海外発表までカウントダウン

発表直前 Ninja ZX-25R 最後の!?予想情報 【車体サイズ&公開特許解説】

いよいよ発表までカウントダウンが始まった、250cc4気筒のカワサキ Ninja ZX-25R。’19東京モーターショーでの華々しいお披露目以降、謎に包まれた部分が多かった同車であるが、編集部がギリギリまで追い続けた「最後の最新情報」として、車体サイズ感の予想と、関連する公開特許についてお届けする。


●文:沼尾宏明 ●写真:Kawasaki Indonesia ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

Ninja ZX-25Rの車体寸法は、今のところ明かされていない。’19東京モーターショーで見た私的な印象では、2気筒250㏄よりはさすがにエンジン周りのボリュームがあるものの、250クラスらしいコンパクトさが感じられた。

そして2020年1月9日、カワサキインドネシアが単気筒のニンジャ250SLとZX-25Rが並んだ写真を公開。SLよりややロングホイールベースであることが確認できるが、意外にも車体自体の大きさはほぼ変わらない。軽さをはじめ、スリム&コンパクトさを追求したSLと同等だけに、取り回しのよさと軽快な運動性能が大いに期待できそうだ。

【左:KAWASAKI Ninja ZX-25R】■全長・全幅・全高・軸距・シート高・車重=未発表 ■水冷並列4気筒DOHC4バルブ 249cc 最高出力・最大トルク=未発表 タイヤF=100/70R17 タイヤR=150/60R17
【右:KAWASAKI 250 SL】■全長1935 全幅685 全高1075 軸距1330 シート高780(各mm) 149kg ■水冷単気筒DOHC4バルブ 249cc 29ps/9700rpm 2.2kg-m/8200rpm タイヤF=100/80-17 タイヤR=130/70-17

Ninja250 SL

SLはスーパーライトの略。軽量コンパクトを追求した1台で、パタンとよく寝るレーシーな走りが特徴だった。国内には’15年に投入され、’17で生産終了したが、海外では現役だ。

カワサキ Ninja250 SL
カワサキ Ninja250 SL

【ステップ位置以外はZX-25Rもレーシー?】ステップが高くハンドル位置が近い、コンパクトなポジション。車体は非常にスリムで、両足がベッタリ接地する。もちろんサイズ感は2気筒のNinja250より小さい。ZX-25Rとサイドビューを比較する限り、車高やシート高が同等で、着座位置からハンドルまでの距離もほぼ同じ。ただしステップはZX-25Rの方が低く、前寄りだ(身長171cm/体重65kg)

公開特許解説〈ラムエア〉スムーズな吸気とスマートな外観を両立する新ダクト構造

東京モーターショーの後に公開されたティザー動画により、ラムエアの搭載が明らかに。また新たな取材で、ダクトが車体左側を通ることも判明。さらに2019年12月に公開された特許公報で、カワサキがZX-25R向けらしき特許を出願していたことがわかった。

ラムエア関連特許の出願日は’18年6月で、やはりセンターの吸入口から左回りのダクトが図面に描かれている。ダクトは、ツインビームのトレリスフレームの間を通って、エアボックスへ接続。これによって、ダクトを上下方向に曲げる必要がなく、空気の流れが円滑に。また、外観からダクトの存在が目立たなくなる効能もある。

オデコにあたるセンター配置の逆三角形状は図面と同じ。ダクトの奥に、特許図面と同じネジも見える。ここに水滴を衝突させ、エアクリーナーへの水の浸入を防ぐ。

【やはり吸気ダクトは車体左側の取り回し】図右は上からダクトの経路を見たもの。車体左側に湾曲し、走行風を導く。雨水は吸入口の正面に付着し、下部のドレンボルトから排出される。

公開特許解説〈マフラー〉 外観と性能を両立すべく3室&3層構造に

特許によると、エンジン下の巨大なマフラーボックス(膨張室)の内部は、複雑な3室構造。これが官能的な直4サウンドとパワーを演出するのだろう。ケースは3層構造で、外壁と内壁の間に吸音材を挟み込み、非接触式として排気の熱と振動音を抑える。また、ケース外壁の劣化を抑えることも可能だ。内外壁は、図面ではステンレス製。ただし異なる材質での製造も可能という。触媒は集合部後方にダブルで設置。ショートサイレンサーはボックスと溶接された一体構造と明記されている。そのエンド部は、出口を大きく見せて外観を向上しながら、排気音も抑える優れモノだ。

テールエンドは、アウター&楕円パイプ×2の三層構造。これが美観と消音の役目を兼ねる。国内は東南アジアより騒音規制が厳しく、より多層構造になる可能性も。

【3重構造の弁当箱】弁当箱と呼ばれるエンジン下の膨張室は、インナーとアウターケースの間に吸音材をサンド。外部への熱と音を抑制している。

膨張室を上から見た図。ショートサイレンサーとの連結部は溶接されており、スリップオンマフラーの装着は不可だろう。

【効率的な3室構造でF1サウンドを実現?】膨張室内部は複雑な3室構造で、排気はグルリと内部を一周してから排出される。これが優れた出力特性と直4ならではのサウンドに貢献するハズ。

【二重パイプの間からも排気する】テールエンドの断面図。内部を二重パイプ構造とし、内筒と外筒の間からも排気することで、騒音を抑制している。

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