2020年8月6日にティーザーサイトをオープン、走行映像やスタイリングが公開されていたホンダの新型「CBR600RR」だったが、8月8、9日に開催された全日本ロードレース選手権・開幕戦SUGOにおいて車両が展示された。正式発表まではもう少し待たねばならないが、写真からわかる範囲で解説したい。
TBW採用で統合的な電子制御を可能に
ホンダは新型CBR600RRの登場を予告するティーザーサイトを8月6日にオープンし、迫力の走行映像やスタイリング写真を公開した。正式発表は2020年8月21日とされており、今のところ我々が知っているのは映像に映し出されたメーターによる電子制御項目や、外観から判断できる車体装備のみだ。CBR1000RR-Rとの類似性などについても妄想は膨らむが、ひとまず待ちの姿勢となった……はずだった。
ところがホンダは、8月8日、9日に開催された全日本ロードレース選手権・開幕戦スポーツランドSUGOラウンドにおいて車両を先行展示。もちろん我々も量産試作と思われるその車両を撮影させていただいた。
【HONDA CBR600RR[2020 model]】主要諸元不明■2020年8月21日正式発表予定
まずはおさらいから。新型CBR600RRには電子制御が多数追加されており、メーター表示から判断できるだけでもパワーセレクター(いわゆるパワーモード切替)、セレクタブルトルクコントロール(同トラクションコントロールシステム)、ウイリーコントロール、そしてセレクタブルエンジンブレーキ(エンジンブレーキ制御)があり、それらを統合的に切り替えられる走行モードが存在することもわかっている。また、各々を個別に設定することも可能だろう。エンジンブレーキ制御があるということは、スロットルバイワイヤ(TBW)の搭載も確定だ。IMUまで搭載しているかどうかは正式発表を待たねばなるまい。
車体まわりでは、ウイングレットの採用やカウル形状の大幅変更、従来型をベースとしたフレームまわり、そしてセンターアップマフラーの採用などもわかっている。
今回は、車体にもっと寄った写真も撮影できているので、さらにディテールについて解説していこう。
前記事でも紹介した、映像中に一瞬だけ見えるメーター。TFTパネルに表示されるスピードは220km/hを超えているほか、レッドゾーン1万5000rpm、各種電子制御の項目などがわかる。
HONDA CBR600RR[2020 model]スタイリング&ライディングポジション
センターアップマフラーの排気口やLED灯火類、クイックシフターを標準装備していないことなどがわかるアングル。倒立フロントフォークは突き出し量が多く、セットアップの幅を持たせているのだろうと想像できる。
フレームは従来型をベースとしているようで、スイングアームやホイールについてもパッと見では同様の形状となっているように思える。フロントカウル形状はよりレーシーに。
センターラムエアは踏襲しつつ、LED×4眼ヘッドライトやフラッシュサーフェス化したカウルが凄みをきかす。フロントアクスルに生えているシャフトは今回の展示固定用に追加された部品だ。
ステップ位置はやや高めだがハンドルは近く、あまりきつい前傾ポジションにはなっていない。両足の親指の付け根がしっかりと接地し、車重の軽さもあって不安はなかった。(身長170cm)
参考:従来型となる2013年モデルのCBR600RR
HONDA CBR600RR[2020 model]ディテール
倒立式フロントフォークはショーワ製ビッグピストンを採用。ブレーキキャリパーはトキコのラジアルマウントタイプ。以前のモデルはABSの有無が選べたが、新型はABS標準装備になるはず。
リヤサスペンションには引き続きユニットプロリンク式を採用。スイングアームやホイール形状も従来型から大きく変わっていないように見える。
クイックシフターは残念ながら装備していなかったが、CBR250RRやCBR650Rがオプション設定していることを思えば、同様に後から装着可能と考えるのが自然だろう。
LED×4眼ヘッドライトは、ロービームで外側2灯が点灯、ハイビームでは全灯による照射に切り替わる。
排気口は明らかに従来型よりも大きく、最新の騒音規制に対応していることと、いわゆるフルパワーになっていることが伺える。
燃料タンク上面の前半部分には樹脂製カバーが装着され、CBR1000RR-Rと同様にヘルメットの顎部分を避けるような窪みが設けられる。ライダーも込みでの空力向上を果たしているはず。
フルカラーTFTによるメーターパネルは、バーグラフ式タコメーター、数字によるスピードメーター、ギヤポジションインジケーター、水温計、距離計、サイドスタンド警告、数字による回転数(?)、そして各種電子制御の項目を表示している。メニュー画面による詳細な設定も可能か。
従来同様にセンターラムエアダクトを設けつつ、CBR1000RR-Rのようなスマートキーの採用は見送り。左手元のスイッチにはメニューセレクトやモード、LAPといったものも。
カラーリングでCBR1000RR-Rと共通のDNAをアピール。早く乗ってみたい!
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