2014年というEV黎明期に欧州発売されたBMWの電動バイク「Cエボリューション」。軽二輪枠の電動バイクとして先駆けとなり、モーター駆動ならではの高い加速力と100kmという長い航続距離が話題を呼んだ。登場から6年目を迎えるCエボリューションがどのように進化したか、電動バイク追っかけタレント・近藤スパ太郎が試乗レポートする。
●文:近藤スパ太郎 ●写真/デザイン:輪 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー] 環境番組のパーソナリティを担当したことを機に、電動バイクの強烈なパワーにひと目ぼれ。俳優・MCの他、企画プロデューサー、芸能プロダクションSPANCHOOSの代表を務める。
一度乗れば欲しくなる、乗って楽しい加速感
警視庁の白バイ車両として採用され、東京マラソンのペースメーカー車両にもなったBMWの電動スクーター「Cエボリューション」。国内では2017年5月に発売されたものですが、ボクは発売前に広報車両にしばらく乗っていました。ビックリしたのが、シュイィィーーンと飛び出していくものスゴイ加速力! 当時の市販スクーターの中で一番の加速力を誇り、音もなく颯爽と走るCエボを運転しながら「次回作のミッションインポッシブルで、トム・クルーズが駆って逃げる車両はCエボだな!」なんてスパイアクション気分を味わっていたものです。静かだから忍び寄るシーンにも映えそうですしね。
それから3年が経ち、今回進化したCエボリューションにあらためて試乗しました。
大きく変わったのは、航続距離が100kmから160kmに伸びたこと。バッテリー容量が増え、車重も10kgも増えているのに、ジェット機が離陸する様な加速感は変わらず、0-50km/h加速が約2.8秒、0-100km/h加速が約6.2秒というスペックは健在! 足まわりもブレーキ性能が良く、スロットルにクイックに反応する操作感も気持ち良くて、またもやトム・クルーズ気分を味わえたのです。いやむしろ、カラーリングがホワイト系からブラック系になって、スパイ気分は増しているかもしれません…。航続距離が伸びたことでより実用的なスポーツバイクに進化していました。
ちなみに、Cエボリューションのオーナー達は、節電して航続距離を延ばすテク(電ピテク)にハマっているそうで、新しい楽しみ方にも興味津々。これがけっこう難しく、ボクはまだまだ修行が必要そうです。ちなみにSAIL(セイル)モードで惰性走行を上手く使って気持ちよく走るのがコツらしいです…。
4種の走行モードや自動回生ブレーキ、バック機能も装備
加速パワーが最大でブレーキ回生度が中程度の「ROAD」、加速も回生度も最大の「DYNAMIC」、加速が最大で回生がない「SAIL」、逆にブレーキ回生度が最大で加速パワーも抑えた航続距離重視の「ECOPRO」。4つのモードは走行中でも右手のボタンで切り替えができる。
トルク・コントロール・アシストによる駆動トルクの管理
EVはトルクが強い。トルクコントロールアシスト(TCA)という電子制御システムがリアホイールの回転を監視し、必要に応じて駆動トルクを抑えてリアホイールのスリップを防止している。また強い回生ブレーキの際にもTCAがリヤホイールロックを防止している。
駆動用バッテリーはBMW i3と同じテクノロジー
CエボリューションのEVシステムは、BMWの電気自動車「i3」と同じ技術が搭載されている。耐水化されたバッテリーケースはアルミダイキャスト製で、電子制御系と充電システム全体を収容。フレームとしての機能、衝突時のバッテリーのプロテクター機能も持ち備えている。
シート下にヘルメットを収納可12Vソケットはヘラタイプ
タンデムシートの下には、フルフェイスヘルメットが余裕で入る収納スペースを確保。電動スクーターとしては大きな収納スペースだけど、持ち運ぶ充電ケーブルとアライのジェットヘルメットの同時収納は無理だったのが残念…。車載工具もシート裏に収納されている。
外出先で充電したみた→充電インフラの整備に課題あり
ところで、このCエボリューションを試乗した際に感じた大きな不満がひとつ。充電スポットを確認できるスマホアプリでは普通充電器の施設がたくさん出てくるのに、いざ行ってみると肝心の充電器はクルマ専用駐車場の中に設置されている場合が多く、バイクは入れない…。時間貸しの野外駐車場ではガソリン車が停めてあって充電できない…など、充電インフラの課題を痛感しています。コレには電動バイクの普及が必要です。
充電スポット情報はアプリで確認できる
EVオーナー必須アプリのひとつ「EVsmart」。200V普通充電器が青色で表示され、設置されている施設名称や営業時間、電話番号、利用者の口コミ情報もある。
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