既存の大型シートバッグに寄せられる不満を解消すべく、’20年5月に発売されたのがヘンリービギンズのシートバッグ・プロシリーズ。最小のSサイズを試してみた。
[◯] 赤いテープが威力を発揮。拡張性の高さも優秀だ
キャンプツーリングの人気が高まるにつれ、大型シートバッグを買う人が増えてきた。ただ、昨今のバイクはフックポイントがタンデムステップステーぐらいしかなく、後方へのテンションが不足しがち。ゆえに段差の通過やブレーキングで前にズレやすいのだ。ナンバープレートの固定ボルトをフックポイントにするアイテムもあるが、これも昨今のバイクのナンバーステーは華奢になりつつあり、若干不安は残るのだ。
そうした不満に応えるのが、ヘンリービギンズのシートバッグプロシリーズだ。底面にノンスリップシートと赤いテープを採用しているのがポイントで、タンデムシートが小型ならこのテープに後端を差し込む。これなら確かにズレないし、セーフティベルトなどを追加する方法よりも断然スマートだ。
テストしたのはシリーズ最小のSサイズで、宿を利用した1泊ツーリングなら十分過ぎる大きさだ。メイン室は容量可変式で、外側のパルステープを利用すればマットや三脚などの長尺物も固定できる。低重心でふらつきにくいのも気に入った。
バッグ底面にはノンスリップシートと赤いテープを採用。赤いテープをタンデムシートなどの先に引っ掛けることでバッグが前にずれてくるのを抑えてくれる。
金属ワイヤーと補強パネル、さらに内部の連結ベルトによってスクエア形状を保つ。裏地が赤いので暗闇でも収納物を見分けやすい。
容量可変システムを採用。左右のファスナーを開くとマチの分だけ広がり、容量は20Lから26Lへとアップする。スーパースポーツはタンデムシートの座面が狭いので、左右の重さが均等になるようパッキングを。
ラインナップは全4種類
今回試したのは最も小さなSサイズだが、その他にM、L、LL サイズも。シリーズを通して高さは30cm以下、奥行き32cm以下に設定。

ツーリングシートバッグプロ DH-743(37~44L) Mサイズ ●価格:2万3100円

キャンプシートバッグプロ DH-744(42~56L) Lサイズ ●価格:2万5300円

キャンプシートバッグプロ DH-745(55~70L) LLサイズ ●価格:2万6400円
[△] ズレにいくいとはいえ、積載はバランスが基本
バッグ自体は確かにズレにいくいが、Sサイズでも座面からはみ出る部分が多いので、バランスよく積まないと左右方向への荷崩れも。とはいえよく考えられており、各部ポケットやボトルホルダーは非常に便利だ。
[こんな人におすすめ] スポーツモデルでキャンプをしたい人たちへ
昨今のスポーツモデルは荷物を積むなと言わんばかりにタンデムシートの座面が狭く、フックポイントがあったとしても適切な位置にない。そんな中、このシリーズはよく健闘しており、大型シートバッグ界に一石を投じるだろう。
●まとめ:大屋雄一 ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
アライヘルメットから、スモールジェット型の「クラシックエアー」が登場。クラシカルスタイルながら、トップレベルの安全評価を得ている「CLASSIC-MOD」に採用されている帽体をベースとした最新モデルだ[…]
EU加盟国の安全基準であるCEには、プロテクターの衝撃吸収能力以外にジャケットやパンツ自体にも規格があり、衝撃を受けるエリアごとに引き裂きや摩擦、切断に対する強度が定められている。つまり、通気性のいい[…]
ヘンリービギンズでは以前からドイツSAS-TEC社の胸部プロテクターを販売しており、'20年1月にパンチングホールを持つ軽量タイプがラインナップに加わった。平常時はソフトで、強い衝撃を受けると硬化する[…]
伸縮性のあるシェルと袖口や裾のリブニットにより、まるで街着のような雰囲気を持つスピーディのフーディーアーマー。着心地の軽さと十分以上の防風効果により、昨シーズンは撮影以外でも愛用していたのだが、これが[…]
'19年のモーターサイクルショーで参考出品され大きな反響を集めたキャンプテーブルシートバッグがついに市販化。 キャンプ道具の中でけっこうかさばるのがテーブル。ならば、最近流行りの硬質シェルタイプのシー[…]
最新の記事
- 変化を一気見! カワサキ「Z900RS」歴代カラー大図鑑【2018~2025年モデル】
- 2025MotoGPヘルメット勢力図は5社がトップを分け合う戦国時代へ突入! 日本の3メーカーに躍進の予感!?
- 【SCOOP!】スズキ「GSX-8」系にネオクラが存在か!? 丸目のGS&クーリーレプリカ復活希望!!
- 「初の100ps超え!! 」全面改革で進化した第二世代のZ:カワサキZ1000J【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 3色ラインナップ化! ホンダ「CT125ハンターカブ」歴代カラー大図鑑【2022年モデル】
- 1
- 2