“Mr.スズキ”が創ったエポックメイキングモデル

スズキGSX-R750油冷モデルはいまを逃すな!【’80年代青春名車購入ガイド】

  • 2020/8/12
スズキGSX-R750油冷モデルはいまを逃すな!【’80年代青春名車購入ガイド】

日本車の絶頂期だった’80年代の名車たちに“高騰”の波が押し寄せている。超プレミアマシンと化した’70年代車のような状況ではまだないものの、現実的な価格で入手できる時間的猶予はそう長くないだろう。本記事では初の油冷エンジンを搭載したスズキGSX-R750の状況を中心にレポートする。

※本記事に掲載されている車両価格等は、取り扱い店舗における’20年6月時点の情報です(関連写真提供:グーバイク)。

GSX-R750:初の大排気量レプリカで初の油冷エンジン搭載車

’80年代前半、市販車をベースとしたレースの頂点(TT-F1)は過渡期にあり、’84年にはレギュレーション変更によって排気量上限が1000ccから750ccに引き下げられた。 

スズキは当初、空冷のGSX750Eでこれに対応したが、ライバル勢は高性能な水冷エンジンを導入。そこで、これに対抗してレースで勝利を収めるために開発されたのが’85年型の初代「GSX-R750」だった。

スズキ GSX-R750

SUZUKI GSX-R750】■油冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 749cc 77ps/9500rpm 6.4kgm/8000rpm ■179kg(乾) ■ F=110/80-18 R=140/70-18 ※諸元は’85年国内仕様 ※写真左は’85、右は’86モデル

開発リーダーを務めたのは、GSX1100Sカタナの生みの親でもある横内悦夫氏。スズキは’83年型RG250Γで、他社に先駆けてアルミ製フレームを市販車に投入しており、’84年型のGSX-R(400)に続いて750にもこれが用いられたが、それ以上に特徴的だったのは「油冷エンジン」の採用だった。

シリンダーヘッドに8本のノズルでエンジンオイルを吹いて積極的に冷却。大量のオイルを大型オイルクーラーで冷やすこの機構により、高出力でありながら小型軽量なエンジンの設計に成功。登場と同時に速さを見せつけた。

GSX-R750 各年式のポイント

1. ’85モデル:世界初の油冷エンジン

初代’85モデルの開発時には水冷も検討されたが、最終的に市販二輪車初の油冷機構SACSが搭載された。アルミ製フレームとの組み合わせで乾燥重量179kgの軽さだ。

スズキ GSX-R750

’85 SUZUKI GSX-R750

2. ’86モデル:ラジアルタイヤに

続く’86モデルでは、スイングアームを25mm延長。前後18インチタイヤのラジアル化や前後サスの熟成などにより、操縦安定性の向上が図られた。

スズキ GSX-R750

’86 SUZUKI GSX-R750

【’86 GSX-R750R:ヨシムラ仕立ての限定「R」モデル】デビューイヤーに全日本TT-F1王者になったことを記念して、翌’86年には乾式クラッチやシングルシートを装備した限定モデルが発売に!

スズキ GSX-R750

’86 SUZUKI GSX-R750R

3. ’87モデル:前後ワイドリム化

’87モデルでは、フロントブレーキディスクが310mmに大径化された。リヤタイヤもワイドに。

スズキ GSX-R750

’87 SUZUKI GSX-R750

4. ’88モデル:17インチに2本出し

中期モデルとなる’88年型では、ショートストローク化された新エンジンをレーサー直系の新たなフレームに搭載。外装も一新され、前後タイヤは17インチ径に。

スズキ GSX-R750

’88 SUZUKI GSX-R750

5. ’89〜’91モデル:180km/hリミッターに

’90年型でボア・ストロークが戻された。’90~’91年型は倒立フォーク。油冷は’91年型までで、’92モデルより水冷に変更。レトロ感は’89年型までの方が濃い。

スズキ GSX-750R

’89 SUZUKI GSX-R750

【’89 GSX-R750R:ヨシムラ仕立ての限定「R」モデル】レース用のホモロゲモデルとして、ボア・ストロークを’87年型以前に戻しながら専用開発された限定車。大口径BST40キャブを採用する。

スズキ GSX-R750

’89 SUZUKI GSX-R750R

GSX-R750:相当台数が出回ったものの、現存する台数は極少〈実例物件サンプリング〉

  • 相場:65万円前後(約40~120万円)
  • タマ数:極少

初年度の’85年には日本国内で約5700台を販売。’86年は限定車を合わせて約4200台、’87~’89年型は計5000台ほどと、かなりの台数が新車販売された。しかし、サーキットや峠道に持ち出されることが多くて使い方が荒いカテゴリーであることや、日本での人気が低迷かつ円安が進行した’90年代後半や’00年代前半に海外流出したことなども影響して、中古車は日本では絶滅寸前だ。

サンプル1:初期型の場合

限定車とカスタム車を除いた’80年代GSX-R750中古車の価格は相場程度。この車両には新車発売当時のヨシムラ製マフラーが装着されている。

スズキ GSX-R750

■参考価格:60万円(当時新車価格78万円) ■1985年式 ■車検:なし ■走行距離:1万9635km ●SHOP:有限会社モーターハウス(福島県)

サンプル2:2世代目の場合

’85~’87年型とエンジンやフレームが異なる’88~’89年型で、価格帯に大きな差はない模様。こちらは、メーター走行距離がかなり少なめ。

スズキ GSX-R750

■参考価格:64万8000円(当時新車価格:84万9000円) ■1988年式 ■車検:なし ■走行距離:5650km ●SHOP:バイク王 つくば絶版車館(茨城県)

サンプル3:限定車の場合

約20件の中古車物件の半数近くが限定車。’86年型の相場は100万円台前半からで、カスタムの内容や車両の程度により200万円超も……。

スズキ GSX-R750

■参考価格:118万8000円(STD当時新車価格:105万円) ■1988年式 ■車検:なし ■走行距離:28000km ●SHOP:藤内輪店(秋田県)

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