遺産/伝統を意味する”ヘリテイジ”な外観ながら、走りは現代的なネオクラシック。往年の名車リバイバルが近頃の潮流だ。そのトレンドの火付け役となった大ヒットモデルカワサキZ900RSシリーズとクラス大本命のW800シリーズを紹介する。
●文:沼尾宏明、宮田健一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
新作ラッシュは一段落も、リバイバル系が年々増加 トラブルがつきまとう本物の旧車に対し、安心して往年の雰囲気を味わえる現代のネオクラシック。人気を獲得したBMWのRナインTやヤマハのXSRシリーズは、往[…]
Z900RS:名車”Z”の末裔は不滅のスタイルと最新メカが競演
ティアドロップ型の燃料タンクに丸眼ヘッドライトなど’70年代の名車「Z1」をオマージュしたスタイルを持つネイキッド「Z900RS」。生産終了したゼファー1100、ZRX1200ダエグに続く、待望のレトロ系ネイキッドとして’17年12月にデビューし、’18年にベストセラーを記録した。水冷直列4気筒+鋼管トレリスフレームの基本構成は、ベース車のZ900とほぼ共通ながら、専用の外装パーツで全く異なるスタイルを実現。装備は最新ながら、レトロさを上手く融合した。走りに関しても、ニュートラルな操縦性と迫力ある重低音サウンドにこだわり、レトロ感を追求している。’20年型では、’74年型の”イエロータイガー”Z1/Z2を彷彿とさせる濃緑×黄ラインを投入。初代Z900RSは’73年の初代Z1″火の玉カラー”(オレンジ×茶色)を踏襲したが、次のカラーとしてこれほど相応しいものはない。
Z900RS CAFE:走りが楽しい純正スポーティ”改”
Z900RSにビキニカウルを装着したバージョンで、’18年にデビュー。王道のSTDに対し、レトロカスタムな雰囲気が特徴だ。さらにローハンドルと分厚い専用シートを採用。上体は若干前傾し、シート高は+20mmとなる。カウルにより高速道路は疲れにくく、ライポジの変化でフロントに荷重がかけやすいため、峠道が一段と楽しめる。’20では新色が2タイプ登場した。
W800:もっとも「W」らしいW
排ガス規制に対応し、STREETとCAFEの2本立てで2度めの復活を果たしたW800シリーズ。それに加えて、’19東京モーターショーでの発表後に発売された3台目のニューカマーが、無印の「W800」だ。フロント19インチのホイールを持ち、W800シリーズのなかで最もオリジナルWが持つ、ゆったりとしたハンドリングを再現。外見も最もクラシカルな雰囲気でまとめられている。ハンドルバーは専用品で、高さはCAFEとSTREETの中間に設定。リラックスしたライディングポジションを実現する。ヘッドライトがLEDとなっているほか、ETC2.0車載器やグリップヒーター、センタースタンドも標準装備とするなど実用面も充実しているのが特徴だ。
W800カフェ:ビキニカウル&ローハンドル
ビキニカウルとM字形状のクラブマンスタイルハンドルバー、それにシングル風シートを装備。適度な前傾姿勢でのライディングを楽しめるカフェレーサーバージョンが「W800カフェ」だ。2本出しのキャブトンマフラーをはじめ52psを発揮する空冷バーチカルツインの動力スペックは他バージョンと共通。
W800ストリート:アップハンドルのベーシック版
新生W800シリーズのスタンダードモデル「W800ストリート」。アシスト&スリッパークラッチ装備の空冷バーチカルツインを、剛性を高めてリニューアルしたダブルクレードルフレームに搭載。アップライトのハンドルバーがセットされる。ヘッドライトはLEDで、ETC2.0車載器とグリップヒーターも標準装備。前後ホイールは18インチ。ストリートのみグリップヒーターが非装備だ。
「見た目は往年、中身は最新」仕様が支持され、現在の二輪市場を牽引している感のある大型ヘリテイジスポーツモデル。次ページではホンダ車を紹介。ロングセラーのCB1300シリーズとCB1100シリーズが登場する。
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