独モトラッド誌によるデータ検証

’20カワサキ Z H2実測ライディング検証#3【実測194psの最強ネイキッド】

  • 2020/7/12
’20カワサキ Z H2実測ライディング検証#3【実測194psの最強ネイキッド】

“キュイーン!!”と響き渡る過給音。スーパーチャージドエンジンをネイキッドに搭載するという前代未聞のモンスターマシン・カワサキZ H2が’20年4月に国内リリースされた。本稿ではドイツのバイク専門誌『モトラッド』が行った実測テスト結果をレポートする。

テストしたのはドイツMOTORAD誌】実測アリのテストを行ったのは、ドイツのバイク専門誌『モトラッド』。試乗はヨハネス・ミューラー氏が担当。既存のネイキッドの枠を超えたその出来栄えに興奮ぎみの様子だ。

’20カワサキ Z H2実測ライディング検証

キレイなパワーの伸びがスパチャならでは爽快さの源

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それではダイノマシンでの実測パワーテストの結果も見てみよう。最高出力は194ps。カタログスペックの200psには及ばなかったが、走行中の状態であればまた変わる可能性もある。いずれにせよ、この数値は現在のところネイキッド最強であることは間違いなしだ。 

特筆すべきは、そのパワーデリバリー。過酷であるとされていたスーパーチャージャーのスロットルレスポンスは、ニンジャH2 SXの時点で既に解消。最も鋭いパワーモードでも、パフォーマンスは非常に直線的でコントロールしやすく、牽引感は非常に美しいもので、常に喜びが伴ってくる。逆にアイドリング速度を少し下回る最低速度の範囲でもエンジンはきれいに応答し、迷惑な過給ラグもない。 

低中速パフォーマンスを上げるためファイナルをニンジャH2より2丁変えた設定としているのだが、これも賢明だったと言えるだろう。理論的な最高速は291km/h。実際には272km/hというところで大体頭打ちになってくるのだが、スピードとブースト圧が上昇してくると、ネイキッドのこのマシンでは走行風がハリケーンのように猛威を奮ってくる。これに対してファイナル設定は実に現実的なものに合っていた。 

全開加速では過給サウンドに酔いしれながら、わずか8秒あまりで簡単にゼロから200km/hまで引き出せる。こんな痛快なバイクは、なかなかない。

’20カワサキ Z H2実測ライディング検証

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最高速度:理論値6速291km/h! 実際には272km/hがピーク

Z H2の各ギヤにおける最高速。6速全開でレブまで回し切ると、なんと理論上では300km/hに迫らんとする291km/hまで可能だ。実際にはピークパワーの出る10800rpmを超えて12000rpm手前の272km/hというところで頭打ちとなったが、ネイキッドで走行風の影響を考えるとこれが現実的な落とし所の設定と言えるか。

’20カワサキ Z H2実測ライディング検証

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パワー&トルク:一直線にパワーが上昇

実測での最高出力は194psで最大トルクが134Nm(13.66kg-m)と、カタログスペックの200ps&14.0kg-mには少々及ばなかった。だが、これはカタログにも「※使用環境により異なる場合がある」とされているとおり、ダイノマシン上と実走行の上ではエアインテークにかかる吸気圧の違いなどでも変化がありそうだ。いずれにせよ、スーパーチャージドエンジンによるパフォーマンスに遜色はなく、100Nmは4000rpmの時点で発揮。ちなみに現在のホンダ・ファイアーブレードでこのトルク値に達するには、ほぼ倍の回転数が必要になってくる。Z H2はパフォーマンスの上昇曲線が非常に均一なのも操縦性に大きなメリットがあって注目すべきポイントだ。

’20カワサキ Z H2実測ライディング検証

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【ちなみに…】同じバランス型スーパーチャージャー搭載のNinjaH2SXとはカウルの有無が影響ありそう。過去最強枠のB-KINGとのモンスターネイキッド対決では1340cc対998ccの排気量ハンデを軽く覆した。

’20カワサキ Z H2実測ライディング検証

加速性能:フルカウル勢にも遜色なし

加速テストは下のとおり。ちなみに同条件ではないものの、ヤングマシンがテストした’18ニンジャH2の0-100km/h結果は3秒665、’15ニンジャH2Rで3秒630、’17ニンジャZX-10RRで3秒474、最新のCBR1000RR-Rで3秒395と、Z H2はネイキッドながら並み居るフルカウルマシンたちに遜色ないダッシュ力を見せつけるパフォーマンスを叩き出している。

’20カワサキ Z H2実測ライディング検証

KAWSAKI Z H2 加速性能 [写真タップで拡大]

ブレーキ性能:アンチロックブレーキは安全重視の保守的設計だ

IMU連動式の電子制御ABSであるKIBS(カワサキ・インテリジェンス・ブレーキ・システム)は、細かい制御間隔が特徴。リヤの浮き上がりも防止し、しっかりと地面を捉えてくれて非常に安心感が高い。100km/hからの制動には44.3mが必要という結果で、我々MOTORRADにとってはかなり介入度強めの防御的な設計に思え、ちょっと長いという印象がある。もっとも教習所で一般的に100km/hに必要と教えられる制動距離は約84mで、それよりは段違いに止まる。なお、旧ニンジャ1000は42.4mで止まったが、Z H2は車重がそれより重かったためだろう。

’20カワサキ Z H2実測ライディング検証

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’20カワサキ Z H2実測ライディング検証

標準装備のブレンボM4.32モノブロックキャリパーが、最大8.7m/s2の制動力を早い段階から発揮。 [写真タップで拡大]

●取材/写真:MOTORRAD 鶴身健 ●まとめ:宮田健一
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