待ちわびた”ガチなホンダ”が、「CBR1000RR-R」という最高のカタチで戻ってきた。その本気度を測るべく、ヤングマシン編集部では国内最速のフルテストを敢行した。まず最初のテスト項目は、高速周回路を使ったストレート区間での0-1000m加速/最高速勝負。自主規制の最高速299km/hに到達するまでの時間は、驚異的な短さだった。
【TESTER:丸山 浩】「めちゃめちゃ割り切ってる。ホンダらしい乗りやすさは捨ててるね」 その潔さに思わず感嘆の本誌メインテスター。国内最速フルテストでRR-Rの素性を暴く!
●まとめ:田宮徹 ●写真: 長谷川徹 ●取材協力:TOHOレーシング ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
【テストの舞台は日本自動車研究所(JARI)高速周回路】自動車やモビリティに関する技術の試験や評価ができる、総合的な研究機関として運営されているJARI。茨城県の城里テストセンターには1周5.5kmの高速周回路があり、そこが今回の舞台。
4速・299km/hの衝撃!
想定よりも早く、日本でCBR1000RR-Rのフルテストを敢行できることになった。渾身の完全刷新により’20年型で新規導入されるRR-Rの一般販売に先立ち、春からのレースシーズンに対応するため、2月中旬にCBR1000RR-RファイアーブレードSPのレースベース車(欧州仕様)が発売された。今回のテスト車両は、まさにそれだ。
ナンバーを取得して公道走行することができないレースベース車とはいえ、灯火類などすべての保安部品は市販版と同じ状態。レースベース車には専用のECUとハーネス類も付属するが、これは別送扱いで、今回のテスト車両は電気系もすべて欧州公道仕様と同じ状態となっている。現在、二輪車に関する環境規制は欧州と日本でほぼ共通化されており、国内仕様は欧州仕様と同じスペックで発売されることがほとんど。つまり今回テストしたRR-Rと同じポテンシャルを、一般ユーザーも日本で味わえるのだ。
となれば必然的に、テストにもかなりの気合いが入る。「どれくらい速いのよ?」と、うずうずしながらまずは持ち込んだ高速周回路。自主規制が設定されている最高速にはさほど興味はなかったのだが、RR-Rは区間加速のテスト中に、意図せず度肝を抜くような記録をマークした。
たしかにファイナルのギヤ比はロング気味だが、とはいえ4速でメーター読み299km/hに到達するって、いくらなんでも速すぎだろ……。ギヤが2段も余ってしまうではないか!
【ウイング効果は体感できるか?】RR-Rのフェアリングには、MotoGPワークスマシンのRC213V(’17~’18年型)からフィードバックされた技術を用いて設計されたダクトウイングが装備されている。200km/hからの加速でも前輪が浮き気味になるほどのパワーを持つRR-R。メーカーによると、ウイングはダウンフォースを発生させ、4速までの加速で0.6秒速いとのことだが、着脱できる機構ではないため、有無による効果の差を体感することはできなかった。逆に言うと、ライダーが感じる空力特性は一般的なスーパースポーツ車と同様で、わざと高い角度までウイリーさせたり、高速周回路のバンク最下段から200km/hくらいの速度でコーナーを立ち上がってみたりしても、不自然な車体挙動はない。
JARI高速周回路にて0-1000m加速/最高速をテストした結果、なんと4速で自主規制最高速299km/hに達してしまったCBR1000RR-R。次ページでは、BMW S1000RRを対抗馬に迎え、その速さをさらに検証する。
(前ページより続く) 今回のテストでは対抗馬として、直4エンジンを積むリッターSSではこれまで最強のパワー(207ps)を誇っていたBMW S1000RRを用意。217.6psを発揮するRR-Rとの比[…]
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