待ちわびた”ガチなホンダ”が、「CBR1000RR-R」という最高のカタチで戻ってきた。’20年1月末にカタールのロサイルサーキットで行われた国際試乗会にて、本誌特約メディア「SOLO MOTO」に加え、フレディ・スペンサー氏および世界耐久選手権の現役選手のコメントを入手。その絶賛の声をお届けしよう。
●文:沼尾宏明、中村友彦、田宮徹 ●取材協力:SOLO MOTO/F.C.C. TSR Honda France ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
「またがった瞬間は、レーシーすぎて逆に違和感を覚えるほど。丸山浩さんも指摘していましたが、シートに対してステップ位置がかなり高く、自分には窮屈すぎる印象がありました。ただしコースを攻め込んでいくうちに[…]
フレディ・スペンサー(元WGP500/250王者)「ファイアーブレード史上最大のステップチェンジだ」
「’92年に初代CBR900RRが発売されて以来、すべてのファイアーブレードに乗ってきたが、’20年のモデルチェンジはこれまでで最大のステップを上がったと思うよ。217.6㎰となったエンジン、サスペンション、そして全く新しい電子制御パッケージによって、歴代でもっとも高いポテンシャルと、”速さ”に集中したファイアーブレードになった。『速く走る』ことを求めるライダーにとって、もっとも簡単に乗ることができ、もっとも満足感を得られるファイアーブレードだね。ホンダは素晴らしい仕事をやってのけた。グッジョブ!」
フレディ・フォレイ(現役WECライダー)「もはや従来型と比較することはできない」
「パワフルでとてもいいバイク。エンジンは驚くべきパワーだよ。シャーシは強く、簡単に乗れるし、必要に応じて電子制御のトラクションコントロールが働く。もはや古いモデルと比較できない、全くの別世界。真のレースバイクと言っていい。フロントのフィーリングはとても良く、我々が普段乗っているレースバイクと同じようにフロントで多くのサポートをしてくれる。トラコンもよく出来ていて、レースベース車のSTD状態で電子制御は非常にうまく働いてくれる。レースバイクと同じように多くの自信をもたらしてくれるマシンだね」
アントニオ・ギノバルド・カバレ(ソロモトテスター)「最も鋭い炎の剣」
「これは『我々が買えるRC213V-S』だ! 新型CBR1000RR-Rはゼロから作り上げられ、前作との関連はほとんどない。パワーウエイトレシオは’17年発売の前作から約10%、’92年の初代と比較すれば約80%も向上している。
超ショートストロークのエンジンは 1万1000回転まで前作を下回るパワーカーブだが、そこから上の最高出力を発揮する1万4500回転まではリアルレーシングの世界。サーキットでは1万回転以上をキープするギヤ選択が必須だが、トラックモードではなくスポーツモードを選べば、もっとリニアなパワー特性となるだろう。
トラクションコントロールの出来は秀逸だ。新型はボッシュの6軸IMUを採用することで、本当に必要な場面でのみ介入、ある程度のスライドも許容する。電子制御サスペンションによってブレーキングの安定性も素晴らしい。ただ、2速と3速はやや離れすぎか。
いずれにしろ、一切の妥協はない。これが最新のスーパーバイクなのだ」
CBR1000RR-Rのライバルはスーパーレッジェーラ!?
ドゥカティの新型「スーパーレッジェーラV4」は、パニガーレV4をベースとしながらもスペックはまったくの別物。フレームもホイールもカーボン製で、規制がなかった’16年のモトGPマシンから派生した”バイプレイン”ウイングは、270km/h時に50kgものダウンフォースをもたらす。公道走行可能な状態で224ps以上、サーキット用マフラーで234psを発揮。乾燥重量はパニガーレV4より16kg軽い159kgという、限定500台の化け物だ。
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