’20新型カワサキNinja 1000SXは、前モデルのZ1000SX(欧州名)とNinja 1000(和名)から改称。デザインのリファインとともに電子制御が大幅進化を遂げ、商品力も格段にアップした。さっそく海外メディアの採れたてレポートをお届けしよう。
●文/写真:MoreBikes(UK) ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
走行モードは3種類。旅もスポーツもラクで速い
新型のNinja 1000SXは、新しいデザインやスペックに手を入れ、よりスポーティな仕上がりとなった。
欧州においては3種類のNinja 1000SXが提供される。まずはSTDモデル(テスト車はパニアケースをオプション装着)。2つ目はカーボンファイバーのアクラポヴィッチマフラー、タンデムシートカバー、フレームスライダー、スモークスクリーン、タンクパッドを備えた「パフォーマンスエディション」。そして3つ目の「ツアラーエディション」は、容量28Lのハードパニア、グリップヒーター、GPSブラケット、TFTスクリーン用のプロテクターを備えている。
そしておそらく、これらのオプションパーツを用いて、自分仕様の「パフォーマンスツアラーエディション」をつくり上げることも可能だろう。
【’20 KAWASAKI Ninja 1000SX】主要諸元■全長2100 全幅830 全高1190~1225 軸距1440 シート高820(各mm) 車重236kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒 DOHC4バルブ 1043cc 141ps/10000rpm 11.3kg-m/8000rpm 変速機6段 燃料タンク容量19L■キャスター24° トレール98mm タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●価格:148万5000円 ●色:灰、緑、白 ●発売日:2020年4月4日 ※ETC2.0搭載
最初の技術説明会は、多くのニューモデルと同様に電子制御関連に時間を割いたものになった。レイン/ロード/スポーツの3つの走行モードのほかに、パワーモードを自分の好みに変更したり、トラコンをオフにできるライダーモードもある。
シートはやや幅広になったが、引き続き平均的な足着き性。ハンドルバーは手の届く自然な位置にあり、街乗りから大陸横断ツーリング、ワイディングまで違和感なくフィットするだろう。
イージーなライディングを支えるのは、信じられないほどフレキシブルなエンジンだ。低回転では6速40km/hでも問題なく車体を前に進める。そして6000rpmを超えてからの領域では、カワサキのカリスマ的な咆哮も味わえる。双方向対応のクイックシフターはスムーズだが、マニュアル操作で上手にギヤチェンジできたときよりは、若干のショックがあった。
バックミラーは私が今までに乗ったバイクの中で最高だ。後方視界だけでなく、通過する交通環境の距離を測るのに完璧だ。パニアケースの幅にも完全にフィットしている。インナー付きパニアケースにはアクセスしやすく、数秒で取り外すことも可能だ。
【H2SX譲りの技術を投入し、電子スロットルに走行モード獲得】「ラクッ速」の代表格・Ninja 1000SXが4代目に進化。基本設計は従来を踏襲しつつ、細部の熟成とともに電スロを中心とした電子制御を大幅バージョンアップした。エンジンは低回転域のスムーズさを向上し、4種類の走行モードを獲得している。
さて、快適性はOKだが、スポーツ領域ははどうだろうか?
140psはスーパースポーツの200psに比べると印象的ではないが、新型Ninjaを240km/hで走らせるのには十分だ。
コーナーを曲がっていく際にもバンク角は十分。左右の切り返しもスポーツツーリングカテゴリーのどのバイクよりも簡単だ。スタビリティも印象的で、逆バンクやひび割れた舗装にも動揺することはなかった。
Ninja 1000SXは、レジャーであろうとスポーティな走りであろうと、素晴らしいツーリングの道のりを楽しめるバイクに仕上がっていると言えるだろう。
【走行モードは4種の連動型に】ライディングモードはスポーツ/ロード/レインの3種類で、トラクションコントロールとパワー特性が連動する。ライダー(マニュアル)モードを選べば個別に調整することもできる。
【クイックシフターはアップ/ダウン対応】電子制御スロットル採用により、アップ/ダウン双方向対応のクイックシフター採用が実現。ツーリング/スポーツ両方の場面で大いに役に立つはずだ。
【右1本出しで2kg軽量化】マフラーは従来の左右2本出しから右1本出しとなった。集合方法は4in2in1で、2kgの軽量化も達成した。タイヤはブリヂストン最新のバトラックスS22。
【シリーズ初のTFTフルカラー液晶が標準】新採用の4.3インチフルカラーTFT液晶メーターはブルートゥースでスマホに接続可能。専用アプリでは燃料消費量やリーンアングルなども表示可能。好みで表示内容なども変えられる。
【国内はクルーズコントロール&グリップヒーター標準】欧州ではオプション設定となるグリップヒーターも国内仕様では標準装備。新設のクルーズコントロールは「ラクッ速」性能をさらに推進する。
【スクリーン調整範囲拡大】ヘッドライト周辺はアグレッシブなデザインに。スクリーンは4ポジションで調整可能。
黒のほかに緑と白をラインナップ。従来よりもダーク系で引き締まった印象だ。
あなたにおすすめの関連記事
スポーティな乗り味とリラックスしたライディングポジションで人気のツーリングスポーツ、カワサキ「ニンジャ1000SX」が登場する。第3世代まではニンジャ1000(欧州ではZ1000SX)を名乗っていたが[…]
'11年の初代デビュー以来、鋭い走りをイージーに楽しめるマシンとして人気を獲得。基本構成はZ1000をベースとしながら、フルカウルをはじめ、走行モードやトラコンなど独自装備を多く有し、'17の3代目で[…]
市場初のスーパーチャージド・ネイキッドであるZ H2、現在唯一となる250cc並列4気筒のNinja ZX-25R、人気ネオクラ無印W800の復活、そして既存モデルのブラッシュアップ等、2019年のバ[…]
数の論理から言えば、ホンダ横型エンジンのモンキー/ゴリラ系チューニングパーツについては、様々なコンストラクターから数多く販売されている。流用可能な機種を含めてベースモデルの出荷数が相当数なので、このよ[…]
401cc以上のクラスは、前年'18年から500台減となるも、カワサキZ900RSが2位に2倍以上の大差をつけて販売1位。新作のホンダCB650R/CBR650Rの650兄弟も3位と好調だった。'19[…]
最新の記事
- 1
- 2