世界初&日本初、二輪車技術進化の歴史

時代を切り拓いた革新のエポックマシン:ヤマハFZR400R【世界初・EXUP】


●文:沼尾宏明 ※本記事で取り上げる「初」は、公道走行可能な量産二輪市販車としての”初”を意味します。なお、その定義には諸説ある場合があります。 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

’87 ヤマハFZR400R〈世界初・EXUP〉低速トルクを補う画期デバイス

鉄フレーム+水冷直4のFZ400が、’86年にレプリカのFZR400に新生。FZ750と同様、GENESISによる45度前傾エンジンやアルミデルタボックスフレームで戦闘力を大幅に高めた。そして翌’87年、限定車として投入されたのがFZR400Rだ。クロスミッションやアルミ製タンクカバー、前後ラジアルタイヤを採用し、クラス初の特別仕様として羨望を集めた。中でも話題を呼んだのが排気デバイス=EXUP(エグザップ)の初採用だ。中低速トルクを補い、より力強い出力特性を実現。以降、多くのヤマハ4ストスポーツに導入される重要システムとなった。

【’87 YAMAHA FZR400R】■車重162kg(乾) 水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 59ps 3.9kg-m ●当時価格:89万円

【可変バルブで排気の流れを最適化する】マフラー集合部に可変バルブを設け、エンジン回転数などに合わせて排気管内の断面積を変更。排吸気の効率を高め、パワーロスを防ぐデバイスがEXUPだ。以後、熟成を重ね、現行R1や2気筒にも搭載されている。

好評につき、’88からSTDのFZR400にも導入。さらに2代目の’88FZR250にも採用された。他社が4ストに同様のデバイスを導入するのは後年であり、EXUPが最もメジャー。

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