グラフで見ても違いはハッキリ出た

ヤマハ新旧TMAX560vs530スポーツ走行対決〈後編:筑波サーキット激走比較〉

マキシスクーターの雄として欧州&日本を席巻したヤマハTMAXが、+31ccの排気量アップを受けて、560ccとなる7代目に進化。そしてTMAXと言えば、SSも顔負けの高いスポーツ性がウリ。そこでこのマシンの絶対性能を探るべく、サーキットに新旧モデルを持ち込み、テスター丸山浩が激走チェックを行った。

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新旧TMAXの速さの違いは、データログを見ると一目瞭然だった。体感どおり、どのコーナーでも加速へのつながりが良いのが分かる。実際にはCVTを引っ張りだす3000rpmくらいから5000rpmくらいにかけてギューンと伸び、ちょっとしたコーナーでもすべてで効いてくる。これが、その後につながるストレートでどんどん差を広げていった大きな理由だ。上で語ったように、これは馬力アップというよりトルクアップと駆動系の改良による影響が大きい。 

グラフは筑波サーキット・コース1000を新旧それぞれ6〜7周走り、ベストタイムでの加減速具合をデジスパイス3で記録したもの。コーナー間のストレートが短いこのコースでは、いかに加速で稼ぐかが決め手。新型は限られたコーナーだけでなく、どのコーナーでも満遍なく力強く立ち上がっている。これは速いのも間違いないわけだ。

車体もその走りをしっかり支えてくれる。スクーターとは思えないバンク角の深さは感動的だ。寝かせすぎて車体下部を剃ってしまったが、1か所がガツンとヒットするわけでなく全体をキレイに剃っていく。随分と車体を追い込んだ設計だと感じる。ライディングポジションも旧型と違いはないが、こちらは加速が良くなったぶんバックレストが腰を支えてくれるようにもっと近くにあってほしいか。とにかく、ここまで走れる性能を作り込んだ開発者たちに感服。従来の持ち味そのままに、さらに加速感と走りの刺激をアップしたのが新型だと言えるだろう。

本来サーキットを攻めるマシンではないが、その気になればここまで寝かせる。ただ、普段は調子に乗らず安全運転で。車体につくキズは後で精神的にちょっとツライかも…。

「TMAXは新型になってもTMAX」。ということを実感させた新旧対決。スクーターを超えた走りのポテンシャルが、何よりも魅力だ。

さらにパワフルなコンプリートカスタム

RC甲子園が手掛ける「RCKコンプリート」として従来の530でも好評だった「M」が、560でも登場。マフラーはノーマルのままだが、独自のチューニングによってさらなるパワーアップを実現した。ノーマルと比べて、なんと5psアップを果たし、全域での加速をアップ。これで価格はノーマルからチョイ上乗せ程度。YSP大阪箕面をはじめ全国13店舗のYSP「RCKコンプリート」取扱店で販売される。

RC甲子園 TMAX560M
RC甲子園 TMAX560M ●コンプリート車両価格:STD130万9000円 、TECH MAX145万2000円
RC甲子園 TMAX560M
RC甲子園 TMAX560M

最大約5psの全域パワーアップ(グラフ上)&加速アップ(グラフ下)を実現。ただでさえ速い560がさらに速くなる。ひと味違うTMAXが欲しいユーザーなら要チェックとなる1台だ。


●テスター:丸山 浩 ●写真:長谷川徹 ●まとめ:宮田健一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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