シーズン序盤に肩慣らしを兼ねたスキルアップ

「ホンダ・モーターサイクリスト・スクール(HMS)」で楽しくライテクを磨いちゃおう![前編]

実走時間が長めで、ライディングを楽しみながらスキルアップ可能。インストラクターは、優しいけど指導が的確なプロフェッショナル。バイクやプロテクターはレンタルなので、気軽に参加ができる。そんな魅力だらけのHMSに本誌初登場の“ミカリン”が潜入取材した! 前編では、HMSがなぜリピーターの心をつかんでいるのか紹介しよう。


●文:田宮 徹 ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

【山口ミカ】愛車はCBR250Rながら、昨年には大型二輪免許も取得済み。モデルやバイクタレントに加えて、中国語翻訳者としても活躍中だ。2014~2015年には鈴鹿サーキットクイーンとして活動。久しぶりの“ホーム”で、苦手意識のあったスラローム系の上達に挑んだ!

全国各地の交通教育センターで多彩なレベルが設定される「HMS」

ホンダの交通教育センターは、ホンダと縁のある地を中心として全国7ヵ所に設置されていて、個人ドライバーのスキルアップや運転復帰支援、企業ドライバーの運転研修なども実施している。個人向けのバイクスクールはHMS(ホンダ・モーターサイクリスト・スクール)の名称で、各施設で内容などは多少異なるが、おもに初心者と中級者が対象だ!

シーズン前半での参加が特に効果的なはず!

日本列島は春を迎え、待望のバイクシーズンが到来。今年は暖冬だったから、住む地域によっては冬でも元気にバイクで走り回っていたライダーも多いと思うが、とはいえ本格的にバイクでツーリングやサーキットを楽しむなら、やっぱり春からが本番だ。

しかしこの時期のライディングは、とくに注意が必要。冬にバイクから遠ざかっていたライダーが、昨シーズンの感覚で走っていきなり転倒や事故……なんてことが少なくないからだ。基本的な乗車感覚はカラダに染みついていても、細かい運転操作技術は、しばらくバイクに乗らなければ誰でも多少なりとも衰えているもの。そのことを意識せず、以前と同じようにバイクを走らせるのは、リスクが高い。

そこでオススメしたいのが、この時期だからこそのライディングスクール参加だ。安全な環境でかつての運転技術を呼び起こし、さらには秋までのバイクシーズンに役立つ技術も習得。一石二鳥とはまさにこのことだ! 日本各地で数々のバイクスクールが実施されているが、その中で我々が注目するのは、ユーザーがバイクに乗って安全に楽しく遊べる環境づくりにも力を入れているホンダが手がけるHMS(ホンダ・モーターサイクリスト・スクール)。初めて開催されたのがなんと1978年という非常に長い歴史と、それによって蓄積された膨大なノウハウを持つスクールだ。

現在、HMSを開催しているのは全国7ヵ所にあるホンダの交通教育センター。施設ごとに日程や開催コースなどは異なるが、毎年延べ2万人ほどが参加する人気を誇っているのだ。

鈴鹿サーキットに併設されたSTECは、長い歴史を持つHMSの中核的存在

三重県のSTEC(鈴鹿サーキット交通教育センター)は、1964年に白バイ隊員の高速安全運転講習がこの地で全国初開催されたことを誕生のルーツとする。この効果が注目を集めたことから、翌年から企業向けの安全運転講習も実施。二輪車事故死傷者数が急増したのを受け、1978年に「ホンダ・モーターサイクリスト・スクール(HMS)」がスタートした。

1991年には「ホンダ・ドライビング・スクール(HDS)」、1994年には「親子でバイクを楽しむ会」も開始。施設は2007年にフルリニューアルを受けて、設備の大幅な充実化が図られた。じつは、鈴鹿サーキットのグランドスタンドからとても近い場所にある!

[ここがポイント!]練習車両はレンタルが基本、ガード付きで安心感がある!

スクールは、ごく稀に持ち込み車両のクラスが設定されることもあるが、基本的には施設が所有するバイクを借りて受講。レンタル料金は参加費用に含まれている。STECで使用されるスクール車の一例としては、写真のCB1100RS、NC700S、CB400F、CB400スーパーフォア、VTR、CBR250Rなどがあり、その総台数は200台ほど。なお、普通自動二輪免許をお持ちの方は、2回目以降の参加の際には、NC750Lも乗ることができる。

これからリターンするライダーでも参加しやすい充実の無償レンタル

教習車だけでなくプロテクターも無償レンタル可能。ヒジ用やヒザ用からボディプロテクターまで、膨大な数が用意されている。プロテクターがフル搭載されたライディングウエアならそのまま参加できるが、なくてもわざわざスクールのために購入する必要なし!

リピーターがとても多いのも特徴。人気は中級スポーティライドチャレンジ

「毎年同じ時期に復習」とか「数回を連続して集中的に練習」とか「思い立ったときに……」など、参加者ごとにパターンはさまざまだが、HMSにはリピーターが多い。複数回参加者からとくに人気を集めているコースは中級スポーティライドチャレンジ。制動や旋回や危険回避などを、かなり実践的に学べる。HMSには参加者が自分で記入するカルテが用意されていて、前回までの課題や走行記録を簡単に振り返ることができるのも魅力だ。

HMSで試して経験したことを、公道での安全に!

STEC所長 小澤隆さん
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【STEC所長 小澤隆さん】栃木県のツインリンクもてぎアクティブセーフティトレーニングパークから18年ぶりにSTECへ戻り、今年1月から所長を務めています。以前は、この施設でバイクのインストラクターもしていました。我々としては、HMSでいろんな操縦を試したり経験したり学んだことが、公道を走るときの安全につながると信じています。自分の技術を知ることで、この運転で安全が本当に確保できているのかということが判断できるようになります。運転技術が上がることで、周囲の状況に注意を払う余裕が生まれます。ぜひこのHMSで、ライディングを楽しみながらも運転操作の精度を上げ、いろんなことを試していただきたいと願っています。

STECのHMS開催コースとスケジュールはこちら!

※1万4300円の各コースには学生スーパー割(6600円)、アンダー25スーパー割(8800円)、エンジョイ60割(1万3800円)もあり!

STECで4~9月に開催されるHMSは表のとおり。全国各会場で開催されるHMSは、開催日の1ヵ月前0時から3日前まで、インターネットのセーフティスクール予約システム(「HMS 予約」で検索)から申し込みできる。また、各開催会場に電話(鈴鹿サーキット交通教育センターは059-378-0387)で申し込むことも可能で、こちらは開催日の1ヵ月前10時から1日前まで、営業日の9~17時に申し込める。いずれも定員になり次第、受付終了となる。

後編]に続く

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