3位 J.ザルコ(ドゥカティ)
  • 4位 A.リンス(スズキ)
  • 5位 V.ロッシ(ヤマハ)
  • 6位 M.オリベイラ(KTM)

●監修:青木宣篤 ●写真:MotoGP.com/Red Bull ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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